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紅の魔眼と白銀の刀  作者: 櫻庭空
Episode1
11/34

Episode.1 (part.10) 初めての・・・

「悠徒、ここじゃ見られちゃう。別のところで―――」と忍は小声で言っていたのを悠徒は、「静かに。周りに気付かれるから声を出しちゃだめ。」と悠徒は言いながら忍の口に人差し指を当てて、周りを警戒しながら忍と密着していた。

「悠徒、硬いのが当たってる・・・」と忍は言いながらモジモジと体をくねらしていた。

「すまん、でも我慢してくれ。あと少しの我慢だ。」と忍を励ますと、悠徒はまた周りを警戒し始めた。

「もう、だめ~!!!」と大きな声を上げた忍は颯爽と駆け出した。

「あと少しだったのに・・・まあ、いっちょやりますか。」と悠徒も忍に続いて駆け出した。


 遡る事3日前。

 セルティウムとの再戦が在った日、悠徒はセルティウムに勝利したが、先生などに取り押さえられたが、すぐにハイドが出てきて事情を説明した。

 その後、先生達に悠徒の潜在能力の高さについての話が1時間ほど続いた。

 途中でガルドが乱入するまで多分話が永遠にあったと思うと身震いが走った。

 ガルドが乱入して大まかな話をすると、先生達は悠徒に深く追求するのを止めた。

 ガルドが言ったことは大まかに4つ有った。

1.悠徒の持っている能力は本人の能力でもあるが、もともとの能力ではない事。(紅が能力の向上(ドーピング)と魔法世界に満ちる魔力で自分は強くなったらしい。)

2.悠徒の能力に関しての情報は一切公開してはいけない事。(国家に関わる事らしい)

3.悠徒の絶大な能力が発覚したが、クラスを変えてはいけない事。(特別指導も禁止)

4.上記の事を守れないのであれば、紅の夕闇が全力をもって排除する事。


 まあ、嬉しい事なのだが、過保護過ぎないかと思ったが、ガルドは続けてこう言った。

「今回の決闘で悠徒の強さが解っちゃったし、生徒を1人病院送りにしたのは話は別だよ。悠徒君?」とガルドは悠徒の方を向きながら半ば笑いながら言うと、「悠徒君には重要な任務を受けて貰う。」と悠徒の肩をしっかりと握って突然現れたハイドが言った。

「任務?レベルは?」とガルドは言うと、「特Sランク」とハイドは言うのでガルドは少し驚きながら、「こいつに上位任務は厳しいぞ。何なら俺が行ってきて―――」とガルドは言ったが、「悠徒君じゃないとできない仕事だよ。」とハイドは言いながらガルドにウィンクを送った。

「ああ~、なるほど。そう言うことね。それは悠徒にしか出来ないわ。」とガルドは言い後は任せたという感じに手を振りながら部屋から出て行った。

 悠徒は頼れる見方がいなくなり途方に暮れていた時、突然ドアを勢いよく開ける音が聞こえた。

 そこにいたのは忍だった。

「任務なら私も行きます。悠徒一人じゃ危なっかしいから着いて行きます。」と忍は言うと、ハイドはう~んと少し悩んだが、「忍君も一緒に行きなさい。」とあっさり許可した。

 そして今の状況に至る。

 昨晩、任務に出た悠徒と忍はハイドに指定された場所に着くとそこで一晩過ごして貰うと言う指示がインカムから聞こえた。

 悠徒と忍は指令を聞いて溜息を漏らし、仕方なく見つからないような叢を探して、そこに隠れようとした。

 しかし、すぐ近くに大きな木があり、その木の根近くに大きな穴が木の下にあり、洞穴のようになっていたのでそこで一晩過ごした。

 悠徒と忍の二人が入っても全然スペースが余るほど大きく、悠徒はそこでハイドから支給されたアイテムの中に調理道具一式が入った玉があったので悠徒はそのアイテムと、食料保存用のマジックアイテムに入っている食材で簡単な炒め物を作った。

 それを食べた後、悠徒は行きに見つけた川で水を取りに行き、ガルドが忍に渡した5種類の札の中から火属性の札を出して水を温めて、できたお湯で体を清めた。

 普通なら野外で一晩過ごす時は体を清める事はおろか、食事も質素なのしか食べれないのが当たり前なのだが、魔法技術のおかげである程度は改善されておる事に悠徒と忍は就寝するときに、はっと思った。(注意:寝袋が用意してあったから地面で寝てないぞ)


 朝になり、悠徒は起きると外の様子がおかしかった。

 外の様子を見ると、そこには何十人もの人や獣人がおり、なにやら取引のような事をしていた。

 悠徒は忍を慌てて起こすと、起きた忍は欠伸をひとつしてぼやけた視界の中、悠徒を見るなり顔を赤くしていきなり悠徒を殴った。

「何、私の寝顔をムゴ・・・」と忍はいきなり大声で言い出したので、悠徒は急いで忍の口を封じて急いで穴から出て近くの叢に入って息を殺した。

 悠徒達が隠れてすぐに獣人が3人が木の穴に近寄っていき、その裏にいた背の小さいフードをかぶった人が獣人の前に出て立ち止まった瞬間、穴の中が突然大爆発が起き、木が灰になった。

 悠徒と忍はホッとひと息を吐くとフードをかぶった人がこっちを向いたがすぐに取引場に戻って状況の報告しているのか、取引している人の一人と短い会話をするともう一人の護衛を再開した。

 悠徒は今回の任務の内容が書かれている手紙を見るとそこにはこう書かれていた。

『今回の任務

 取引物を取って来てほしい。

 注)乱暴はほどほどに』と書かれてあった。

 悠徒はその手紙を破り捨てると、忍に、「任務は取引物の奪取」と言い取引現場の近くまで移動した。

 取引現場の近くに大きな岩があり、岩陰に悠徒たちは隠れた。

 悠徒は素早く隠れるようにとしか頭に入っていなかったので、忍のことは荷物のひとつのように思っていた。

 そのため忍の手を握って岩陰に隠れたため、岩と悠徒の間に忍が入ってしまった。

「悠徒、ここじゃ見られちゃう。別のところで―――」と忍は小声で言っていたのを悠徒は、「静かに。周りに気付かれるから声を出しちゃだめ。」と悠徒は言いながら忍の口に人差し指を当てて、周りを警戒しながら忍と密着していた。

「悠徒、硬いのが当たってる・・・」と忍は言いながらモジモジと体をくねらしていた。

「すまん、でも我慢してくれ。あと少しの我慢だ。」と忍を励ますと、悠徒はまた周りを警戒し始めた。

「もう、だめ~!!!」と大きな声を上げた忍は颯爽と駆け出した。

「あと少しだったのに・・・まあ、いっちょやりますか。」と悠徒も忍に続いて腰に付けていた刀を抜いて駆け出していった。

 忍は顔を赤くしながらもポケットから指輪を出して、それに手をかざした瞬間、忍の周りに光のバリアが出来て、そのバリアが弾けた時、そこには鎧をかぶった忍がいた。

「ここは私が喰い止めるから悠徒は早く奪取してきて。」と言い、忍は敵の小隊に突っ込んで行った。

 忍が使っている魔法は、AA+ランクの魔法具で、魔力の低い人用に作られた物で、さらには、武装がその人に合った武装になるので、今の忍には最高の武装であった。

 忍は小隊と接近し、残り数メートルのところで右手から忍の身長を超えるほどの大剣を出して、小隊に向かってスピード+振りぬき+魔法具の補助の合力によって途轍とてつもない速さの大剣が小隊に襲い掛かった。

 小隊は防御体勢であったが、予想を超える威力だと判断した小隊は一目散と逃げようとしたが遅く、忍は闘う意志の無い小隊に同情したのか大剣を地面にめり込ませて小隊の目の前に戦場の境界線のような大きな地割れを作り、別の目標に向かって走り出した。

 一方悠徒は、取引される物の奪取するために全力で走り抜けていた。

 敵の間を潜り抜けること5分、やっとの事で取引現場にたどり着いた。

「その物を渡してくれないか?」と悠徒は悪役っぽく言うと、物を持った男が物を隠すように体で隠しながら急いで立ち去ろうとしていたので、悠徒は周りのボディガードたちを手刀で次々と気絶させてゆき、ついには物を持った男だけになってしまった。

「おとなしく渡せ!」と悠徒はドスの聞かせた声で言うと、物を持った男は、「アルティベート!助けてくれ!」と大きな声で何度も言っているので、悠徒は呆れながらも素早く男の前に行き、物を奪い取った。

「これで任務は完了かな?」と呟きながら後ろを向いた瞬間、そこには背の小さいフードをかぶった人がいた。

 悠徒は咄嗟に後退しようとしたが遅く、相手の拳が悠徒の腹部にめり込んだ。

 悠徒はそのまま飛ばされて5メートル先の木に叩きつけられたが、物の入ったケースは放さずに持っていた。

 フードの人は悠徒に攻撃をしたポーズから動かず、悠徒は物を腰に付けたポーチの中に入れると、帯刀していた刀を抜き、右目の眼帯をはずした。

 フードの人は悠徒の右目の眼帯をはずした瞬間、ビクッとしたがすぐに口元が微笑んでいるかの様な感じで立っていた。

 悠徒は動かないフードの人目掛けて一瞬で接近すると、刀に魔力を一極集中させて振り下ろした。

 フードの人は回避もガードもしずにまともに悠徒の攻撃を受けたが、刀は切れる事無くすり抜けていった。

「何だあの野郎。確かに感触は有ったのに・・・」と悠徒は首を傾げていたが、『ありゃ、かなりの使い手だぞ。今のは幻影ミラージュと言って、本物がそこにあるかのように仕立てる魔法さ。あれは並大抵の奴じゃ出来ない魔法で、さらに言うと、あの完成度は上位魔法使いでも作れない。ガルド級のバケモノだ!対抗策は広範囲の大魔法で相手を攻撃するか、魔力を感じろ!』と紅が悠徒に助言した。

 悠徒は大魔法も魔力を察知する事も出来ないので途方に暮れながらも幻影を攻撃し続けた。

「こっちは片付いた。悠徒の方は―――」と忍は悠徒の方に駆け寄ったが、取引現場は大惨事になっていた。

 そこには血だらけの悠徒と傷ひとつも付いていないフードの人だけが立っていた。

 忍は急いで悠徒の方に駆け寄ろうとしたが悠徒が手で制止させたので、忍は大人しく待機していた。

「フードの中身を見せやがれ!」と悠徒は言葉を吐き捨てると同時にフードの人目掛けて刀を振るがすり抜けて、フードの人のカウンターの竜巻で悠徒を突き飛ばした。

 竜巻の中に風の刃が混じっていて、悠徒の服はもうボロボロになっていた。

 忍はそんな悠徒を見ていられなくなり、忍はいきなりフードの人目掛けて無意識に大魔法を発動させた。

 忍の大魔法はフードの人を中心に半径数十メートルもの大規模な爆風が起こり、魔法を発動した瞬間、忍を覆っていた鎧は光の粒となって消え去った。

 悠徒は忍を守るように刀を構えながら爆風によって舞ってる砂塵を睨み付け、砂塵が弱まってきたのを見計らって悠徒は砂塵の中に入ってフードの人を探した。

 悠徒が入ってすぐに砂塵の中央で大きな竜巻が発生したと思ったらすぐに打ち消されて、砂塵がなくなった。

「君たちに興味が湧いて来るよ。」と突然竜巻が発生した所で男の声がしたので、悠徒は警戒しながら声が聞こえた方に歩み寄った。

 そこにはセミロングヘアの赤髪の少年がいた。

「お前は誰だ。」と悠徒は問いかけると、赤髪の少年は、「僕は人形さ。皆からはアルティベートと呼ばれているよ。」と言い、アルティベートの足元に魔方陣が浮び上がり、そして転移して消えてしまった。


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