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25話



ザクロと2人して泣いた後、晩飯に呼びに来たユラちゃんにまた誤解を与えかけたがザクロが転生者で昔俺の家族だった事を説明したらすんなりと理解してくれた。


どうやら転生者自体の噂は他にもあるらしく、倒した魔物が昔の恋人だった…と言う悲劇が有名らしい。

ユラちゃんからそんな話を聞かされた俺とザクロは、殺し合う未来ではない事が嬉しくてまた泣いた。


そして何故かザクロはユラちゃんを(かか)と呼ぶようになり、タスクさんに殺されかけたがラルさんの説明でなんとか助かった。



翌日、俺はユラちゃんとザクロ、タンタルスライムと一緒にミーミルさんの所へ行った。と言うのも、昨日俺がザクロと一緒にギルドに行っている間にミーミルさんが装備が出来たことを知らせに訪れたみたいだったからだ。


「俺の装備、一体どんなのになったんだろうなぁ」


(とと)、楽しみ?」


「ああ、凄い楽しみだよ。でもちょっと不安だ。職業(ジョブ)職業(ジョブ)だしな」


「お兄さんの装備だからきっとすごいですよ!」


「ありがとうね、ユラちゃん」


自信を持ちながら言い切るユラちゃんを頼もしく思っていたら、ザクロに服を引っ張られた。


(とと)(とと)


「ん?どうした?」


(とと)(かか)嫌い?」


「はっ?」


(かか)(とと)嫌い?」


「えっ?」


「だって2人とも、(つがい)じゃないみたい」


「え、えーっとザクロちゃんにはまだ早いんじゃないかなぁって思うんだけど」


(かか)失礼。(わあ)|は前世で子沢山だった。それを考えると(かか)より経験豊富」


「あっ、そうか。ごめんねザクロちゃん」


ユラちゃんの一言にザクロは顔を顰め、不機嫌そうな口調で言った。ユラちゃんはザクロの前世が人だと思い謝っているが、俺は前世が猫だと知っているので苦笑いしながらザクロの頭に手を乗せた。


「ザクロ、まだ俺達は番じゃないからさ。許してあげてな」


「…分かった。でも早く番になって欲しい。前世で(とと)の子の面倒を見れなかったから楽しみにしてる」


「ちょっとザクロちゃんこっち来て!…まだわたし成人してなくて、早いと思うんだ。せめてあと5年待ってくれないかな?」


「ん、分かった。確かに身体が出来てないと子を産むのは危ない」


「そっ、そんなにストレートに言われたら恥ずかしいよザクロちゃん」


(うーん、丸聞こえなんだよなぁ…)


ユラちゃんが顔を赤らめながらザクロと話しているのが聞こえてきた。俺も顔が熱い。するとポケットからタンタルスライムが出てきて俺の頭の上に陣取った。


「ん?(とと)、その頭に居るの誰?」


「ああ、ザクロは初めましてか。ザクロと出会う2日ぐらい前に出会ったスライムでな、タンタルスライムって言うんだ」


「そうなんだ。ねえ(とと)、名前付けてあげないの?この子付けて欲しいみたいだよ」


ザクロはマンティコアと言う魔物であるから、種族が違うが同じ魔物であるタンタルスライムだろうとある程度言いたい事が分かるみたいだった。

そう言われ、銀細工店に入る前の動きを思い出す。


(あれは(スライム)貴方(イツキ)が名前を付けてって事か。黒いスライム…黒、クロ…。ロク、ロクさんとかいいんじゃないかな。助けて貰ってばっかだったし敬意を込めて【ロクさん】にしよう)


「そしたら今日からお前はロクさんだ」


「ぴぎゅ!」


ピロンッ


一定の従魔を仲間にしました。従魔のステータスの1割分、ステータスが底上げされます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〔名前〕イツキ・キサラギ《如月 樹貴

〔年齢〕21

〔種族〕人間《異世界人

〔性別〕男

職業(ジョブ)〕踊り子 《鑑定》

〔生業〕見習い討伐者 《青星★》

〔LV〕22

〔生命〕1066

〔魔力〕999

〔体力〕1064

〔剛力〕1270

〔俊敏〕923

〔守護〕900

〔知性〕399

〔魔法〕炎 嵐 土

〔幸運〕ーー

〔精神〕559

〔装備〕

ギルド製簡易服 ギルドタグ エルムの常識本《神代(ゴッデス)級》

〔戦闘スキル〕

素手喧嘩(スデゴロ)IV》《軽業IV》《炎魔法IV》《嵐魔法IV》《立体機動Ⅲ》《危険察知Ⅲ》《直感Ⅱ》《痛覚変換Ⅱ》《挑発Ⅱ》《軽治療Ⅰ》《受け身Ⅰ》《下位剣術Ⅰ》《舞踏Ⅰ》《舞曲作成Ⅰ》《縛者Ⅰ》《長物の心得Ⅰ》

〔耐性スキル〕

《苦痛耐性Ⅵ》《絶望耐性IV》《酸耐性Ⅲ》《精神汚染耐性Ⅱ》《貫通守護耐性Ⅰ》

〔日常スキル〕

《鑑定Ⅹ》《歌唱Ⅴ》《器用Ⅴ》《料理Ⅴ》《木工Ⅲ》《鍛冶Ⅱ》《調合Ⅰ》

〔ユニークスキル〕

《神託Ⅹ》

〔獣魔 配下〕【ロクさん】【ザクロ】

〔称号〕[無謀な勇者][異世界からの迷い人][下っ端根性][Sの証Ⅰ][Mの証Ⅰ][考え無し][マヌケ][逆転者][異形を屠る者][変態ロリショタドMダンサー]

〔固有スキル〕《自家発電 羞恥Ⅱ》

〔加護〕菩薩の幸運

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(ステータスが上がったが、こうなるとこの世界の一般人のステータスが気になるな。そう言えば菩薩に貰った本をちゃんと見てなかったな。調べてみるか…?いや、まずは装備の受け取りだな。ラルさん家に帰ったら調べよう)


そうこうしてるうちにミーミルさんの工房にたどり着いた。中からカンカンとリズミカルなハンマーの音が聞こえてくる。


「こんにちはー!イツキですけどミーミルさん居ますかー?」


「ああ、いらっしゃい。少し待ってくれ、これだけ終わらせるから」


「待つのは大丈夫なんですけど。ミーミルさんって素材を食べて作るんじゃなかったんですか?」


「食べて作るのが主にだが、これは修復依頼だからな。鎧に空いた穴を埋めるために、鎧と同じ素材をあてながら叩いて熱してを繰り返さなきゃいけないんだ」


ミーミルさんはハンマーを振るいながら答えてくれた。それからしばらくして、ミーミルさんは修復した鎧を指で弾いた後、満足気に頷いた。


「待たせた、早速本題に入ろうか。イツキ君の装備に関してだが、作り終わってるよ。コレ(・・)がそうだ」


「コレが?」


そう言って見せられたのはエメラルドカットされた白く輝く石だった。


「それは〖装珠石〗と言って、中に素材を吸収させればさせるほど進化する装備が収納されてる石だ。

素材自体を装備者自身が入手しなくては強化が出来ないと言うデメリットはあるが、初期段階での階級(ランク)特異級(ユニーク)。強化次第では夢幻級(ファンタズマ)秘宝級(アーティファクト)にすらなりえる。


装珠石自体は極々稀にしか生成されず、1度持ち主が決まると持ち主が死ぬまで変えられない。だから馬鹿貴族や討伐者が装珠石目当てでイツキ君を殺したとしても、装珠石に認められないと装備できない事から狙われる心配もない」


凄すぎる装備だと喜ぶ俺に、だがとミーミルさんは付け加える。


「その装珠石はまだ未完成だ。本来の装珠石は白く輝くのでは無く、森のような優しい緑色に輝く。あとひとつだけ、素材が足りない」


「なんでも採ってきますよ!こんな良い装備の為ならもう1回ぐらい蜂を殲滅してみせましょう!」


俺が殺る気に満ち溢れているとミーミルさんは言いづらそうに口を開いた。


「君がこの街に来る時、イルルク殿に会っただろう?イルルク殿が使う大剣(クレイモア)は私が打っているんだがとある魔物の首を撥ねる時に太刀筋を間違えてしまったらしく、修理に来られたんだ。その魔物がちょっと必要でな…」


「ま、まさか必要な素材って…」


突然イルルクさんの話題になって疑問に思ったが、首を撥ねる(・・・・・)と言われ思い出したのは転移初日に俺を追っかけ回し、絶望を与え、俺を喰おうとした猿…四腕狒々(クワトロゲラダ)だった。


「イルルク殿から詳しくは聞いている。殺されかけた君に頼むのは酷かも知れないが、君自身の装備だから君が素材を準備するしかない。

私は君にどうにか頑張って欲しい、とは思っている。だが無理なら装珠石を作り直し、別な装備にしてもいい。その場合は多少性能と階級(ランク)は下がるが、恐怖に身がすくみ四腕狒々(クワトロゲラダ)に殺されるよりはマシだと私は思っているよ」


俺の身を、精神を案じてくれるミーミルさんの甘い言葉になびきそうになるが、それじゃあいけない(・・・・・・・・・)

あれは一種の壁だ。俺がこの世界で生きていくには絶対に超えなきゃいけない壁。


(トラウマを乗り越えろ、食わなきゃ食われる。妥協の装備じゃ生き残れない)


込み上げる吐き気を押さえ込みながら考える。すると、服を引っ張られた。


「ザクロ…ユラちゃん…」


(とと)、ザクロがいるから大丈夫。ロクさんだって居るし、ユラだって(とと)の帰りを待つ。だから安心して」


「そうですよお兄さん。お兄さんは強いんですから震えなくても大丈夫です」


2人に抱きつかれた俺は何故か引いているミーミルさんに猿を狩る事を約束した。


……後で聞いた事だが、俺は2人に抱きつかれている時に泣きながらニヤつき、狩りの宣言をした時なんかはミーミルさん曰く「なんかこう…ぐっちょお、ねっちょぉ〜と言う感じだったぞ」と言われた。


自分の顔が恨めしい…




ミーミルさんから猿の素材を依頼された俺はギルドに行った。相変わらず踊り子と言うのが知れ渡っているせいで、討伐者達が蔑んだ目や気持ち悪そうな顔をしながら遠巻きに見てくるが俺は周りを無視した。


(この時間帯ならここのはず…)


隣の酒場にも討伐者は居たが、その中で一際目立つ目的の人を見つけると俺は歩くスピードを早めて近づいた。


「お久しぶりです、イルルクさん」


「ん?おお!イツキか!久しぶりだなぁ!元気だったか!」


「はい、お陰様で調子も良いです。あの、今時間良いですか?なんか忙しそうですが」


俺はそう言いながらイルルクさんの周りで倒れている(・・・・・)討伐者達を見た。


「あん?ああ、コイツらか。まぁ気にすんな、喧嘩売ってきたから撫でただけでこれだからな。後でムルブが回収して(しご)きなおすだろうよ。それでどうした?」


「ちょっと個室で話しませんか?飯でも奢りますよ」


(なによりこんなに人が居たら落ち着いて話も出来ないしな)


「構わんぞ、マスター!個室借りるぞ!あとなんか適当に腹に溜まるもんを持って来てくれ!」


イルルクさんは酒場のマスターに叫ぶと奥にある個室に入っていった。


閲覧ありがとうございます

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