6話
ギルドタグと護身用片手剣を受け取り、一旦ギルドの外で落ち着いた後、隣の建物の素材買取所に入り簡易版アイテム袋と言う魔道具を借りた。
ギルドから酒場を通って買取所に来なかった事に首を傾げた買取所のおっちゃんだったが特に気にもせず手続きをしてくれた。
そんなおっちゃん曰く、最初の1日は無料だが、それ以降はレンタル料金を払わないと行けないらしく新人キラーって別名があるらしい。
そしてこれも当たり前だが、無断転売や貸出は犯罪奴隷落ちだった。
1日なんてあっという間に過ぎるものだから貸出時間も限られている事だし早速依頼に行ってみた。
ちなみに場所は、街の南南東にある比較的危険度の低い森だ。魔物の他にも兎や鹿等の動物がいると買取所のおっちゃんから教えて貰った。
鹿と聞き、地球に居た時に狩猟免許を持っている知り合いから貰った鹿肉を思い出した。朝飯を食べ忘れたのもあって腹が減ってきた。
「あの肉すげぇ美味かったなぁ」
刺身とか片面だけ焼いた焼肉とか最高だったなぁ…。また食いたいと思いつつ、肉の味を思い出していたら近くの茂みが揺れる。
「居た…あれが魔植物か?
なんか赤い三角コーン被った子供みたいだな、一応鑑定してみるか。【鑑定】」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〔名称〕レッドキャップ
〔名前〕ーーーー
〔性別〕無し
〔LV〕5
〔危険度〕緑★★
〔種族〕魔植物
〔固有スキル〕赤霧
鑑定LV不足
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「名前と危険色以外にLVと固有スキル、種族も見れるのか。てか注意された赤霧は固有スキルの名前もそのまんまかよ。受付嬢が言ってた触ると痛い以外に、どんな状態異常が起こるかわかんねぇから気をつけねぇとな」
俺は片手剣を構え、初めての(最初の猿省く)異世界生物との戦いになった。
なったのだが…
「弱っ!?」
なんだこれ。横薙ぎで首に一撃入れただけで倒せた。生き物としては当たり前なんだろうが、最初の猿が強すぎたのかこの魔物が弱すぎたのか判断しづらい。
とりあえず依頼には5体の討伐採取って書いてあったから残り4体探す事にする。
仕留めたばかりのこいつも忘れない様にアイテム袋に入れておく。
「確か入れる時は【収納】っと、おー!すげぇ。マジで質量無視で入るんだな!」
アイテム袋に感動しながらも順調にレッドキャップを狩っていたら、4体目が固有スキルの赤霧を吹きかけてきた。目にかかる事は避けれたが、首や腕にかかってしまった。
「痛ってぇぇ!マジでピリピリして痛ぇ!てかこの匂いって唐辛子かよ!状態異常も特に無いし警戒して損したぞこんちくしょうが!」
盛大に悪態をつきながら、首に目掛けて勢いよく剣を横薙ぎに振るう。
「コカッ!?」
「あー、ヒリヒリする。てかこいつって鳴き声あるんだ。まぁいいか、後1体狩ったらギルドに帰ろう。その前に首だけでも洗いてぇな…地味にヒリヒリするし唐辛子クセぇ…」
レッドキャップを探しつつ、体を洗える場所を探していたら川を見つけた。
「おー!川だ川!やっと体を洗える!でもなんか魔物?がいるな。見た目レッドキャップと変わらんから魔植物か?でも頭が緑だからな。あ、鑑定使えばいいや。【鑑定】」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〔名称〕レッドキャップ《亜種》
〔名前〕ーーーー
〔性別〕無し
〔LV〕12
〔危険度〕緑★★★★★
〔種族〕魔植物
〔固有スキル〕逃げ足
鑑定LV不足
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レッドキャップじゃなくてどっからどう見てもグリーンだろ!と言うツッコミを飲み込む。
(しかし亜種なんてのもいるのか。でも固有スキルが逃げ足?赤霧はどこいった?もはやコイツは別な生物だろ)
「とりあえず狩るか…」
なんとなしに軽く呟いただけだったのだが
「ッ!!コキャァーー!?」
「早っ!?ちょ、えっっ!?」
凄まじい勢いで逃げられた。思い出すのは有名ゲームのメタルなスライム。
多分〔固有スキル〕の逃げ足だとは思うが予想以上に早かった。
「マジかぁ、もしかしたらレアな魔植物だったのかもなぁ。俺って足遅せぇから追いつけねぇしな。狩り損なったが、しゃあないか」
逃げられたものは仕方ないと割り切り、赤霧が付いた場所を洗って一息ついていたら最後のレッドキャップを見つけた。
次は赤霧を受けないように気を引き締め、片手剣に手を掛けた。しかしなにか様子がおかしいような?そう思った時だった。
『ブブブブブッ!!!!』
その羽音が聞こえてきたと思うと、目の前のレッドキャップに大型犬くらいの蜂が6匹程飛びついた。
(なんだアレ?)
警戒心を強めながらそう思った時にはレッドキャップは原型を残していなかった。
そこにあったのは蜂にグチャグチャにされ、丸く成形された肉団子だけだった。
「うわぁ、悲鳴上げる事も出来ずに肉団子かよ。…なんか俺にターゲット移してね?」
レッドキャップを肉団子にした目の前の蜂達は、荒々しい牙をガチガチ鳴らせながら俺を見ていた。
「やばいな…戦うしかないか?というか勝てるかな。あ、鑑定しないと」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〔名称〕ミリタリービー
〔名前〕ーーーー
〔性別〕雌
〔LV〕5
〔危険度〕白★★★
〔種族〕魔物《魔虫
〔固有スキル〕強牙
鑑定LV不足
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「白の星3つか、レッドキャップよりは強いのが6匹。黄だった猿よりかはマシだと思うけど。…?1匹だけ名前違う奴が居るな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〔名称〕ミリタリービー ソルジャー
〔名前〕ーーーー
〔性別〕雌
〔LV〕19
〔危険度〕白★★★★★
〔種族〕魔物《魔虫
〔固有スキル〕同族徴収
〔固有スキル〕強牙
鑑定LV不足
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「リーダー的な奴か、LVも高いし数も多い。戦いになったらキツそうだな。逃げれたら1番だけど、無理だろうなぁ」
覚悟を決めるしかないか、猿の時よりは絶望的な状況じゃない。
俺は気合いを入れ片手剣を握りしめた。
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