表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砦のカナメ  作者: スノヲ
4/20

全国レベル②

一年生の小坪の特大アーチという形で始まった。

次のバッターは中田だ


中田:「俺も負けてられないな。」


そうつぶやくと、初球をとらえた。


カキーン!


右中間に打球は飛びツーベースヒット。

次のバッターは杉本だ。


杉本:「俺もレフトスタンドにぶち込んでやるぜ。」


とベンチで言って打席に向かったが、初球を打ち上げてショートフライ。


杉本がベンチに戻ってくると、


小坪:「お前のレフトスタンドは近いな。」


小坪がボソッと言う。


杉本:「恥ずかしいから言うのやめろ!!」

小坪:「いやだって、飛距離20mくらいがスギタクのレフトスタンドなんでしょ?」


小坪は真顔で不思議そうにしていた。その時、俺は気づいた。たぶん小坪は天然だ。こんな煽り方を真顔ではなかなかできないと思う。現に今も不思議そうな顔をしている。


そんなやり取りをしているうちに、武田はピッチャ―ゴロ、西谷はライト前ヒットを打っていた。ツーアウト1、3塁。次のバッターはキャッチボールを誘ってくれた中川だ。


ピッチャー第一球を投げた。ドンッ。ストライク。

第二球を投げた。ブンッ。ドンッ。ストライク。


振り遅れているのがわかる。小坪と中田のバッティングで忘れていたがピッチャーは3年生だ。しかも、さっき聞いた話だが、金田さんはこの学校のエースらしい。小坪と中田がどれだけすごいかがわかる。中川は高めの釣り球に手を出し三振でこの回の攻撃が終わった。

2回の攻撃。7番の新庄からだ。何球も粘りフォアボールで出塁。次は8番の大松の打席だ。打席に入る前、


大松:(こんな切れのある速い球、まだ俺には打てないな。だが、打つだけがアピールじゃないよな。)


金田が大松に対して初球を投げた。


塚谷:「あっ」


なんと、初球セーフティーバント。少し勢いは強いが三塁線の良い角度のところに決まった。大松は風のように走る。

三塁手は急いで前に出る。


三塁手:(グローブで捕っていたら間に合わない)

シュッ


すかさず、素手で捕りに行き、一塁に送球。判定は、惜しくもアウト。


大松:(ちっ、少しボールの勢いを殺しきれなかった。)


西谷「あいつ足早いな」


西谷が言う。


監督:(大松か、、足も速いが、入ったばかりの1年生がこの球威に臆さず一回でバントを決めるのか。しかも、サインプレーではなく自分で考えてプレーができているな。)


川口監督が大松を見ながらそんなことを思っていた。


「大松惜しかったな。」

「あと少しでセーフだったのに。」

「いや、あれはサードがうまかったよ。」


みんながベンチで大松を迎える。


「まぁランナーは二塁に送れたしオッケーでしょ!!」


笑いながら大松は言う。


大松:「チャンスは作ったから一本打てよ塚谷!!!」

一年:「続け続け!!!」


ついに俺の番がまわって来た。確かに金田先輩のストレートは中学ではなかなか見ないキレと球速を持っている。だが、まっすぐだけと分かっていれば打てないわけにはいけない。俺は右バッターコースに立った。


塚谷:「お願いします」


塚谷:(今までの配球から、初球はアウトコースから入ってきてる。というか、ほとんどアウトコースだけだ。ここはアウトコースに的を絞ろう。)


金田が投球動作に移る。塚谷に対して第一球を投げた。

ドンッ!!


神山:「ストライーーーク」


予想通りアウトコースにきた。だが、バッターボックスの外で見ているよりバッターボックスに入ったほうが球のスピードが速く手が出せなかった。

塚谷:(思っていたより速いな。だけどコースは合っていたし、スピードも一回見たから次は打ってやる。)


第二球を投げた。

塚谷:(きた。アウトコース低め。)


カキン


ボールは高々と上がりセカンドのグローブの中に落ちた。


神山:「アウト」


塚谷:(くそ。狙っていた通りアウトコースにきたのにあんなに手元であんなに伸びてくるのか。)


武田:「ドンマイドンマイ」


塚谷:(畜生)、、、 ,,,,,,,,,トクン,,,,,,,,,


その後、10番の堀之内は三振で2回の攻撃は終わった。


3回11番の石崎はサードごろだった。打順は1番に戻りバッターは小坪。打席に小坪が入ろうとベンチを出たところで、椅子に座っていた川口監督が立ち上がった。


監督:「おい金子。小坪には変化球ありで投げろ。」


中田がニヤリと笑う。


中田:「小坪、ここで打ったら、いきなりAチームかもしれねーぞ」

小坪:「そんな簡単に言うなよ。相手は三年生なんだぜ。まぁでも、やることは変わらないけどな。」


そう言い残し打席に向かった。


キャッチャーの浅水はタイムを取り、金田のところに行った。


浅水:「監督はたぶん、小坪が試合で使えるか試そうとしているんだと思う。」

金田:「うん、わかってるよ。だけど、本気でやりあうなら、負けたくない。」

浅水:「だよな。まっすぐは、見せ球で使って、ストライクゾーンは、変化球で勝負だ。」

金田:「おけ。」


話し合いが終わり、浅水はポジションに戻っていった。


小坪:「お願いします」


そういうと、小坪は左打席に入り、ゆったりと構えた。本当にきれいな構えだ。

金田は初球を投げた。ドンッ! きわどいところだが、まっすぐはアウトコースに外れてボール。続く二球目。

小坪:(甘い!)

小坪はそう思い。バットを振った。しかし、ブンッ。小坪のバットは空を切った。


「今のはなんだ」

「すごい落ちたぞ!」

「たぶん、SFFだ。」

「スプリット?!」


一年生ベンチはどよめいた。


小坪:(確かに今のは初見じゃ打てないな。)


小坪は今のボールの軌道をイメージしながら一回バットを振った。


小坪:(よし。)


金田は第三球を投げた。カキン。インコースのストレートに振り遅れてファール。


小坪:(たぶんこのバッテリーは、次の球で決めたいはずだ。ストレートは体で反応できる。狙うのは、変化球。)

浅水:(次で決めるぞ。お前のSFFなら絶対空振りをとれる。自信を持って投げてこい。)


金田は浅水のサインに頷き、投球モーションに入った。


金田:(これで決めてやる。)


カキーーン!!! 打球は左中間に転がっていった。ボールが転がっていくうちに小坪は俊足を飛ばし、余裕で二塁まで到達した。


塚谷:(あいつ足もめちゃくちゃはやいな。),,ト,,クン


・・・・・・・・・・・・


バッティング練習は終わった。

一年生の成績は

小坪4打数2安打1ホームラン、中田4打数2安打、杉本4打数1安打、武田4打数0安打、西谷4打数2安打、中川4打数0安打。新庄4打数0安打1フォアボール、大松4打数1安打1犠打、堀之内4打数0安打、石沢4打数0安打、そして俺は、4打数0安打。

(畜生)

,,,,,, ,,,,,,,

川口監督も気を使ってくれてみんなが4打席まわるまで練習を続けてくれた。この練習で目立っていたのはやっぱり小坪と中田だ。小坪はホームランを打っていたし、中田は長打を打っていた。二人の陰であんまり目立ちはしなかったが、西谷も二本も打っていた。ちなみに、杉本の一本はおもいっきりスイングして打球がバントのように転がった内野安打だ。まるでホームランを打ったかのように喜んでいて、ベンチの一年生は恥ずかしそうに下向いていた。

打撃練習が終わり、川口監督のところに集まっていた。


監督:「午前中の練習はここまで、午後は各ポジションに分かれての練習をする。練習開始は1時から。」


監督の話が終わり、俺たちは一年生の休憩室に戻った。


武田:「小坪のホームランすごかったな。」

石沢:「たしかに。でも次の打席のスプリットを左中間に打ったのもすごかったよね!」

堀之内:「俺なんか打てなかったし。」

杉本:「俺は華麗なる内野安打を一本打ってるけどね」

小坪:「なるほど。スギタクの華麗なバッティングとはああいうのを言うのか。」

杉本:「真面目に考察しなくていいから!冗談だから!!!」


休憩室に笑いが起きる。


・・・・・・・・・・・・


昼休憩もあと少しで終わろうとしていた時、神山さんが一年の休憩室に入ってきた。みんなの視線が神山のほうに向く。


神山:「おい。一年でキャッチャー志望はいるか。」


誰も手が挙がらない。


神山:「じゃあ、この中でキャッチャー経験者はいるか。」


そういうと、二人手が挙がった。俺と西谷だ。


神山「そうか。じゃあ、二人は午後の練習キャッチャーに入ってくれ。」


「「・・・!?!?」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ