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砦のカナメ  作者: スノヲ
17/20

自分の役割①

両校1回は得点ができず、2回も西谷はランナーを出すも、相手打線を0点で抑えた。照葉のピッチャー小田嶋は、三者連続三振という圧巻のピッチングで抑えた。


松林:「ナイスピッチ」

小田嶋:「おう」


2人はグローブでハイタッチをした。


西谷:「ここは我慢比べだな」

塚谷:「落ち着いてこの回も抑えていこうぜ」

西谷:「そうだな、この回は9番から始まるから三人できっちり抑えて3番まで回さないようにするぞ」


塚谷は頷き守備位置についた。


塚谷:(この回から二巡目にはいるバッターがいる。一打席目と同じような配球じゃ打たれちゃうから、考えていかないと)


西谷のピッチング練習が終わり、塚谷は声掛けをして座った。


鳥一バッテリーはサインの交換をし、西谷がワインドアップから初球を投じた。バッターは打つも打球はショート正面に行き、ワンアウトを取った。


塚谷:「ワンアウト、次から先頭に戻るので守る位置どんどん変えていってください」


塚谷は野手に声をかけた。その声に野手は反応をして、守る位置を少し変えた。


塚谷:(このバッターの一打席目はカーブをひっかけてショートゴロだったな。一打席目を見た感じ当てるのがうまいのだろう。ここはコースを絞らせないようにしっかり内、外を使っていこう)


塚谷はインコースにストレートを要求した。西谷は頷き構えたところに投げ込んだ。


塚谷:(インコースのストライク球に全く反応しなかった。ここはもう一球投げてみるか)


塚谷は同じ球を要求したが、西谷は首を横に振った。


西谷:(今の俺の球速じゃ同じコースに同じ球種じゃ打たれる)


塚谷はインコースにスライダーを要求し、西谷もそれに頷いた。構えたコースに投げ込むと、バッターは当たると思ったのか少しのけぞったが、そこから曲がりストライクとなった。最後は外角にカーブを投げセカンドフライに打ち取った。


塚谷:(よし、しっかりツーアウトを取れたぞ。次のバッタ―で切って、絶対3番バッターの前にはランナーを出さないぞ)


続く2番バッターには外角を丁寧につき、1ボール2ストライクまで持ってきた。


塚谷:(ここはストライクからボールに外れるスライダーで三振を取るぞ)


そのサインに決まり、西谷はワインドアップから球を投げた。そのボールは西谷の思う通りの軌道を描いた。ボールは斜めに曲がりながらベース付近でバウンドをした。


塚谷:(絶対止める!!)


塚谷はストップ態勢に入った。だが、ボールは前に止まらず少し一塁側に弾いた。


「振り逃げだ、走れ!!」


照葉ベンチから声がする。バッターは一塁に向かって走る。塚谷も急いでボールを取りに行き、一塁に送球をした。判定はギリギリアウトだった。


大松:「ナイス西谷!」


ベンチに戻りながら西谷に声をかけた。


西谷:「ありがとう」


西谷はそれに答える。そして、塚谷の方を見る。


西谷:「変なところに弾いたけどアウトになったからギリギリ及第点だな」


上から見下ろすように塚谷に言う。


塚谷:「ごめんって、でも次はしっかり止めるから、ワンバン思いっ切り投げてこいよ」


謝りつつも次は止めると宣言をした。


西谷:「でも、これは練習試合だ。練習とは違う。ここでしか経験できないこともあるんだから、一つ一つのプレーに緊張感をもってやれば一試合でうまくなるよ。実践に勝るものはなし」


そういうとベンチに入り日陰に座った。

次の回の攻撃の先頭バッターは塚谷からだ。急いでレガースを外した。そこに杉本が真顔で近づいてきた。


杉本:「塚谷、相手ピッチャーの球速ベンチで見ている以上だから、短く持ってコンパクトにいった方がいいぞ」

塚谷:「あ、ありがとう」


そういうと、塚谷はバッターボックスに向かった。

ちなみに、杉本はバットをずっと長く持っていて、三球三振してベンチに帰ってきて、何も工夫がないと多内先生に怒られていた。


「8番キャッチャー塚谷君」


塚谷:「お願いします」


塚谷はバットを短くして打席に入った。


松林:(8、9番もストレートだけで抑えるぞ。あの3、4番以外は楽してアウト取れそうだ)


松林はアウトコースに構えた


塚谷:(初球からどんどん振っていかないと簡単に三振になっちゃう。際どいところもタイミングを早く取って全部振っていくぞ)


小田嶋は塚谷に対して初球を投げた。塚谷はタイミングを早く取り絶対に振ると決めていたが、タイミングが遅すぎて空振りになってしまった。


塚谷:(まじか、こんなに速いのか。ただアウトになっちゃだめだ。次の打席につながるようにしないと)


塚谷は普通に打ってもだめだと思い、バントの構えをして小田嶋が投げるのを待った。


松林:(なるほど、バスターか。それなら普通に構えるよりは当てやすいな。でも、それだけで当てられるかな)


照葉バッテリーは迷わずアウトコースにストレートを投げることにした。

小田嶋は二球目を投げた。塚谷はバントの構えから、ヒッティングに変えた。しかし、それでもまだ振り遅れていた。


塚谷:(まだか、もっと速く)


小田嶋は松林のサインに頷き、三球目を投げた。


塚谷:(!?)


塚谷は小田嶋のインコースのストレートに空振り、三振してしまった。


塚谷:「くっ、」


塚谷はベンチに戻って行った。塚谷はベンチに戻る途中に次のバッターの西谷に声をかけた。


塚谷:「わりーな打てなくて」


塚谷が謝る。


西谷:「気にするな。お前はキャッチャーに専念してくれればいいよ」


そういうと肩をポンっと叩き打席に向かった。


西谷:(同じ投手として負けねーぞ)


「9番ピッチャー西谷君」


西谷は右打席に入り構えた。


小田嶋:「来たな、さっきの借りはきっちり返してやるぜ」


小田嶋はニヤリと笑った。


西谷:「ぜってー打ち返してやる」


小田嶋は初球を投げた。

西谷はその初球を捉えセンター方向に弾き返した。


小田嶋:「なっ」


だが、打球は伸びずセンターフライとなった。


西谷:「くそ、タイミングを早く取りすぎて先っぽに当たっちまった」


西谷は悔しそうにベンチに戻った。


松林はタイムを取り、小田嶋のもとに声をかけに言った。


松林:「初球をしっかり捉えられたな」


笑いながら小田嶋に言う。


小田嶋:「ふん。アウトはアウトだし!結果はドローだし!まだ負けてないし!!!」


小田嶋は自分が負けていないことを主張した。


松林:「わかったわかった。そこまで言えれば大丈夫だな。次から二巡目に入るけどどうする?」


ストレートだけのピッチングを続けるか聞いた。


小田嶋:「当たり前だ。俺のストレートはこんな奴らに打たれるわけがない!」


松林はわかったっというように頷く。


松林:「ただし、3、4番だけは変化球を使っていくぞ」


松林は鳥一のクリーンナップを警戒していた。しかし、その言葉に嫌な顔をした。


小田嶋:「次も絶対ストレート勝負する!」


小田嶋は言い切ったが、松林が怖い顔で見つめる。


小田嶋:「わ、わかったよ。3、4番は本気で投げるよ」


渋々納得した。


松林:「当たり前だ。試合に負けるのだけはありえない。あのバッターに打たれたれなければこの試合は勝てるんだ。頼むぞ」


そう言うと松林はホームに戻って行った。


「1番セカンド大松君」


大松はこの打席に作戦を持って立っていた。打席に入る前、素振りをしながら照葉高校の守備位置を確認した。


大松:(これなら、成功できる)


打席に入るとピッチャーに向かって声を出した。


大松:「いくぞ!!」


小田嶋:(俺のストレートは絶対に打たせねー)


小田嶋が振りかぶり左足を上げ、その足を地面につけた次の瞬間、大松はバントの構えをした。


大松:(打てないのなら、バントをすればいい)


大松は三塁側に転がした。定位置に守っていたサードは急いで前に出た。大松は俊足を飛ばした。サードが取ってすぐに投げたが、ボールが少し逸れ一塁はセーフになった。


「「やったー!!」」


一年生の初ヒットは大松のセーフティーバントだった。一年生が出塁したことにより鳥一ベンチが盛り上がる。


「大松が出たぞ!」

「ナイスバントだ大松!」


大松はベース上で、ガッツポーズで答えた。


杉本:「この回これからだ!」


杉本がチームを盛り上げる。


武田:「よっしゃー、俺も続いてやる!」


小田嶋は悔しそうに大松と鳥一ベンチを見る。

このいい流れの中、武田が打席に向かう。


いつも読んでいただきありがとうございます。

私も見ていらっしゃる方がいるので楽しく書かせていただけてます。

この砦のカナメで少しでも夏を感じて頂けたら嬉しいです!

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