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砦のカナメ  作者: スノヲ
3/20

全国レベル①

次の日、俺はグラウンドに向かっていた。今日から本格的に始まる練習が楽しみで仕方がなかった。グラウンドにつくと、入学式がまだ終わってないので新入生は部室を使えず昨日の集合場所に荷物を置きに行き、ユニホームに着替えていた。そこに、西谷と中川が来た。すると、中川が


「おはよ。そういえば昨日聞けなかったけど、塚谷一回森谷シニアの練習に来たことある?」


と聞いてきた。


「おはよ。一回だけ行ったことあるよ。「硬球になれるために練習に来ないか?」って誘われたんだよ。」

「そうなんだね。なんか名前聞いたことがあるなって思ってたんだけど、昨日は思い出せなかったんだけど、西谷が覚えててさ。」

「そうなんだね」

「もしよかったら、今日俺とキャッチボールしようよ。」

「えっ、俺でいいの?まぁ俺でいいならよろしく頼むよ。」

「じゃあキャッチボールの時よろしくね。」


中川がキャッチボールに誘ってくれて嬉しかった。ほかのメンバーは、顔見知りが何人かいるみたいだったけど、俺にはいなかったから余ると思っていたからだ。着替えや、そんな話をしているうちに、何人か集まってきた。


「じゃあ俺は先にグラウンドに行ってるわ。」


そう声をかけ先にグラウンドに出ることにした。



・・ ・ ・


「一年生集合!」


そう言われると、川口監督のところに俺たちは集合した。


「おはよう。今日は君たちの実力を知りたい。今日は君たちをメインに練習を組んでいる。私にアピールをしてくれ。」


俺は驚いた。まさかこんなにも早くアピールをするチャンスが来るとは思っていなかったからだ。俺のイメージでは、入部したての頃は球拾いや声出ししかできないと思っていたからだ。


(よし。絶対このチャンスものにしてやる。)


アップが終わり、キャッチボールになった。


「塚谷やろうぜ」


そう声をかけてきたのは、朝約束をした中川だ。たしか中川はピッチャーって言ってたよな。どんな投手なのだろうか。キャッチボールが始まった。

自主トレで硬球は投げていたが、こんなに遠投するのは初めてだ。

(やっぱり軟式に比べて少し重いな。でも、指にしっかりかかる感じがする。やっぱりまずはこの重さになれないと。シニア出身の中川はやっぱり普通に投げてるな。)

そんなことを思っていると、


「あいつの肩すごいな」


と近くでキャッチボールをしている先輩の声が聞こえた。その方向を見ると、俺はびっくりした。なんと遠投ですごい距離を投げていた。

(90mいや、100mは投げてるんじゃないか)

投げていたのは、ピッチャーの中田と、ファーストの小坪だった。確かあの二人は、全国トップクラスでレギュラーだったって言ってたよな。


[全国]


この二文字の大きさ、レベルの違いをキャッチボールから感じた。ドクン

次にノックが始まった。1年もポジションについた。こう見てみると1年生で空いているポジションがいくつかあった。ショートとキャッチャーだ。まぁそんなことより今は、自分のことに集中だ。もともと俺は守備がうまいわけではない。一球一球集中してノックを受けないと置いて行かれてしまう。

カキーン

「次!!」

カキーン

「お願いします!」

カキーン

(わかっていたが、軟式と全然跳ね方が違う)

パシッ シュッ

それにノックのペースが中学のころと比べ物にならないほど早い。こんなのいつも先輩たちは受けているのか。待っている間も自分たちで考えて練習している。レギュラーを狙うなら、この人たち以上に練習をしないと、まずは先輩たちに食らいついてやる。


ノックが終わり次に1年生のバッティング練習をすることになった。


「次は試合形式のバッティング練習だ。1年生の攻撃だけで、9回までやってもらう。1年生の打撃力を見せてほしい。ピッチャーは3年の金田にやってもらう。球種はまっすぐだけだ。守備は2,3年生交代でやれ。」

「「はい!!」」


打撃は得意分野だ。ここで目立ってや、、、、ドンッ!!!!!!!

すごい音が聞こえた。その音の正体は、ピッチャーの球を捕る音だった。


「今の何キロ?」


川口監督がスピードガンを持ってバックネット裏にいるマネージャーに聞く。


「135キロです」


まじか、、。正直140キロは超えていると思った。感覚よりも早く感じるのは、球のキレだろう。今の会話から、球が伸びているのがわかる。


「じゃあ誰から打つ?」


そう中田が聞くが、誰も返事がない。


「じゃあここは、鳥手シニアのクリーンナップからってことで小坪よろしく!!」


そういうと、小坪の背中をバンッと叩いた。


「わかった」


相変わらずクールだな。ってか、なんで全国クラスのクリーンナップがここに来たんだろう。もっと有名な私立高校から声がかかっただろうに。そんなことを考えていたが考えてもわからないので諦めた。話し合いがスムーズに進み打順が決まった。

1番小坪 2番中田 3番杉本 4番武田 5番西谷 6番中川 7番新庄 8番大松 9番塚本 10番堀之内 11番石沢

本来なら打順は9番までだが、今回は川口監督が全員の打撃を見たいということから、全員が打てるように打順が組まれている。この打順はみんなで決めたが、主に中田の意見が採用された。上位打線はシニアで野球をしていた人で組まれている。順番はおそらく、中田から見て打てそうな人が上にきているのだろうか。

(俺の中田からの評価は9番か、、まぁ結果さえ残せばいいんだ。)


「打順も決まったそうだし、始めよう」


監督が打撃練習開始の合図をした。


「打てー小坪!ホームランいきなり打ってもかまわないぞ」


あっ。小坪は右投げ左打ちなんだ。

一方マウンドでは、ピッチャーの金田とキャッチャーの浅水が軽くミーティングをしていた。


「相手は一年生だし、しっかりコースをついて投げていこう。」

「リードはキャッチャーの浅水に任せるよ。」

「おけ。基本アウトローのまっすぐ中心でいこう。金田の変化球を生かすには必ず必要になるからな。」

「まぁ気負いすぎず楽しんでいこうや。」


話が終わると浅水はホームベースのほうに走っていった。


「1回声出していこう!!」


浅水の声が響き渡る。


小坪は左バッタコースに入り、ゆったりとした構えをしていた。すごく自然な構えだ。

「プレイボール」

主審神山の合図で試合形式の打撃練習が始まった。


ピッチャーの金田が振りかぶった。第一球を投げた。ドンッ!!アウトーコースに決まりストライク。


「やっぱり早いな」


杉本が言った。


「まぁでも小坪ならヒット打ってくれると思うよ。」


笑いながら期待を込めて杉本が俺に向かって言ってきた。鳥手シニア出身の選手からのこの期待はなんなんだろう。


金田が第二球を投げた。


「ふっ」


カキーーン!!!!!!


白球は弾丸ライナーでライトのフェンスを越えていった。


「マジでやりやがったよ、あいつ」




中田がそういった直後に一年生のベンチで歓声が沸いた。


「やばすぎだろ!!」

「俺生でホームラン見たの初めて!!!」

「あんな弾道低くてあんなに飛んでいくのか?!」


小坪は悠々とダイヤモンドを回り、ホームに戻ってきた。ホームで待っていた中田が、


「本当にホームラン打つかよ」

「いや、俺もまさか入るとは思わなかった。」


そういうと、ハイタッチをした。

ベンチに戻ってきた小坪をみんながハイタッチで迎えた。


「やっぱりあいつは別格だな」


川口監督はつぶやいた。


浅田がマウンドに行き、

「ごめん真ん中に入った。」

「いや、少し真ん中に入ったが、別に甘いボールではなかった。あの球をあそこまで持っていくバッターがすごいよ。あいつは怪物だな。」

「まぁ、次を抑えていこう。」


一年生の打撃練習は小坪の特大アーチという衝撃的な幕開けとなった。



,,,,,,,,,トクン,,,,,,,,


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