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第二話

皆さん。今回は衝撃的なゲームが出ます。

俺は正気です。

教室から上野の背を追う形で逃げるように飛び出していった俺達が向かったのは飲食店でもなく、はたまたゲームショップでもなく職員室だった。


「蕨先生いますか?」

どうやら担任の蕨を呼びに職員室に来たようできっと転校初日で何かのプリントでも提出しに来たのだろう。

それにしても上野がFPSをやってるなんて驚いた。

そもそも近くに女性のFPSプレイヤーがいることに驚いた。

FPSというのは世界で非常に多くのプレイヤーがいるがその9割は男で、基本ボイスチャットをしても聞こえてくるのは男の声がほとんどだ。

そんな中女性プレイヤーにこうして出会えるなんて奇跡以外の何物でもない。

他になんのゲームやってるのか気になるな。後で聞こう。

廊下で待っていると先生が眠そうな目をこすりながらやってきた。


「お、連れてきたか」

「はい!これで同好会の設立基準はクリアですよね!」

同好会?何言ってるんだ。

後ろには誰もいないし、そもそもここに生徒は俺達以外いない。


「そうだな。とりあえず届持ってくるから待ってろ」

そう言って職員室に戻っていき再び俺達だけになった。


「ごめん同好会って何?」

「ゲーム同好会!どう?そそるでしょ!」

そそるも何も俺はリアルでテーブルを囲みながらやるゲームに興味は無いんだが。


「入学前に先生にこのこと相談したら誰か生贄を連れてこいって言われて、それでたまたま自己紹介でゲームが好きって言ってた浜松君を生贄に連れてきたって訳!」

「いや、そんな自信満々に言われてもなぁ・・・」

そもそも俺がこの部活動が盛んな学校で部活に入っていないのは早く帰ってゲームがしたいからであり、今更部活だったり同好会だったりって言われても正直良い反応は返せない。

断ろうとしたその時先生が戻ってきた。


「ほら、これに必要なこと記入して持ってこい。一応期限は今週中だからな」

「ありがとうございます!」


帰り道。たまたま帰る方向が一緒だったため並んで歩いていた。

OWを始めいろいろなFPSについて話していたがやはりやりたくないものはやりたくないとはっきり伝えなければ俺のためにも、上野の楽しい学校生活の為にもならないだろう。

腹を括って話すことに決めた。


「実はさ、上野」

「ん?どうしたの?」

俺に向けるまなざしは輝いていてそれはまさに仲間を見つけて喜んでいた俺と全く一緒だった。

断りづらいな。


「俺・・・部活やる気無いんだ」

「同好会だよ?」

「一緒だよ。俺、ボードゲームとかの机囲んでやるゲーム苦手でさ、それにゲームやる時間増やすために部活入ってないんだ。だから今は部活入る気には・・・」

唖然というかこいつ何言ってるんだ?の顔で俺を見る上野は見ていて非常に心苦しかった。


「・・・じゃあ私と勝負しない?」

「勝負?」

「そう勝負。勝負で私が勝ったら浜松君がゲーム部に入る。浜松君が勝ったら私は浜松君の事諦める。これでどう?」

正直この勝負すら断れば俺の完全勝利なのだが、俺は違った。

この何で勝負するのか分からない状態ででも、勝ってもそこまで旨味のない勝負でも俺は乗ってしまう。

なぜなら俺は賭けが好きだから。


「いいよ。やろう。何で勝負する?」

「やった!じゃあ後で連絡するから帰ったら教えて!バイバイ!」

そのまま走り去って行った。

本当に元気な奴だな。


家に帰り、いつでもできる旨の連絡をするとボイスチャンネルのリンクが送られてきた。


『あ!聞こえる?」

「聞こえる聞こえる。そっちは?」

『ばっちり!』

ヘッドホン越しから聞こえる上野の元気な声は若干うるさいので上野の音量を下げた。


「それで何で勝負するんだ?」

『そりゃもちろんBF2042(バトルフィールド2042)でしょ!』

出た。BF2042。これはBF2042と書いて近年稀に見るトップオブクソゲーと読む。

配置物は適当でマップも広すぎる上にUIも終わってる本当のクソゲー。

BFシリーズと言えば大人数での戦車や航空機を用いた戦争ゲームのはずだが、この作品ビークルが弱すぎて話にならない上に早すぎて味方の工兵を置いてけぼりにするため修理すらできない本当に面白くないゲームだ。


「本当にやんの?」

『マジマジ大マジ!これで一試合やってどっちがフラグ上になれるか勝負ね!』

マジか・・・。あれほどプレイしててストレス溜まるゲームもそんな無いぞ・・・。

でも受けたからには仕方がない。やろう。


「モードは?」

『128コンクエスト!やっぱBFって感じするもんね』

「それはそう」

BFのコンクエストというモードはチケット制の二チームに分かれてどちらが先にチケットが尽きるかの勝負でいくつかの拠点がマップ上に存在していてその拠点を取ると一定時間ごとに相手チームのチケットが減っていく。そのため相手よりも多く、相手よりも長く拠点を抑えることが大切なモードだ。

入ってすぐの試合はほとんど途中からになるため二試合目で行うことにした。

俺の戦闘スタイルはスナイパーで横からペチペチするだけの芋砂なのだが、今回のスコア勝負において芋砂は一番不向きで役に立たない。

ので、今回は旗に入ってスモークの中でうにょうにょする突撃兵をしようと思う。

実はこのゲーム一生芋っててもつまらない。

だからたまにアサルトライフルを担いで前線に出て戦う事があるのだがどうやら近接戦闘も俺はできるらしくK/Dを割ったことが無い。

試合序盤はひたすら相手拠点に前から乗り込み見えた敵を倒すことに専念した。

上野は同じく前線で前に出る訳ではなく、衛生兵で蘇生を繰り返しタイミングで旗に入ってポイントを取る恐らくBFのスコア理論値と言っても過言じゃない動きをしている。

そのおかげか俺は中盤までスコアを大きく引き離された状態で試合が進行していくことになった。

フラグトップにいる上野の下7番目にいる俺は一度作戦を変え、裏取りをすることにした。

数分戦闘はおろか旗に絡めないが最早そんなことを言ってられる場合じゃない。

突っ込んで5キル取って死に、突撃兵から斥候兵に兵科を変えた。

斥候兵はビーコンを置くことが出来る兵科で相手陣地の奥にビーコンを置くとリスポーンするだけで簡単に相手の裏が取れるという戦術だ。

これをすることにより相手の背後からの奇襲でキルは取れやすくなるし、手が薄くなった拠点に入りぼーっとしてるだけでポイントが入ってくるとても理にかなった戦術で最早これをやるためにBFをやっているというプレイヤーも少なくない。

裏からの奇襲により簡単に拠点が取れた為俺の順位は跳ね上がり3位にまで上り詰めた。

だが、まだ100ポイント以上上野とは離れているためもっと拠点を取らなければならない。


『いいところにビーコン置くじゃん!使わせてもらうね!』

「あ!おま・・・いや、俺にもポイント入ってくるしいいか・・・」

次の拠点に向かおうとした丁度その時マップの建物の裏の方に戦闘機が止まっているのが見えた。

恐らく降りて修理しているのだろう。

丁度いい。

俺はいかにも仲間っぽく足音を立て近づき修理していた工兵をテイクダウン。そして操縦席に乗っていたパイロットも撃ち殺し戦闘機を鹵獲した。

戦闘機自体あまり得意ではないがそもそもしばらく味方の戦闘機が飛んでいないため相手チームに空中撃墜の為のガジェットを持ってるプレイヤーは少ないはず。

だったら空は俺のものだ。

戦闘機の圧倒的な速さと火力で相手の拠点と戦車を荒らして壊し、圧倒的有利を築くことに成功した。

もちろん歩兵の数倍のペースでキルが入る為いつの間にかフラグトップは俺になっていた。

圧倒的な差を見せつけ撃墜されたがここまでのポイント差をひっくり返すのはかなり無理がある。

だが、最後となれば敵も躍起になって旗を取りに来るもの。

上野は着実に蘇生を行い、キルも取り、旗にも絡む。

俺と上野は十数ポイントで一位と二位を奪い合っていた。

そしてとうとう相手のチケットは100を切り、スコアは上野の方が少し上。

拠点はほとんど取っている為この今いる拠点が最後の戦場となる。

俺はキルを取り前線を上げ、上野は倒れた兵士を蘇生し送り出す。

お互い一歩も引かないこの戦いでとうとうスコアが並んだ。

相手のチケットもみるみる内に減っていき最後の1チケット。

俺と上野の前には倒れた分隊員の姿。

分隊員であれば兵科関係なく蘇生が可能でポイントが手に入る。

つまり、この分隊員を起こした方が今回の勝負の勝ちになるわけだ。


「俺のだ!」

『私の!!』

俺と上野は手を伸ばした。

まさにコンマ数秒。FPSでしか味わえない数ミリ秒の戦いが終わり試合も幕を閉じた。

トップ分隊はもちろん俺達。

俺のキル数が89なのに対し上野の蘇生数は67だった。

やはり真面目にBFをやるとトップ分隊は余裕だ。

問題は俺達のスコア。

なぜかタブを押しても見れない謎のトップ分隊表彰を終えリザルト画面。

タブを押してスコアボードの上を見てみるとそこには1yuiiiinと2masakkiyの文字。

負けた。


「すごいな。67蘇生なんてかなりやりこんでるだろ」

『そんなことないよ。浜松君だってめっちゃうまいじゃん!89キルなんて私60キルもしたことないよ!』

「やっぱりこうやって見るとBFはキルが全てじゃないってはっきり分かるな」

『それじゃあ約束通り同好会入ってもらうからね!』

正直駄々をこねたかったがうれしそうな声を聞くとそんな気も失せた。

なにより俺はこいつが好きだ。

別に恋とかそういうのじゃない。

FPSにおいて数百時間もプレイしているのに上手くならず、上手くなくても楽しいですみたいな顔してる奴が一番嫌いなのだ。

これは俺が真面目にやりすぎて捻くれているだけなのかもしれないが、FPSの対人ゲーは上手くなければクソというものなのでそれはきっと間違いじゃない。誰もが思っても口に出さないだけだろう。

鍛練し、上手くなり、勝てる喜びを味わう。

それが出来る上野とならきっと楽しい同好会になるだろう。

俺は期待を胸にその後もクソゲーを二人でブチ切れながらプレイした。

こんにちは。

今回は皆さんご存じ稀代のクソゲーBF2042を出しました。

恐らく世界中で好きな人はいないのではないのでしょうか。

もちろん私も嫌いです。

スッカスカのマップ。あまりにも弱いビークル。不愉快なレールガンなどのスナイパー。

好きになる理由がありませんね。

それと補足なのですがなぜ勝負をBF2042にしたのかについてですが、帰り際話しながら帰っている際にお互い持っている事を確認し合ってバチクソ文句言いまくってました。

それでさらに仲が深まったのでしょう。

やはり共通の敵は結束を深めますね。

それはそうとここまではプロローグみたいなものなので本編は次回から始まります。

感想、文句、異論反論、出してほしいゲームの要望などお待ちしております。

それではコンゴトモヨロシク。

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