28話
閲覧ありがとうございます。これまで書いた話を所々編集させていただきました。(矛盾点や説明不足があった為)
これからも多少内容が変わったりしますが、生暖かい目でご覧いただけたら嬉しく思います
その後も依頼分のゴブリンを狩った俺達は討伐部位をギルドに渡し、報酬を貰った後街をぶらついた。
その日の夜、俺はザクロとスキルの話をしていた。
「やっぱり舞踏が発動出来ないのがネックだよなぁ」
「ん、父は強いけど攻撃スキルは欲しいとこ。普通に殴るのにも限度があるから武器は欲しい」
「ただその武器が無いのが…踊り子の武器ってなんだ?」
そう考えて思い出したのは某竜探索の踊り子。あれは確か短剣や扇だった気が…
「しっかし短剣はともかく扇はナイな、どう殴ればいいんだよ。短剣も殴るなら邪魔だし、どうしようもないか」
「父…ゲームの踊り子って後衛職じゃなかった?それなら扇や短剣でいい気がする。あと踊り子は多分積極的に人を殴らないはず」
「それは…確かに」
ザクロの真っ当なツッコミに納得するしか無かった。踊り子は後衛職か。
「だけど前衛をザクロに任せて後ろでちまちまとか流石に出来ねえよ」
「ん、なら父(とと)が前見てたあれは?拳法とか空手とか。家で練習してたやつ」
「覚えてたのか…出来れば忘れて欲しい」
「?」
金がない実家暮らし時代、ふと立ち寄った古本屋で見たグラップラーが体を鍛える漫画の影響で、一時期空手や中国拳法、ボクシングなどしてみたかった時があった。金が無くて道場とかには行けなかったが、動画を見ながら自己流で型の練習とかはしていた。
しかししばらくして考えてみると厨二病を発症していたのだろう。その事を思い出すと恥ずかしくてたまらなくなる。
ピロンッ
固有スキル《自家発電 羞恥》を使用します。
上昇させるステータスを3つ選んで下さい。現在の上昇値は1つに付き最高で200までです。
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〔生命〕1266
〔魔力〕999
〔体力〕1064
〔剛力〕1470
〔俊敏〕923
〔守護〕900
〔知性〕399
〔幸運〕ーー
〔精神〕559
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「あー、確かに恥ずかしかったけど」
「父、どうしたの?」
「スキルが発動したんだ。とりあえず魔力に200、知性に600かな」
「どうして?」
「武器がないなら魔法を使えばいいじゃない理論だ」
「なるほど?」
分かったような分かってないようなザクロを放置してステータスを上げる。どんどん人離れしていくが気にしないことにした。
「さて、舞踏の話に戻るか。拳法とかも…一応候補には入れるけどやっぱり武器が欲しいところではあるな」
「ん、打撃無効スキルをもつ魔物もいる。斬撃系は大事」
「でも職業が邪魔をするんだよな」
2人して頭を悩ませているとそれまで無関心だったロクさんがこちらをじっと見た後擦り寄ってきた。ロクさんのぷるぷるした感触に和んでいると、ザクロがはっとした顔で名案を思いついた。
「父、ロクさんの変形って固有スキルは?」
「どういう事だ?」
「武器に変形して貰って父(とと)が使う。攻撃自体はロクさんだから職業が邪魔しない」
「なるほど…舞踏が使える武器を手に入れるまでそれで凌ぐしかないか。ロクさん、ちょっと武器に変形して貰って良いか?出来ればこんな形の武器が良いんだが」
そう言いながら平たくなったロクさんの体に青龍刀の様な刃物の絵を描くと、ロクさんはブルっと震え青龍刀の形に変形した。試しに手に持ってみても崩れる事はなく、市場をぶらついた時に買っていたリンゴのような果物もスパッと切れた。
「これだったら実用性はあるか?」
「充分だと思う。後はロクさんがどの位変形していられるか」
「そうだな…なぁロクさん、どの位変形出来るかザクロに教えてくれないか?」
ロクさんにそう質問すると一声鳴いた後ザクロに変形限界時間を教えていた。それによると変形出来るのは時間制限がないが、刃で攻撃を受けたり、硬いものを斬りすぎたりすると青龍刀の形を保てなくなると言う事だった。
「それなら大丈夫そうだな、基本はヒットアンドアウェイで戦う予定だし。よろしく頼むな、ロクさん」
「ぴぎゅ!」
「吾も頑張る。期待してて、父」
やる気に溢れて頼もしいロクさんとザクロに改めてよろしくと伝え、明日四腕狒々を討伐する事にし眠りについた。
◇◆◇◆◇◆◇
次の日、ギルドの掲示板の前に居たイルルクさんに今から四腕狒々の討伐に行く事を伝えたら驚かれた。
強く止められたが、俺がどうしても行く事を知ったイルルクさんは溜息をつきながらアミュレットを1つ俺に渡した。
どうやら俺が近々討伐に行きそうなのは察していたらしく、希少級の守霊のアミュレットという物を用意してくれていたみたいだ。
だが流石に話して2日で行くとは思っていなかったらしく、早めに買っておいてよかったと苦笑された。
ちなみに貰ったアミュレットを鑑定した結果がこれだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〔名称〕守霊のアミュレット
〔階級〕希少級
〔用途〕守護強化
〔状態〕良好
〔相場〕金貨3枚
〔装備者〕イツキ キサラギ
〔説明〕
身につけた者を守る霊の力を借りて守護を強化するアミュレット。霊の強さによって強化度合いが変わる。
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この時の鑑定で熟練度が溜まったのか、アナウンスで職業が変更出来ると言われたからそのままイルルクさんと別れ、ヒソヒソと話す討伐者を無視しながら受付で職業を変更する手続きをした。
増えてはいるが、相変わらず文字化けしている踊り子の職業を適当に選ぶと文字化けは変わり、踊り子《呪》になった。
踊り子《呪》になった事で呪い耐性Ⅹと呪い声Ⅰのスキルを手に入れた。正直な話、片手剣補正か魔法の威力が上がるスキルが欲しかったが贅沢は言うまい。
「ギルドからアイテム袋借りて奮発した1本大銀貨1枚するポーションを5本と、奥の手の金貨1枚するポーションを買ったから回復系は大丈夫だな。
他には探索に必要な水と携帯食料も持ったし、こんなものか?」
「ん、防具は皮鎧で父が動きにくく無いし、武器はロクさんが代わりになる。吾も戦う、準備バッチリ」
「ぴぎゅ」
鼻息荒く、闘志滾るザクロと、任せてと言わんばからに体から触手を伸ばし胸(?)を叩くロクさんを連れて街を出た。
◇◆◇◆◇◆◇
「ちなみに父、相手は何処にいるか分かる?」
イルルクさんからの情報を元に俺達は、俺が最初に四腕狒々に襲われた平原に来ていた。俺が他の森などには目もくれず、一直線に進んでいるからかザクロが聞いてきた。
「ああ、この平原から少し北へ移動すると岩山が見えるらしいんだが、下の方に穴蔵があってそこにいるみたいだ。
北が分からなくなった時は平原に2本だけ木が生えてる場所が見えるから、その木の枝が指している方を真っ直ぐと教わったよ」
「そうなんだ。でもなんで枝がそんな変な形に?」
「なんでも岩山を迂回してしばらく歩くと村があるらしくて、本来はその村に行くために剪定して作った目印らしいぞ」
「…父、なんか凄く嫌な予感がする」
「俺もだよ…異形種にしても進化しているにしてもやばそうなんだよな」
「ん、急ぐ」
「ああ。とりあえず干し肉食うか?食えるうちに食っちまおう」
「食べる。ありがと」
干し肉を齧りながらザクロと平原を走っていると視界に2本の木が見えてきた。しかし片方の木はへし折られ、もう片方には血がべっとりと付き何かしらの異常事態が発生しているみたいだった。
「チッ、やっぱり嫌な予感ほど当たるな!急ごうザクロ!」
「ん!」




