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異世界序列のシムワールド ~玄関開けたら2分で半壊……しょうがないから最下位から成り上がる~  作者: タック
第二章 星砕き 魂いつわる 力得て(序列二位との激突)

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29話 ガバガバ密室殺人事件(問題編)

 僕──女魔術師シィ=ルヴァーの前に、主人公よろしく登場した二人。


 尾頭映司──彼の力は間近で見た事もあるが凄まじかった。

 あのフェンリルと戦って、今では仲間として一緒に立っている。

 そして、刻を越え不確定の加護を受けし者……。


 フェンリル──最強の狼。

 絶対的な対神能力を持ち、圧倒的な存在である主神オーディンとでさえ対等に戦う事が出来る。

 そのため、世界の理から外れた鎖で繋がれていた過去がある。


「ねぇ、エイジ。この家を破壊して無かった事にすれば事件解決じゃない?」

「フェリ、せめて金目の物を運び出して、売っぱらってからにしよう」

「そうか! 確かにそうしないと、風璃に怒られそう!」


 ……直接、関わり合いになったらダメな相手だと分かった。

 誰か止めてくれないかな。

 兵士達は、フェンリル──いや、フェリと呼ばれた狼耳の少女が歩く災害なのに気が付いているらしく、見て見ぬフリをしている。


 これは僕が頑張らなければ──。


「ちょっと待つのだ! そこの二人よ!」


 割って入る一つの聞き慣れた声。

 ──リバー……腐っても僕の勇者だ。

 こういう時にビシッと決めてくれる格好良い所があるから嫌いになれない。


「保管してしばらく経ってから売るんだ!」

「なるほど」


 なるほどじゃない。

 僕の家財道具とかをどうするつもりだ。

 ──くっそ、最初に名乗り出なかったのが仇になってややこしい事になったぞ。


 物理的に解決しようとするこいつらを何とかしなければ。

 ええい、ままよ。


「ふふふ……あなた達。まだこの密室殺人事件の謎が解けないようね」

「なっ!? 若人よ、もう犯人が分かってしまったのか!?」

「ええ、もちろんよ。トリックもね。ただ、これは犯人からの挑戦状でもある……解かれない挑戦状に何の意味があるの? あなた達にも時間をあげるわ」


 なんだこれ。

 なんだこれぇ……。

 なんだこれええええ!?


 適当に適当を重ねて酷い事になってしまった。


「さすがは勇者リバーサイド=リングの仲間……謎という美酒を我々にも分けてくれるとは」

「エイジ、謎って美味しいのか? 食べられるのか? 魔人の栄養なのか?」


 良かった。

 こいつらがノリだけで生きているような存在で本当に良かった。


「ふむ、ではオレも2人と現場を見てトリックを暴いてくるか。カラテはブラックベルトなので推理力はあると思うからな!」


 リバー、何を言っているんだコイツは。

 とにかく、これで家を破壊される事を回避。

 時間を稼いで、適当にトリックとか何かをでっち上げなければいけない。


「あ、ごめん。何か壺っぽい物を割った」


 ……急げ、家が崩壊する前に。


「喉が渇いた。冷蔵庫どこ?」


 何か知らないがムカムカとしてくるのは気のせいだろう。


「ふむ、寝室を調べてベッドの下に卑猥な証拠品が無いか調べてこよう」


 ──こいつら、こいつら、こいつらあああああ!!

 無理やりにでも、引き留めなければいけない。


「ヒントその1。死体の状態よ」


 とりあえず死体でも観察しておけ!

 適当に言っただけなんだけどな!


「死体……ふーむ、腐敗が進んでいるな」


 リバーが顔をしかめながら、床に倒れている死体を見詰める。

 続いてフェリ、鼻をヒクヒクさせながら死体の臭いを嗅ぐ。


「うーん、モンスターっぽいエーテルの臭いがするけど、食べられそうにないなぁ」

「まぁ、さすがにこれは食べちゃいけないよな……元は喋ったりする人間だし」

「え、喋る野菜ならこの前食べたよ」

「……マジかよ」


 喋る野菜とか、そんなメルヘンな物を良く食べられるな……さすがフェンリル。

 いや、そうではない。

 確かに、よく観察すると死体からは微量な特殊魔力が感じられる。


 何か大事な事を思い出せそうな気が……。

 密室、死体、僕の家……。


「よし、大きな証拠があるかもしれない地下室でも探そうぜ! 隠し通路とかそういうのありそうな家だし!」

「わかった。それじゃあ地面を吹き飛ば──」


 それはシャレにならない。


「ひ、ヒント2。横の研究室らしき部屋を調べてみなさい」


 くっそ……壊されたらまずいが、あそこは調べるのに時間がかかるだろう。

 時間稼ぎにはもってこいだ。


「ふむ、行ってみよう」


 兵士も含め、僕以外は場所を移動した。

 倒れている死体と2人きりになった状態。


「はぁ……まさかこんな事になるなんて」


 ここで考えをまとめておこう。

 たぶん、死体の身元は王国から差し向けられた暗殺者か諜報員辺りだろう。

 そういう輩は、様々な理由で小柄な者が多いとも聞く。


 見逃したとはいえ、大きすぎる力を恐怖に感じて、この家に差し向けたのだろう。

 そいつが家の中に入り、中から物理鍵をかけてゆっくり物色……。

 だが、どうやって家の中に入ったのか? どうして死んでいたのか?

 

 魔術で何かした形跡もないし、家はどこも壊されていなかった。


「エイジ、このゾンビパウダーってかけたら美味しい?」

「映画で引っ張りだこって意味では美味しい」


 研究室から聞こえる声。

 あいつら……何をやっているんだ。

 って、ちょっと待てよ。


 思い……出した!


* * * * * * * *


 全ての謎は繋がった。

 後は、この場所で解決するだけだ。

 今さっきまで(・・・・・・)死体があったはずの(・・・・・・・・・)この場所で(・・・・・)


「おーい、リバーサイド=リングの仲間の人。研究室でもめぼしい物は無かっ──死体が消えてる!?」


 戻ってきた映司達。

 そして、全ての推理が終わった僕は探偵として振る舞うことにした。

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