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2話 邂逅と…

花音カノンがリノンと会い、プロンテラにあるいている時と同時刻。




花音達が向かっている街、プロンテラの街中で8人の男女のパーティーが、ワイワイと話し合いながら次の冒険に行く場所を決めていた。


そんな男女の中、一人、路地に置いてある木の箱に腰をかけて腕を組んで寝ていた少年は、ふと南の方角を見て、その薄い唇を動かした。




「魔力が荒れてやがるな…」





一般的にノービスと呼ばれる、冒険に出て間もない時代に重宝される帽子[スーパーノービス帽]を、右手でクイッと持ち上げながら、眼鏡の奥の紫の瞳を眩しそうに細める。





「こぉらぁ~!!! ダムウィン!! また寝てるんじゃないわよ~!!」




ダムウィンと呼ばれた少年はめんどくさそうに腰をあげ、彼に向かって歩いてくる彼女の方向を向いた。





「胸ペ…いや、イグニゼム。俺は眠たいんだ。次の行く場所が決まるまで休ませてくれ…」





そう言いながらも、ダムウィンが向けた目線はセニアの胸元。


小さいながらもメイルを押し上げている双丘を、ジーと見つめている。


その目線に気がついたイグニゼムは、顔を真っ赤にさせて、左腰に挿していたソードマンになった時に買った愛剣を抜き、ダムウィン目掛けて振り回した。






「胸ペタじゃな~ぃ!!……あ、あんたなんか剣の錆になりなさぁ~ぃ!!!」



「胸ペタ子…失礼。イグニゼム。残念ながらお前に殺される程、俺は鈍間どんまではない」





セニアの振り回す愛剣が銀の軌道を描いている最中、ダムウィンは眼鏡をキザにかけなおしつつ、ひょいひょいと剣を避け軽口を叩く。


このパーティーの中では、既に日常風景となってたそれを、ほかのメンバーは呆れた目で見ながら、話を進めていた。






「あ~あ。イグニゼムとダムウィンまたやってるよ…。なぁ? ヒュッケバイン」




「いいんじゃない。楽しそうだし…ね。ところでぇ~、カイン。あんた、そろそろ転職でしょ?」







地図が置かれた台に腰を乗せ、妖艶に微笑みながらカインと呼ばれた男性に声をかけた女性。


彼女は、カインやダムウィンのような初心者が好む服装をしておらず、ならず者のような服装をしている。


一般的に、シーフギルドに所属している者が着る服装だ。


栗色の髪の毛をポニーテールのように結んだ彼女からは、10台後半らしい怪しい妖艶さが出ていた。





「カインさぁ~。あたいと一緒にシーフやらない?」





そう言って、唇を近づけてくるのをカインは避けて、お断りだ!と一蹴する。


カインに拒絶されたヒュッケバインは、つれないわね~と言って頬を膨らませていた。


カインがなりたいのはアーチャー。


アーチャーだった叔父の弓捌きに憧れて、彼は冒険者になったのだ。






「それじゃ、目的地はフェイヨンですね」






カインとヒュッケバインの話を聞いて、パーティーの中で一番大人しそうな少年が他のメンバーの確認を取る。


彼の服装から、このパーティーの命綱であるアコライトであることは容易に想像ができた。






「フェイヨンか~。あそこのお菓子はおいしいのさ! アルマイアも行きたいのさ!」





「俺も久しぶりに戻ってみたいな」




「異論はないな。では、フェイヨンとしよう」





そう言ってアルマイア、カヴァク、ラウエルの3名が納得した後、パーティーの行き先が決定した。






この世界ではまだ未解明な部分が多い。


人間が平和に生きれる街以外は魔物がうろつき、街から離れたダンジョンにはさらに強力な魔物がうろつく。


当然、魔物に苦しめられる人々もおり、その魔物を倒し、そこから得る物を売ったり、報酬を貰って生業とする冒険者も数多かった。






この8名の男女も、そんな冒険者を目指す若者達。


【ソードマン】のイグニゼムをリーダーに、【アコライト】のイベント、【アーチャー】のカヴァク、【マジシャン】のラウエル、【シーフ】のヒュッケバイン、【マーチェント】のアルマイア。


それに【初心者ノービス】のカインとダムウィンを含めた8人パーティー。


ノービスのうちに冒険の基礎を学び、自分にあった職に就く。


それが、この世界での冒険者としての生き方だ。





カインと呼ばれる男性も、これから自分の職を決める一人。


アーチャーが集うギルド『彗眼の狩人』の本拠地はフェイヨン。


彼らがいるプロンテラから、目的地フェイヨンまでは徒歩2日ほどの距離であり、強力な魔物も出ない道のりだ。








「そんじゃぁ。いきましょうかねー」









額に汗を掻きながら、スッキリした表情で愛剣を左腰に納めるイグニゼムは、そう言う。


足元には、無残にも新品の服を切り刻まれたダムウィンの姿。


切り傷の他にプスプスと煙が出ているのは、気のせいではないだろう。


そんなボロボロのダムウィンを引きずって、よい笑顔の彼女は、他のパーティーメンバーがため息を吐くのを気にせずに、プロンテラの南にある城門へと向かっていった。









「だから~。この世界には職っていうのがあってね。冒険者は自分にあった職について戦うのよ」







城門を抜けようとした時、イグニゼムの目に見慣れない服装の子供が映る。


上下を淡い水色の生地で、防御力もありもしない服装。


城門の外から来る=魔物と戦う危険性を考えれば、その服装は明らかに居様だった。


服装だけじゃない、髪色も目の色も黒という異様さ。


その子供の横には、ホムンクルスと思われる少女が浮いていた。


先ほどの声は、そのホムンクルスからだと思われる。





「イグニゼム。なぁにやってるの、行くわよぉ~?」






その子供の姿をジッと見つめていた彼女は、ヒュッケバインの言葉に我を取り戻し、「にゃはは、ごめん」と言って走って皆を追いかけた。






この出会いが、己と己のパーティーの運命と交差しているものとは知らずに……

キャラ募集をずっと前にしていましたが…。



採用させて頂いたのは…天狐さんが考えてくれたダムウィン君と、アンデルセンさんがが考えてくれたカイン君です。



多少設定を弄っておりますが…。



そのうち、キャラ設定資料など書かせていただくつもりです!!

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