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紅の魔眼と白銀の刀  作者: 櫻庭空
Episode1
20/34

Episode.1 (part.19) 悲劇

『第1の難関の通過者は604人中83人が通過しました。』

 司会が通過人数を告げると会場は雄叫びや拍手、声援などが響いていた。

『では、30分の休憩を挟んで第2の難関を始めたいと思います。開始5分前には戻ってきてください。』

 司会がそう言うと、通過者は休息や、使用した武器の手入れなどをし始めた。

 悠徒たちはいろんな意味で疲れ切っていて、休息の30分とした。


 ・・・30分後・・・

『只今から第2の難関をスタートします。勝ち上がった挑戦者は地面に書かれたサークル内に入ってください。』

 悠徒たちは司会者の言うとおりにサークル内に全員入ると、光の壁が突如出現して挑戦者を次の難関へと導いた。


 エリスは海岸に円陣を組んでいた。

「ここが今回のフィールドかな?」

 そのままエリスは勝利条件の珠を取りに行こうとした瞬間、アナウンスコールで呼び止められた。

 エリスたちはこの難関のルールの再確認をした後、武器を預けて支給品を貰った。

 開始の合図が鳴ったと同時に、全員はフィールドに散らばった。


 開始から10分が経過した。

 しかし、武器が無いせいなのかは解らないが、全く派手な音が聞こえない。

 聞こえるのは、鳥の囀りや草が靡いている音、後は動物の鳴き声と、人の悲鳴・・・悲鳴?

 エリスは聞こえてきた方向に慎重かつ素早くその方に向かった。

 そして、エリスが悲鳴が聞こえてきた場所が目の前に見える所の木に隠れながら、悲鳴が聞こえてきた所を覗き見た。

 そこは惨劇だった。

 巨大な肉食モンスターが逃げ惑う挑戦者の右足に噛り付いて、噛み千切ったのだ。

 周りは血が散らばっていて、見る限り、もう3人は殺しているのではないのだろうかとエリスは推測した。

 これはやばいと本能的に感じたエリスは、その場から退散しようとした瞬間、足元にあった枯れ木を踏んでしまい、モンスターに気付かれてしまった。

 モンスターは右足を失くした挑戦者を襲おうとしていたがターゲットをエリスに代えて、エリス目掛けて跳んで来た。

 エリスは咄嗟に木に登って近くの小さな崖の上に飛び移ったおかげで、モンスターはエリスが今さっきまで居た所に着地し、近くの木々を踏み潰してエリスが居ないことに気付き、辺りを見渡していた。

 モンスターに気付かれないようにエリスは膝を曲げて体を低くしながら後退った。

 しかし、どう言う訳かモンスターに気付かれ、モンスターは崖目掛けて跳んだが、崖を跳び越えるほど跳躍力は無かったが、エリスはモンスターが跳んだ瞬間に全力で走った。

「もう!怖がらせないでよ!この間抜けなモンスター。」

 エリスは追って来ないのに気付き、崖の下を見て、モンスターが崖を引っ掻いている様子を見てアッカンベーをした。

 モンスターが追って来る前に逃げようかと思った瞬間、エリスの周りの岩に亀裂が入り、エリスは崖の下へと落ちて行った。

 それを見たモンスターは岩が一緒に落ちてくるのも構わずに大口を開けて、エリスが落下するのを待ち構えた。

「食べられる~!!!」

 エリスの無残な声は響き渡った。


 悠徒と忍は同じフィールドに辿り着いた。

「ここは・・・何かの巣なのか?」

「そうじゃないかな・・・」

 悠徒と忍は歯切れの悪い言葉を交わした直後、突然円陣を組むように並んでいた挑戦者の真ん中に地図と武器収納子が出てきて、挑戦者は次々と武器を入れて、地図を受け取った。

 悠徒と忍が順番が最後で、忍が刀を入れて、地図を受け取った瞬間、アナウンスが聞こえた。

『第2の難関は、地図のどこかにあるこの珠を見つけた人が勝者です。制限時間は無制限。1人が2つ持っててもOKです。でも、挑戦者が持ってたのを奪う行為は禁止です。危険の場合は配布した赤い玉を使ってください。では、スタート!』

 スタートの合図と同時に悠徒と忍以外の挑戦者は一斉に散らばり、スタート地点には悠徒と忍だけになった。

「まあ、気楽に探そう!」

「そうね。こういうのは案外、難しく出来ているのが普通だもんね。」

「あと、忍は武器が無いと難しいだろ?一緒に探した方が見落し無く探せるしな。」

「あぅ・・・そんな、武器が無いと役立たずみたいな発言だよ?」

「えっ、実際沿うじゃな、ぐはっ、ゴメス!!」

 忍は悠徒の鳩尾(みぞおち)に正拳突きを喰らわせて、間髪容れずに踵落としを悠徒に与え、喰らった悠徒は地面に食い込む感じに突き刺さった。

「失礼にも程があるわよ!」

 忍はそう言い、悠徒を置いて行こうとしたが、悠徒の回復の方が早く、忍の跡を付いて行った。


 スタート地点から1km進み、巣のような所から脱出すると目の前に大きな窪地が在った。

「これは・・・侵食盆地(ポリエ)?」

「ぽりえ?って、確か地理で習った石灰石の豊富なカルスト地形にできる巨大な穴のことだったよな?」

「そう。そして、あの巣のような洞窟は・・・鍾乳洞ってことになるわね。」

 忍はそう言って地図を取り出し、地図に隠された秘密を探すかのごとく地図を回転させたり、考え込んだりした。

 そして、忍はハッと気付いて悠徒の耳元で小声で囁いた。

「この地図、鍾乳洞の中は描かれていないの。」

「それがどうしたんだ?複雑で描きたくなかったんだろ?」

「違うの!この空白具合から見て、どう見ても広すぎない?」

「言われて見ればそうだが・・・巨大な鍾乳洞の可能性は無いのか?」

「鍾乳洞内の大きな広場みたいな所の形が不自然なのが解らないの?」

「そうか?まあ、忍が言うからそうなんだろうな。学年の指折りの文武共に達者な忍様が言うのであれば・・」

「もうっ!茶化さないの!さっさと行きましょう。」

 忍は悠徒の手を強引に握り、駆け足でもと来た道を引き返した。


 鍾乳洞に入るとそこには幻想的な空間が広がっていた。

「これって鍾乳洞というよりは、鉱山?」

「鉱山にしては宝石の原石が露出しすぎよ。」

 悠徒たちのいる鍾乳洞の壁や天井には様々な色の透明な石(宝石っぽいが悠徒たちは判断できないので石という表現にした)があっちこっちに露出しており、中には光を放つ緑色の石や氷のように透き通った石などがあった。

 忍は一応女の子(・・・・・)なので宝石のような綺麗な石に見とれてつい足が止まってしまう。

 悠徒は光る石と赤い炎が中に詰まってそうな石など数十種類を手持ちのバックに入れた。

「そろそろ先に進むぞ」

「もうちょっとだけ・・・あぅ。」

 忍はもう少しだけ見ていたかったが、時間が時間なので悠徒は忍を引っ張るように再び先に進み始めた。


 歩いて数分。

「もうそろそろ付いても良いと思うのだが・・・あっ、あそこに光る物が見えた。」

「あそこね!悠徒、急ぎましょ。」

 悠徒たちは光る物がある方へと走り出し、それが置いてある広間の入り口に差し掛かる場所で悠徒は急停止し、入り口近くの壁の隙間に忍を先に入れて隠れた。

「なにすふがぁ~」

 忍が大きな声で悠徒に抗議しようとしたが、悠徒の手で口を塞がれて、静かにするように命令した。

『何があるのよ!』

『俺らを尾行していた奴らがいるのと、広間に妙な気配がする。』

『妙な気配?』

『静かに!もうすぐ判るさ。』

 悠徒はそう言って気配を消すと、悠徒たちを尾行していた2人組みの男が悠徒たちに気付かずに通り過ぎていった。

「アニキ!あそこに見えるのは合格条件の珠じゃないですか?」

「そうだな!案外簡単なところにあったな!あの男女の餓鬼共がいないが、まあ、俺様が幸運だったからだな!ガハハハ!!!」

 そう言いながら馬鹿な2人組みは広間に入り、珠の置かれている祭壇のような所の階段を踏んだ瞬間、広間全体に巨大な魔方陣が出現した。

 馬鹿な2人組みはそれに気付いて全力で階段を登り、珠を取ろうとした瞬間、消し炭になった。

 そう、魔法陣から出てきたのは、輝く石が集まり、龍の形をした巨大なドラゴンと、黒衣を纏った3mほどの剣士が出現したのだ。

 そしてドラゴンの口から炎を吹き出して、2人組みを消し炭にしたのがこの時に起こったのだ。

『忍、俺があの2体を相手にするから、お前はあの珠を取って来い。』

『無理だよ!悠徒を危険な目に遭わせたくない!』

 忍はそう言うと、壁の隙間から抜け出して、広場へと入って行った。

「あのバカヤロー!」

 悠徒はそう叫びながら、忍を追うように広場へ駆け出した。

 忍は広場内にある鉱石を拾っては投げ、拾っては投げての攻撃をしているが、ドラゴンと黒衣の剣士に自分の場所を気付かせるだけで、全くダメージは無かった。

 黒衣の剣士は忍目掛けて居合いの剣圧を放った。

 忍は紙一重で避けきったが、剣圧によって発生した突風で宙に飛ばされた。

 黒衣の剣士は忍が飛ばされたのを確認した瞬間、居合いで抜刀した剣で忍に斬りかかった。

「きゃ~~~!」

 忍は悲鳴を上げながら必死に避けようとするが、地面に足が着いていないのでもがく事しかできない。

 死を予感した瞬間、目の前が暗くなった。


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