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プロローグ
落ち葉が一面に広がる時期の桜華学園正門前。
『誰の夢?』と思いながら、悠徒は立っていた。
正門前で一人、女の子が泣いていた。彼女は「何で、何で・・・」とかすれた声で言っている。
いまいち状況の理解できない悠徒は、彼女に何があったのか聞こうと歩み寄った瞬間、強風が吹いて、辺りは暗闇になった。
明かりが一つ付いたとき、そこはどこかの研究所であった。
所内には研究者が三人いて、研究者の一人が「TX‐3AD、目覚めろ。変革の日が近いぞ。お前の力は地球とあの世界を統合し、世界の統合による平和をもたらすのだ。」と言い、研究機材の一つの機械に付いているボタンを押したとたん、私は急な睡魔に襲われて眠りに付いた。
彼女はあの日の光景が映っていた。
あの日、あの場所で自分がいたからと、いつも思っていた。
あの日は雪が降っていた。そしてその雪が赤くなっていたことを・・・・