英語が苦手な地雷ちゃん
英語がとことん苦手な地雷系女子、心音。
「長いスカートがほしい」——
ただそれだけを伝えたかったのに、口をついて出たのは
まさかの「Skirt low」という謎ワード。
店員に通じない。
通りすがりのおじさんは二度見して逃げた。
ついには茜先輩に「それスカート脱げって命令じゃん」と言われて泣き崩れる。
これは、英語がトラウマになりかけた地雷女子の、
拗らせた恋と恥と、ちょっぴりの百合が交錯する
ひとつの“言葉の事件”。
「わたし、ただ……先輩に可愛いって思ってほしかっただけなのに」
地雷は、恋のきっかけにもなるらしい。
心音「skirt low… スカート… ロウ… すかーとろー…」
_人人人人人人人_
> スカートろう <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
茜先輩「スカートろう……? なんか……えっちじゃない……?」
心音「ち、違うもんっ! 英語だもんっ!!」
「わたしはただ長いスカートがほしかっただけなのにぃ…」
茜先輩「え、それってスカート脱げって命令じゃん(笑)」
心音「ちがうもん!! ちがうってばぁ!! もうぉ!!」
(泣きながらぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる)
茜先輩が静かに察した。
「通りすがりの謎のおじさんが二度見して吹き出してたんだけど!?」
心音「ろ、ロングスカートくださいっ!」
通りすがりのおじさん「ん……⁉︎ スカ……スカトォッ⁉︎」
心音「はぇッ!?!?」
おじさん「今、“スカト○”って言わなかった⁉︎」
心音「ちちち違うよぉぉお!?!? ロング! ロングなのっ!! スカートなのぉ!!」
おじさん「お、おう……」
(妙に動揺しながら早歩きで去っていく)
心音「やだぁぁぁぁぁぁ!!!!」
(地面に埋まりたくなるほどの羞恥に崩れ落ちる)
周囲:「(地雷の爆発音)」
――そして、心音は翌日から
「long skirt… long skirt…」と5回唱えてから出かけるようになるという、謎の修行スタイルに突入した。
* * *
翌日。英語の授業にて。
心音「え、えいご……無理……こわい……」
「全部“スカト○”に聞こえる……」
英語教師「Repeat after me〜♪ Skirt」
心音「……無理。あたし、もう国語だけで生きる……」
「漢字とひらがなとカタカナで充分……」
英語教師「えっ、待って、まだ始まったばかりなのに……」
友達の咲:「地雷ちゃん、英語辞書に“封印”ってマステで貼ってるの本気で草」
心音「洋楽聴かない、海外行かない、Google翻訳も使わない……全部地雷なんで…」
心音「先生が悪い……“すかーと”って、言わせようとするから……」
(震え声)
そんな心音が唯一許せる英単語は
「choker」――
これは“世界観”に関わるから、聖域。除外対象。
* * *
放課後、咲がふと思いついて尋ねる。
咲「でもさ、なんでそんなに長いスカートにこだわったの?」
心音「……っ」
(言葉に詰まり、急に顔を赤らめて蹲る)
心音「……茜先輩に、見せたかったから……」
(その声は、小さすぎてスカートの裾に吸い込まれていくようだった)
咲「あーね。」
(尊すぎて崩れ落ちる咲)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ちょっとした言葉のズレから始まる、小さな混乱と恥ずかしさ。
それでも誰かに「見せたくて」選んだスカートの話です。
もし少しでも楽しんでいただけたなら、とても嬉しいです。
書けてよかったです。
アカリ




