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エグゼキューター  作者: 結城 春
迷々編
11/24

化け物⑤

 幾度目かの剣の衝突。互いに力は互角、速さも互角、さっきからずっと拮抗状態が続いている。ならば、力も早さも差がないのならどうするか、何が勝敗を分けるのか。

 ぎりぎりと剣がこすれる音がする。

 奴になくて俺にあるもの、それは。

 技術だ。

 ライアは一度後ろに後退する。すると、逃がさないとばかりにアンデがまた距離を縮めてきた。

 目の前の敵を叩き潰さんと吸血鬼の剣がライアを襲う。だが、ライアはそれを最小限の動きで躱す。撃ち込まれた剣は、見事に地面を抉り刀身を埋めた。

 しめた!!

 間髪入れず、全力で吸血鬼の大剣を足で押さえつける。

 「———!!?」

 アンデは大剣を引き抜こうとするが抜けず、驚きを隠せぬままその大剣を握ったままだ。これでは身動きもとれまい。

 「しっ」

 水平に繰り出された会心の一撃。それは、吸血鬼の体を真っ二つに、

 しなかった。

 「なっ!!」

 驚愕。吸血鬼は剣を握っていない腕の血を固めて硬度を上げ、その腕でそのまま一撃を防いで見せたのだ。

 そうか、奴は吸血鬼だ。血の操作に長けた一族、血で攻撃を受け止めるくらいわけないか。

 だが、ここから何かできるわけでもあるまい。

 吸血鬼がにやりと笑った。まるでライアの考えを読み、嘲笑うように。

 突然、吸血鬼の背中から腕が二本生えてきた。それは容赦なく目の前の敵を潰しにかかる。

 ライアは少し後ろに下がり大剣を構えなおす間もなく腕をはじく。

 はじいてはじいてはじき返す。

 だんだんと腕の本数が増えていく、もはや大量の腕で前が見えない。

 「このままでは、また」

 「また、なんだい。英雄さん」

 うしろからこえがした。

 少し後ろに視線を移す。

 当たり前のように奴はいた。

 

 

 

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