エッセイ:18歳の春
わたしは大学進学を機に生まれ育った故郷の佐賀県を離れ、京都に行くことになる。私立女子大に進学することになっていたけれど、わたしと同じように地方から来ている友達も何人かいて地元の話で盛り上がった。京都・滋賀・大阪・奈良の実家から通う友達もいれば、鹿児島・福井・青森・静岡などさまざまな地方から来て1人暮らしや寮暮らしをしている友達もいる。そういうわけでいじめとは無縁だったし、みんながそれぞれ個性を尊重しながらのびのびと過ごしていたのだ。
そんな中でわたしは同じ佐賀出身のCちゃんと仲良くなる。育った場所はお互い違ったけれど、わたしの高校の同級生だったWちゃんがCちゃんの中学時代の同級生だったそうで世間の狭さに驚いた。
またわたしは福岡出身のMちゃんとも仲良くなったけれど、Mちゃんが所属するサークルにわたしの高校の同級生だったTくんーー他大学に行っているーーがいるらしく
「R大のTって知ってる?」
とMちゃんから聞かれたことがある。Tくんはクラスは違ったけど、わたしの高校の同級生だよ。わたしがそう言うと、やはりMちゃんは驚いていた。佐賀から京都に出てきても、意外と世間は狭いのだなとわたしも驚く。




