12人目
入学式当日。俺は昇降口の前にいた。理由は、クラス発表のためだ。
塚谷:(俺の名前は、、、、、、。あっ、あった。二組か。)
俺はクラスを確認すると教室に向かった。教室に入るとそこにはスギタクがいた。
杉本:「おっ塚谷!同じクラスなんだな!よろしくな!」
そういうと、クラスにいる奴と話し始めた。
塚本:(あいつもう友達作ったのか。早いな~。)
そんなことを思いながら自分の席に着くと、後ろから声をかけられた。
??:「君、塚谷君?」
振り返るとそこには男子が椅子に座っていた。
塚谷:「そうだけど。」
??:「やっぱりそうだ!俺も名字が塚谷っていうんだよね!よろしく!」
これまた人見知りをしない元気な子に声をかけられた。俺は運が良いのか悪いのかこういうやつに、声をかけられやすい。初めて部活の練習に来た時もスギタクに声をかけられたし、、、。
塚谷:「よろしくな。俺の名前は塚谷大樹。」
輝:俺の名前は塚谷輝!同じ苗字の人に出会えてテンション上がってきたわ!!!」
塚谷:「お、おう。」
俺は輝の勢いに少し押されてしまった。その後輝の友達という橋本英志と俺の席の前にいた田中良哉と友達になった。4人で話していると担任の先生が来て、入学式の説明を受けすぐに入学式が行われた。
入学式も無事に終わり、ホームルームで先生からひと言自己紹介があり、学校生活一日目は終わった。
杉本:「塚本!早く部活行こうぜ!!」
塚本:「今行く。」
俺は帰りの支度をすぐに終わらせてスギタクと一緒に教室を出た。
杉本:「来週から春の大会か。早いな、3年生は春大が終わったら大きな大会は夏しかないんだよな。まぁ一年の俺たちには実際3年生が引退した秋大からが勝負だけどな。」
スギタクが俺に向かって言った。
塚谷:「いや、でも結果さえ残せば春はアピールするチャンスが少ないから厳しいけど、夏ならレギュラーは無理でも背番号はもらえるかもしれないじゃん!」
杉本:「そうかもしれないけどさ。実際1年で入るとしたら、小坪は監督からあんなこと言われていたしほとんど背番号確定みたいなもんだし、あとは中田が可能性あるよね。」
塚谷:「で、でも俺たちにもまだ可能性はあるよ!」
俺はスギタクに言ったというより自分に言っているような感じがした。お互いが思っていることを話しながら部室に向かっていた。
部室に着くとそこには先輩たちが先に着替えをしていた。俺とスギタクも急いで制服から練習着に着替えてグラウンドに向かった。
グラウンドに着くとまず川口監督のところに集合がかかった。
監督:「今日入学式が行われて、一年生が正式に鳥手第一高校の野球部の一員になった。これからよろしく。だが、目の前に春の大会が迫っている。夏前の大事な大会だ。背番号はまだ誰も決めていない。大会まで一週間、俺にアピールをしてほしい。特に一年生、俺は新しいものが大好きだから、少しでもいいと思ったらすぐにAチームに上げる。頑張ってくれ」
「「はい!!」」
監督の話が終わり、俺たちはアップを始めた。アップが終わると俺たちはキャッチボールをするために自分たちのグローブを取りに行った。バックは部室に置くがグローブやスパイクなどの荷物は置くところが決まっていて、3年生は一塁ベンチ、2年生は三塁ベンチ、1年生は三塁ベンチの横にある石ブロックの上だ。荷物置き場にグローブを取りに行くとそこには知らない顔があった。春休みの一週間の練習で一回も見たことのない奴だ。しかもキャッチャーミットを持っている。
塚谷:(こいつだれだ。しかもキャッチャーかよ。)
俺は少しそいつに対してライバル視した。
塚谷:「お前今日が練習初めて?」
??:「そうだよ。」
そいつは、小さい声でたんたんと話した。
塚谷:「そっか。俺の名前は塚谷大樹。よろしく。」
内埜:「俺は内埜将輝。よろしく。」
俺たちはあいさつを交わした。
塚谷:「内埜はキャッチボールの相手いるの?」
内埜:「まだいないけど、、、」
塚谷:「じゃあ俺とやろうぜ。一年生内埜が入ってちょうど12人になったから誰も余らないでキャッチボールできるでしょ」
俺は笑いながら内埜のほうを見た。
内埜:「じゃあよろしく。」
塚谷:「よっしゃ。早くやろうぜ。」
そう言い二人はキャッチボールに向かった。
内埜は俺よりも肩がよかった。キャッチングも俺よりもいい音を鳴らしていた。
塚谷:(俺より肩がよくてキャッチングもいいか、、、。まずいな、負けてられないぞ。)
キャッチボールが終わり、ノックが始まった。ノックの待っている間内埜と話して、軟式あがりということが分かった。やはり、外野からの送球で軟式とのバウンドの違いに苦戦しているようだった。俺も6年間軟式でやっていたのでなかなか軟式の癖が抜けないが一週間も受けていれば少しは慣れてきた。だが、やはりセカンド送球は経験の差が出てしまっている。
塚谷:(やらなきゃいけない練習がたくさんある、、)
ノックが終わり、トスバッティングとゲージを使ったバッティング練習とウエイトの3グループに分かれた。今日は、ピッチング練習はないらしい。この学校は基本月曜日がピッチャーのノースローの日らしい。中田の球を受けずに安心したような、受けたかったような複雑な気持ちになりながら、俺はウエイト室に向かった。
ウエイトでは主にスクワットとベンチプレスをやるらしい。ほかにも様々な機材が置いてあった。というか普通に公立高校でウエイト室があるのがすごいと思う。あと、グラウンドも内野までならナイター設備もある。なんでも、昔甲子園に行ったときに県からお金が貰えて、そのお金でナイター設備をつけたらしい。
逆井:「おい一年、ウエイト室の使い方とウエイトの仕方を教えるから、こっちにこい。」
そう声をかけてくれたのは、このチームの主将の逆井さんだ。逆井さんから一通り使い方とやり方を教えてもらい、俺は初めてベンチプレスをした。
逆井:「まずは自分の持ち上げられるマックスを調べろ。」
そう言われると、俺と同じ班だった堀之内と内埜と杉本で順番を決めてやることになった。
逆井:「いきなり重いのをやると筋肉を痛めてしまうかもしれないから、まずは10キロを10回からやってみろ。」
俺たちは順番にアップをこなし次に自分のマックスがいくつか調べるために重さを重くしていった。まずは、20キロだ。この重さは全員クリアしたが、次の30キロで杉本は上げることができなかった。
杉本:「よくお前たちこんな重いの持ち上げられるな!!」
堀之内:「いや、俺もぎりぎりだよ、、」
また10キロ重くして、40キロに挑戦をした。ここでは、二人がダウンした。それは、堀之内と内埜だ。俺もギリギリではあったが、上げることができた。
杉本:「あとは、塚谷だけか。」
次の重さは50キロだ。
杉本:「塚谷!これも上げちゃえ!!!」
その言葉に俺は頷き、50キロのバーを胸に落として持ち上げようとした。
塚谷:「ふん!!!!!!!!!!!!!!」
堀之内:「がんばれ!上がるよ!」
堀之内が俺にエールを送った。
塚谷:「だぁーーーーーーー!!!」
俺はギリギリ50キロを上げることができた。
杉本:「本当にこいつ上げやがった!!!!すげーーーー!」
次に60キロに挑戦したがさすがに上がらなかった。今日はスクワットはやらず、ベンチプレスだけやった。
時間になりウエイト室を後にして、トスバッティング、バッティング練習を順番にやった。
全メニューをこなし、最後に監督と3人のコーチの話で今日の練習が終わった。ちなみに3人のコーチとは神山さんと、多内さんと野口さんだ。先輩に聞いた話だが、神山さんと野口さんは外部コーチらしい。神山さんは小学校の先生を目指しているらしく、年は20代後半らしい。野口さんは声の高いおじいちゃんだ。年齢は先輩も知らないらしいが、川口監督が野口さんと呼んでいるところからして、監督より年上だろう。
塚本:(監督が53歳だから、、、、。一切何歳なのだろうか。)
最後に多内さんだ。正しくは多内先生だ。今年からこの学校に来たらしい。年は30代前半だろう。
練習後自分のポジションのグラウンド整備が行われた。俺はその時に疑問に思っていたことを内埜に聞いた。
塚谷:「なぁ内埜。なんでお前春休みの練習に来なかったの?」
そう、俺の疑問とは内埜がなんで春休みの練習に参加しなかったかだ。どうやって調べたかはわからないが、推薦入学した人以外のところにも連絡がいっていたらしい。その証拠に、堀之内は一般で試験を受けて入学しているのに春休みの練習開始日を、監督を通して聞いていたらしい。なら、内埜のところにも連絡がいっていてもおかしくないはずだ。
内埜:「それは、練習当日に風邪ひいちゃってなかなか治らなかったから行けなかっただけ。」
俺はその言葉を聞いていろいろ考えた自分がばかばかしく思えてきた。
塚谷:「あっ、そうなんだね。」
内埜:「うん」
内埜は表情を全く変えずに答えた。整備が終わり俺は急いで石ブロックのところにいる西谷のところに行った。
塚谷:「にしのや~」
西谷がこちらを向く。
塚谷:「俺にキャッチャーのことを教えてくれ!!」




