17話
朝になって、タスクさん達の家の2階にある部屋とベッドで目が覚めた。
手元に昨日、菩薩から貰った本があるのを確認して夢ではなく実際にあった事だと確信する。
(そうなると菩薩って女の子だったのか、悪い事をしてしまったな。ん、いや。俺より年上だから少女じゃないか?なら気にしなくて良いな)
「よし、反省終わりだ。昨日は色々あって確認出来なかったステータスを見るか。【ステータスオープン】」
反省してないじゃないかー!とか何か聞こえたが無視する。どれどれ、どんな風に変化したかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〔名前〕イツキ・キサラギ《如月 樹貴
〔年齢〕21
〔種族〕人間《異世界人
〔性別〕男
〔職業〕踊り子{変更可能}
〔生業〕見習い討伐者《青星★》
〔LV〕19
〔生命〕1322
〔魔力〕920
〔体力〕1001
〔剛力〕1477
〔俊敏〕800
〔守護〕717
〔知性〕303
〔魔法〕炎 嵐 土
〔幸運〕ーー
〔精神〕445
〔装備〕
ギルド製簡易服 ギルドタグ 鑑定コンタクトレンズ《鑑定Ⅱ》エルムの常識本《神代級》
〔戦闘スキル〕
《炎魔法IV》《嵐魔法IV》《立体機動Ⅲ》《軽業IV》《危険察知Ⅲ》《直感Ⅱ》《痛覚変換Ⅱ》《軽治療Ⅰ》《受け身Ⅰ》《下位剣術Ⅰ》《舞踏Ⅰ》《舞曲作成Ⅰ》《長物の心得Ⅰ》
〔耐性スキル〕
《苦痛耐性Ⅵ》《絶望耐性IV》《酸耐性Ⅲ》《精神汚染耐性Ⅱ》《貫通守護耐性Ⅰ》
〔日常スキル〕
《歌唱Ⅴ》《器用Ⅴ》《料理Ⅴ》《木工Ⅲ》《鑑定Ⅱ》《鍛冶Ⅱ》《調合Ⅰ》
〔ユニークスキル〕
《神託Ⅹ》
〔獣魔、配下〕無し
〔称号〕[無謀な勇者][異世界からの迷い人][下っ端根性][Mの証Ⅰ][考え無し][マヌケ][逆転者][異形を屠る者][変態ロリショタドMダンサー]
〔固有スキル〕《自家発電 羞恥Ⅱ》
〔加護〕菩薩の幸運
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「oh...相変わらず酷いステータスだ。それにしても色々増えたな…んだこれぇ!?」
ステータスを眺めていたら称号欄に酷い物を見つけた。これは昨日、菩薩が最後に言った言葉だったはず。
「くそ、やっぱり菩薩は鬼畜だ!これどうすればいいんだよ、変態ロリショタドMダンサーなんて他人に見られたら終わるぞ菩薩ぅ!しかもよく見たらMの証なんてのもありやがる!?俺はMじゃねぇぇっ」
コンコン
あまりに酷い称号に頭を抱えていたその時、部屋のドアがノックされた。俺の健全探査の反応からしたら多分ククル君かな?見られて困るものはないので気軽に返事をした。
「お、おはようございますお兄さん」
扉を開けたのはククル君のお姉ちゃん、ユラちゃんだった。センサーが鈍ったか…。内心悔しい思いをしていたが、その思いを押し込めて返事をする。
「おー、おはようユラちゃん。何か用かい?」
「お母さんが、朝ご飯出来たからお兄さんを起こしておいでって言ってたので、起こしに来たんです」
「もうそんな時間かぁ、それじゃあ一緒に行こっか」
食事の前に本当は着替えたい所だが、服がギルドで買った簡易服しか無いのでこのまま移動する事にした。しかしユラちゃんの顔が赤い気がする。
「ユラちゃん、顔が赤いけど大丈夫?風邪かい?」
「へぁっ!?だっ、だだ大丈夫ですよ!わたしの顔、そんなに赤いですか!?」
ユラちゃんに風邪気味か聞いたら、更に顔を赤くしてずいっと詰め寄ってきた。
それにしても可愛い顔してるな。目もドロドロとした大人色になって無くて癒される。
「…あの、お兄さん大丈夫ですか?ぼーっとしちゃってますけど」
落ち着いたユラちゃんが心配そうに聞いてきた。どうやら|向こう(地球)での事を思い出してしまっていたようだ。
「大丈夫だよ、ユラちゃんも風邪じゃないなら良かった。さ、ラルさんに怒られちゃう前にご飯食べようか」
「はい!」
◇
「おや、随分遅かったね。…まさかユラに手を出してないだろうね?」
「お、お母さんっ!」
朝からラルさんに疑われてしまった。だから俺みたいな紳士は手は出さないって。子供は愛でるものだからな。
「ユラちゃんに手を出すような事はしないさ。昨日は部屋貸してくれてありがとう。そういやタスクさんが見当たらないが、もう仕事に行ったのか?」
「そうだよ、太陽が出る少し前に出かけて行ったさね。さ、もう飯が出来るからテーブルに行っといておくれ」
「俺も手伝うぞ?」
「うーん、それならテーブルを拭いといてもらっても良いかい?ユラは皿を出しておくれ」
「了解した。テーブル用の布巾はどこにある?」
「あ、お兄さんこれです!」
布巾を探していたらユラちゃんが渡してくれた。よく動く良い子だな。
「ありがとうねユラちゃん。それじゃあ先にテーブルの方に行っとくよ」
布巾を持ってテーブルに向かうと、椅子に座りウトウトと船を漕いでいるククル君と髪をポニーテールに結びながら中庭から帰ってきたメアちゃんが居た。
「おはようククル君、メアちゃん」
「イツキさんでしたっけ。おはようございます」
「おにぃちゃんおはよう……」
メアちゃんは長女らしくハキハキと、ククル君はやはりまだ眠たいらしく今にも寝そうな返事をした。そんなククル君を見て、メアちゃんと俺は苦笑した。
「ククル君は昨日寝付けなかったのかな」
「いいえ、昨日もぐっすりでしたよ。ククルは毎朝こうなんです」
「そうなんだね。さてと、早いとこテーブル拭いてご飯にしよか」
「そうですね、ほらククル。起きなさい、もうご飯だよ」
「はぁい、メアおねぇちゃん……」
その後、ククル君もしっかり起きてみんなで朝食をとった。
「お兄さんは今日どうするんですか?」
朝食をとった後、ゆっくりしていたら不意にユラちゃんが話しかけてきた。今日か……。暫く依頼はしたくないな。だとすると武器や防具の準備、それと職業が変更出来るみたいだからギルドに行くぐらいかな。その事をユラちゃんに伝えると
「ならわたしが武具屋さんに案内します!武具屋さんの場所、お兄さん分からないでしょ?」
と言われた。確かに武具屋の場所を知らないから案内を頼みたいけどユラちゃんにだって仕事がある。それを放棄させてまで案内させるのはなぁ…。そう考えているとラルさんが話しかけてきた。
「イツキ、ユラに案内してもらいなよ。今日ぐらいなら大丈夫だよ。ククルもそろそろ1人での仕事に慣れて欲しかったし丁度良かったさね」
「ククルのフォローなら私がしますし。ユラの事お願いしますね?」
ラルさんとメアちゃんからも許可が出たか…。
「ならお言葉に甘えて。ククル君、今日1日ユラちゃんを借りていくね。お仕事頑張るんだよ」
「うんっ!ユラおねぇちゃんが居なくてもがんばるね!」
俺にむかって上目遣いでやる気に満ちた顔をしているククル君を見る。なにこの可愛さ。撫でくりまわしたい。いやいや、ノータッチを破ったらだめだ。俺のポリシーに反する。ここはグッと堪えよう。
「イツキ、顔がまたすごい事になってるよ」
「おっと、すまないな。あまりにも可愛すぎてつい……」
「今からでも衛兵に突き出して「さぁユラちゃん!もう行こうか!」…冗談さね。半分くらい」
「つまり半分本気って事だろ!?」
「イツキさんってロリコン……?」
ラルさんと会話しているとラルさんの冗談を真に受けたメアちゃんが汚物を見る目で見てきた。
「ほらラルさん!メアちゃんがなんか勘違いし始めたから!ち、違うからねメアちゃん!だから少しずつ後ろに下がらないで!?」
「さて、イツキいじりも飽きたしそろそろ仕事始めようかね。宿の住人も起きてくる頃だろうし」
い、いじりって…。菩薩もこんな気分なのかな、気をつけよう。気をつけるだけで菩薩いじりはやめないけど。
「なら俺達もそろそろ出ようか。それじゃラルさん。今日1日ユラちゃん借りていくな」
「はいよ、さっさと行って楽しんでおいで。でも宿に連れ込んだりしたらタダじゃおかないからね!」
「だからロリコンじゃねぇよ。あくまで紳士だ!」
「もう、お母さん!お兄さんをいじるのはおしまいにして!いつまでたっても出かけられないよ!お兄さん、早く行こうよ!」
「イツキ達も行ったしメア、あたし達もそろそろ宿の厨房に行こうか」
「はーい」
我慢出来なくなったユラちゃんに手を引かれ、ラルさん達の会話を背に家を出た。
の、ノータッチのポリシーが……俺から手を出した訳じゃないからノーカンでお願いしたい。
誰に対してか分からない言い訳を考えていたら、武具屋に着いたらしい。タスクさん家と宿から案外近いんだな。ちなみにタスクさんの家は宿の真裏にある。通勤が楽で良いな。
「ここがお母さんが昔行ってた武具屋さんなんだって!安い値段でいい武器とか防具を作ったり売ってしてくれるみたいです。…って実はわたしも直接来た事はないんですけどね」
えへへと笑いながら説明してくる。説明された武具屋を見ると、武骨な外観の中にちらほらと花模様や兎(らしき動物)のデフォルメが入った武器や防具があった。
……人気の商品なのか?
疑問に思っていたら、目の前の武具屋から誰かが出てきた。その人は女性で、腰まで伸ばした銀髪。その銀髪の半ば当たりから薄紫がかった色になっている。
そして1番目についたのは、肘から先にかけて女性の細腕には不釣り合いな、平均的な男性の胴回りはあろうかという巨大な篭手が付いている事だった。
閲覧ありがとうございます。
2023/03/02 ステータスの討伐者を間違えておりました。すみません。




