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砦のカナメ  作者: スノヲ
10/20

紅白戦①

次の日、俺たち1,2年は学校が終わりアップを始めていた。昨日あんなことを言われた3年生たちは、監督のところに行き練習をさせてもらえるようにお願いをしていた。


逆井:「お願いします。練習をさせてください。」

「「お願いします。」」


3年は何度も監督に頭を下げてお願いをした。


監督:「わかった。じゃあお前たちが戦力になるということを俺にアピールしてくれ。これから練習に参加するための条件は、、、」

3年:「?!?!?!」


監督に何かを言われた3年生の先輩たちは各々練習を始めた。

結局今日の全体練習は1,2年生のみで行われた。練習が終わり監督のところに集まると、


監督:「明日2年生は3年生と試合をしてもらう。スタメンやサインプレーなどは全てお前たちに任せる。選手は全員出さなくてもいい。もし勝てば、夏は2年生たちをメインで試合をしようと考えている。1年生は塁審と練習に分かれて交代でやってくれ。」


俺たちは監督にあいさつをして今日のミーティングは終わった。


杉本:「なんかすごいことになったな。」

塚谷:「確かに、、この紅白戦は3年生がもし負けたら実質引退だよね?」

西谷:「わからないけど、俺たちはそんなこと気にする前に自分たちのことをやらないとな。今週末練習試合入ってるんだからさ。」


俺たちは予定表を確認しに行った。今週末、Bチームは照葉高校と練習試合が入っていた。


塚谷:「本当だ。」

杉本:「春大のことで頭がいっぱいだった。」


そんな二人をよそに西谷は燃えていた。


西谷:「俺も早く結果残して、Aチームに上がってやる。」

塚谷:「あのさ、」


2人は俺を見た。


塚谷:「照葉高校って強いの?」

杉本:「いや、そんなに強くないよ。」

塚谷:「そうなんだ。」


俺たちは自主練に戻った。


次の日、アップが終わりすぐに紅白戦が始まった。


神山:「俺が主審を務める。試合は基本9回までだが、日が落ちたらそこで試合終了にするので、きびきびと動くように。それでは始めます。礼!!」 

「「お願いします!!!」」


3年             2年

1番 高橋 センター        佐藤 セカンド

2番 本田 ショート        野間 ショート

3番 龍神 レフト         菊地 サード

4番 神山 ファースト       朝野 レフト

5番 滝  サード         山上 キャッチャー

6番 関根 セカンド        松本 ファースト

7番 池田 ライト         藤川 センター

8番 金田 ピッチャー       山本 ピッチャー

9番 浅水 キャッチャー      久保田 ライト


1回の表、攻撃は3年生。2年先発は右のオーバーハンド山本。球種はスライダーとチェンジアップ。今引退をかけた試合が始まる。


神山:「プレイボール!」


アナウンスはマネージャーが務めてくれた。


マネ:「一番高橋君」


山上:(高橋さんは足が早い左バッターだ。サード、セーフティバントあるぞ。)


山上は菊地の方を見ると、菊地は頷いた。山本は第1球を投げた。高橋は山上の予想通りバントをしてきた。打球はいいところに転がるが、あらかじめ前に詰めていた菊地に捕られアウト。続く次のバッターの本田は左打席に入った。


山上:(三年の中で一番嫌なバッターだ。足が速いうえに長打力もある。)


山上は慎重に攻めたが、外から甘く入ったスライダーを左中間に持っていかれた。本田は俊足を飛ばし余裕で2塁まで進んだ。だが、3番龍神は山本のスライダーがいいところに決まり、見逃しの三振をしてしまう。


山上:(よし。これでツーアウト。だけど、次のバッターは神山さんか。3年生で一番練習しているのはこの人だろう。一本ヒットが出れば二塁ランナーの本田さんなら帰ってくる。ここは本田さんみたいに甘いのは無しだ。最悪フォアボールでもいい。)


山本とサインを交換し、初球インコースの厳しいところに投げた。

ボコッ

詰まったあたりだが、力で一、二塁間を破っていった。俊足の本田は三塁を蹴りホームイン。三年生の先制だ。


三年生:「よっしゃー!!」


キャッチャーの山上はタイムをとり、マウンドに行った。


山上:「あそこを打たれるのはしょうがない。あの人が3年生で一番練習してるから、こういう時に結果が出るんだよね。まぁ切り替えて次行こうぜ。」

山本:「気にしてねーから大丈夫。」


次のバッターの滝はサードゴロでスリーアウト。

二年生はベンチに戻ってきた。

佐藤:「この試合に3年生負けたら引退らしいよ。」

朝野:「マジかよ!」

佐藤:「うん。昨日逆井先輩から聞いた。まぁ、俺たちには関係ないから気楽にやろうぜ。手を抜いて負ける気なんてないから。やるなら勝つ。」


佐藤は左のバッターボックスに入った。身長は小さいが足が速く頭がいい。一年生からレギュラーなのも納得だ。


佐藤:(滝さんはサードを守り始めて、まだ2か月くらいしか経ってない。狙うなら、サード。)


金田が初球投げた。打球は三塁ファールゾーンに転がった。それを見た滝は、守備位置を少し下げた。それを佐藤は見逃さなかった。次の球を三塁線にセーフティバントをして、間一髪セーフ。滝が守備位置を下げた分、打球を取りに行くまでにコンマ何秒か遅くなってしまった。

次のバッターは野間だ。野間に対して初球を投げようと足を動かした瞬間、一塁ランナーの佐藤はスタートを切った。キャッチャーは二塁に投げることができずセーフ。ノーアウトランナー二塁となった。野間は次の球をきっちり送りバントを決めてワンアウトランナー三塁。次のバッターは菊地。この人も一年生からレギュラーだ。プレーに派手さはないが、堅実なプレイヤーだ。


浅水:(ここで菊地か。次の朝野は、力はあるがそこまでの脅威ではない。菊地には厳しく攻めろ)


金田がその意思を感じ取り頷く。

ツースリーまでバッテリーは持ってきたが、決めにいったスプリットに菊地は手を出さず、フォアボールになった。


浅水:「金田!今のボールよかったぞ!」(大丈夫。ここは想定内。朝野でゲッツーをとればいい。)


次の朝野は右打席に入った。


朝野:「よっしゃー!こい!!!」


朝野は初球すごく大きな空振りをした。それを見たランナーの2人は目で合図をした。金田は一塁に牽制を1球入れ第二球を投げた。そのとき、一塁ランナーの菊地はスタートを切っていた。浅水はとっさにセカンドに投げようとしたが一つの予感が頭を遮る。


浅水:(ここで、俺がセカンドに送球したら、三塁ランナーの佐藤がホームに突っ込んでくるかもしれない。)


そう思い、セカンドを諦めサードに送球した。佐藤はギリギリのところでベースに戻り、セーフ。


浅水:(危ない。今セカンドに投げていたら確実にやられていた。プレーに直接的に関わっていないのに、こんなにプレッシャーをかけてくるのか。)


朝野は今ので、追い込まれてしまい、最後に決め球のスプリットに手を出し三振。


マネ:「5番山上君」


山上:(金田さんの球はいつも見ているからわかる。浅水さんの配球パターンも一年間も一緒にいるからだいたいわかってる。初球は、、、、)

浅水:(ここの入りは慎重にいきたい。初球は、、、)


山・浅:(アウトコースのまっすぐ!!)


山上は初球のアウトコースのストレートを踏み込んで左中間に持って行った。


山上:(ピンチの時ほど焦って安全にいきたくなるものだよね)


打った山上は二塁で止まり、ランナーは全員ホームに帰ってきた。

1-2で二年生が逆転した。次の松本は大きい当たりを打つも、レフトフライに倒れた。これで一回が終了した。


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