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✧ 詩 ✧ ふたり

時間結晶 Ⅰ

午後から雨が降る

あたたかい雲から

ぬくもりのある水滴が溢れて

この小さな街に降り注ぐ

傘はいらない

僕は雨の中に立ち

水色の空を見上げるから


宇宙は 次第に熱を失っていき

いつかすべてのものが 動きを止める

雨粒も

湿った空気も

濡れた服も

しぶきをあげる水たまりも

かつてこの空間に放たれて 今も浮遊し続けている 数多くの言葉も

あなたが抱いている夢も

たとえようもなく大きな悲しみも

すべてのよろこびも

なにもかも その動きを止めて 結晶すると 君は言った


それはもしかして『死』なのだろうか

いつか僕たちの心臓は 動きを止める

誰も避けることのできない その日のことを

君は言っているのだろうか


いいえ

わたしたちは死なない

時間が止まったように 感じるだけ

ただそれだけ


あなたの時間とわたしの時間が 重なった瞬間

初めて永遠を知ったように

今まで知らなかった新しい永遠が その瞬間、結晶する


わたしたちは輝く結晶になって 再び宇宙を巡る

わたしたちの時間が 再び重なる時まで











《時間に周期的なパターンをもつ「時間結晶」。最初に構想されてから間もないその物質の生成に米国の2つのグループが成功した》というサイエンス速報を読み、「時間結晶(タイムクリスタル)」という響きに不思議な魅力を感じて綴った、本来の科学的な意味での「時間結晶」とは違う形で結晶した詩です。

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