AOI 第82話
車の中から見た、おばぁちゃんの後姿は、まだまだ眠たそうだった。私も、温泉のおかげで体がぽかぽかだ。ぼーっと、玄関を見ていると、母が頭を下げながら出てくるのが見えた。と同時におばさんが出てきて(母のお兄さんのお嫁さん)、母と話しながら車に近づいてきた。母は、運転席の方へ、おばさんは私の方へ。私は、車の窓を下げながら、頭を下げながら、
「こんにちはー。」
と、挨拶をした。おばさんは、私の顔の前に腰をかがめた。そして、私の隣に座っている弟を探すように奥に視線をむけた。弟は、まだ、寝ている。
「今日はありがとうねー。」
と、白いビニール袋を渡してくれた。受け取って中を開いてみると、お菓子が2袋入っていた。私はそれを見て、
「わぁ、お菓子だぁ。ありがとうございます。」
と、好きなお菓子だったから嬉しかったプラスとで笑顔で、少し大きい声の挨拶をした。
母は、運転席から、おばさんの方を振り返って、
「ごちそうさま。」
と、声をかけた。車が動く。私は、おばさんにまた、頭を少しさげた。おばさんは、車が見えなくなるまで、私達に手を振ってくれた。車の中で、母に、
「お菓子2袋もらった。」
と、言った。母は、
「あ、そう。」
と、言った。そして、続けて、
「お夕飯は何食べようか?」
と、聞いてきた。弟を見ると、もぞもぞと起き出していた。聞けば、おばぁちゃん家に着いて、私が窓を開けた時くらいから、目が覚めたらしい。寒い風が、入ってきたからだって。だけど、もそもそ話し声が聞こえてきたから、今、起きてもと思って、そのまま目を閉じていたそうだ。弟は車の中で、
「うーん。」
と、背伸びをした。母が、もう一度、
「お夕飯は何食べたい?」
と、聞いてきた。弟は、速攻で
「ラーメンと、餃子。」
と、答えてきた。それを聞いて母は、
「そうしよう、そうしよう。」
と、このお店はどう?と話をしているうちにご当地ラーメンのお店にあっという間に決まった。なかなか、決まらない私達なのに、きれいに決まった。いつもは、どうするどうする?で、フードコートでさえ、悩むのに。お夕飯の時間には、まだ、少し早い時間だったからか、お店は並ばずにすぐに座れた。決断の速さのおかげだと思った。お店の前を通るたびに、行列で、TVでも、ご当地ラーメンの人気店として放送されていたから、私達3人は、車の中から、やったーと喜んでいて、注文もウェブサイトのメニューを開いて、決めていた。人気のチャーシュー麺一択。




