file.final そのキラメキは生きるため
ついにライブ会場でも事件が起こった。被害者の霧月の周りを調べていくうちに寝具巻の方の事件は解決した。そして何か気づいた句崇刃はあるプロデューサーの元で大事な話を聞く…そしてこの事件の犯人は撮影会社社長の村生武永だったのだ!
句崇刃「村生さん、貴方が犯人だ!」
村生「…………」
ファン達「何故何も言おうとしないんだ?」
句崇刃「その点についても今からお話ししましょう、まずは犯行動機についてですが」
フラスコ「あぁ、それは気になるところだが…」
句崇刃「本当は探偵としてはこういうことはあまりいいたがないんだが元々殺すつもりじゃなかったんだろ?」
名織「…どういうことなのかしら」
句崇刃「ほんとは話し合いとかで解決しようとしたが被害者と言い合いになったんだろう、元々被害者の霧月さんも結構意固地な人だ」
針音「だから凶行に…じゃあなんで事件なんかに見せかけようと」
句崇刃「それは簡単だ、その問題ってのを止めるために何がなんでもライブを止める必要があったからだ」
鬼沙羅「ライブを止める必要…もしかしてその問題ってアイドル関係のことなの?」
句崇刃「あぁ…それでこの記事を見てほしい」
そしてドームのスクリーンに映し出された記事にはこう書いてあった
〜敏腕プロデューサー!若き芽を摘む〜
昨日アイドルプロデュースをしていた倉妻霧月が若きアイドルである村生武千夜に無理な指導とライブをさせていた結果、疲弊した武千夜さんが赤信号を渡ってしまい車と衝突し亡くなってしまった。この事件に対して霧月さんは「私の責任じゃないわ」と報道陣を一蹴してしまい、遺族からは本当に問題なかったのかを追求してほしいとの声が上がった。
ファン達「な、なんだよこれ」「こんなことがあったのか??」「あ、おい村生って」
句崇刃「一応聞いておくがこの武千夜さんはアンタの娘で間違いないな?」
村生「……………」
句崇刃「まあ答えてくれなくてもその話はあのプロデューサーから聞いたから間違いねえはずだ」
名織「確かに痛ましい事件ね…でもそれが今回とどう繋がるのかしら」
句崇刃「じゃあもしこのようなことは今も起こっていたとするならどうだ?」
鬼沙羅「え?それってもしかして…」
句崇刃「…………正直この記事の反応を見る限り反省をしているようには捉えられない、そうなると常習的でなくてもまた同じようなことが起こる可能性がある」
プロデューサー「あぁ…それがつい最近もあった、当然このことがあったから俺たちも口出しはしたが強引につっかえされたよ。元々霧月さんやそれを気に入ってる他の重鎮は稼ぎに目が眩むばかりでアイドルのことはあんまり大切にしてなくてな…更に霧月さんは元トップアイドルなこともあって自分に自信がありそれを押し付けてくる、それがときには指導を受けるアイドルにとっては苦痛にもなるさ」
針音「だから殺したっていうの…」
句崇刃「でもやっぱり最終手段だったんだろう、少し見ればすぐわかる事件だった。村生さん、アンタほんとは自分がやったと気づかせたかったんだろう?」
村生「……………」
句崇刃「霧月さんを吊り上げたワイヤーの端は残しっぱなしだし、自分が疑われるような時間を作って犯行をしているようにしか見えないスケジュールだったり…普通に刺し殺したかのような傷しかなかったしな」
鬼沙羅「つまりこの事件って刺し殺したあとに普通にカーテンの機器の力を使って吊り上げただけってこと?」
句崇刃「まあ、そうだなそれだけあれば十分ライブ中止に追い込めるだろうし」
村生「…まいりました、まさかそこまで調べ上げるとは」
針音「まいりましたってアンタねえ!」
句崇刃「やめろ、流石にいたたまれねえ」
針音「ひゃ、ひゃい…すみません(うぇ…推しに怒られちゃったぁ)」
句崇刃「それで?認めるってことでいいんだな?」
村生「あぁ…もともとは今霧月さんが担当してるアイドルから相談を受けたのが始まりだった…」
〜ここから回想〜
新人アイドル「それで結構厳しい追い込み?みたいになってるような気がして…」
村生「なるほど…わかった、こっちから掛け合ってみよう」
倉妻「…何言ってるのよ!あの子は今重要な時期なのよ、アイドルの旬は短い。今は無理をさせてでも実績を積ませるべきだわ!」
村生「…お前!そうやって何人のアイドルを使い潰してきたんだ!俺の娘だって!」
倉妻「…貴方はプロデューサーじゃないのよ!こっちにあまり踏み入らないでちょうだい、貴方の娘だって私の指導についてこれなかっただけ。貴方が口を挟むことじゃないわ!」
村生「何を言ってるんだ!言わせておけば…」
新人アイドル「!暴力はダメですよ!」
〜そして今日のライブの日〜
村生「その機材はここに置いてくれ…ん?」
その目線の先には倒れかけてる新人アイドルの姿が…
村生「お、おいどうしたんだ!監督者は何してる!!」
新人アイドル「えへへ…すみません手を借りるような真似を」
村生「何を言ってるんだ!こんな体調でライブに出せるわけないだろう!」
新人アイドル「でも霧月さんが頑張ってライブに私を入れてくれたので頑張らないと」
村生「でもその体調では…万全なパフォーマンスは…」
新人アイドル「大丈夫ですから…村生さんも見ててくださいね」
武千夜「大丈夫だから…父さんも私の勇姿を見ててくれ。」
村生「………!」
倉妻「ん?何よどうしたのよ、あの子のライブへの出演なら取りやめないわよ」
村生「……だ」
倉妻「ん?何よいきなりブツブツと」
村生「もうあんな悪夢はやめるべきなんだ」
倉妻「えっ!キャアァァァ!」
〜回想終わり〜
句崇刃「なるほど…よりにもよって娘さんと重なって見えたのか…」
村生「あぁ…このままだと前の同じことが起こる、変な確信だろうが当事者としてはな…」
針音「霧月さんも私達が思ってる以上に強情だったのね………あまり攻めれないわ」
鬼沙羅「でも周りに相談できなかったの?」
句崇刃「相手側もプロデューサーのトップだ、崩せなかったんだろうな…」
その時いきなり壇上に男が現れる!その手にはナイフが!
句崇刃「何!?クソ!」
その男は村生を刺そうとする!村生はそれを受け入れるが…
霧月の夫「何を庇ってるんだ!こいつは!」
句崇刃「手を出してえ気持ちはわかる…だが復讐の連鎖はここで断ち切らねえとならねえ!」
村生「句崇刃君…君は」
句崇刃「アンタにも思うところはあるんだろ!今の話を聞いて何もないわけないだろう!」
霧月の夫「うっ…それは」
句崇刃「こいつはちゃんと罪を償って帰ってくる…俺に免じて許してやってくれねえか」
霧月の夫「…しかし」
名織「彼で足りないというならヤクザである私からも約束させましょうか?」
霧月の夫「……そこまで言われちゃ引き下がるしかないな、止めてくれてありがとう。オッサン!ちゃんと反省してこいよな」
村生「………あぁ、こんなことになってすまなかった…泣」
句崇刃「一件落着したってことでいいかな…イテテ」
鬼沙羅「…全く何してるの句崇刃君は、刺しどころが悪かったらどうするつもりだったの?」
句崇刃「まあ、ある事情で頑丈になったからな、この程度の傷なら…」
鬼沙羅「貴方が良くても周りが心配するのよ!もっと少しは自分で自分の心配をしなさい!」
キサラに引っ叩かれる句崇刃
句崇刃「痛え!何するんだ」
鬼沙羅「動かないで」
そういったキサラはいつもの歌声とは違った美しく、荘厳な声を響かせる
ファンA「何だかわからないけど」
ファンB「癒される…」
ファンC「(涙を流す)」
句崇刃「うん…えっ、傷が!」
いつまにか傷が塞がっていた
鬼沙羅「これが私の超常似力、鬼情のローレライ。特殊な歌唱で傷を即座に癒したり、人に平穏を与えることができるって母は言ってたわ。」
句崇刃「なるほど、話したがらない理由も少しわかったよ…」
鬼沙羅「うぅん、もういいの。だって君が守ってくれるもんね!」
句 崇 刃 君!
句崇刃「………ッフフフッ」
鬼沙羅「ん?」
句崇刃「お前昔からほんとに異名つけるの下手くそだよなw」
鬼沙羅「えーーー!?かっこいいと思うのにな〜」
そして会場は笑いに包まれ、残りのライブも全て終わり…
フラスコ「いやー一時はどうなるかと思ったが何とか終わってよかったな」
名織「ほんとにね、みんなも警護ありがとう」
句崇刃「さて流石に疲れたから何か食べて帰るとするか」
針音「いいわね!寿司でもいかない?(きゃー!推しと寿司食べに行けるなんて明日の天気は槍かしら)」
鬼沙羅「…やっぱり気があるよね、ロキちゃん。もうアタックしたら?」
針音「ななな、何言ってるのよ〜!」
寝具巻「私は元々の事件の後処理があるので失礼しますね、句崇刃君とはいつか一緒に仕事してみたいものです」
句崇刃「そんときはよろしく頼むぜ、さて帰るか」
そう言ったとき木陰から一人の男が現れる
制作会社社長(以下社長)「全く…やってくれましたね」
フラスコ「貴方は制作会社の…もしかして俺を邪魔してたフェルヴェーレングは…」
社長「えぇ…私ですよ、わざわざ過激なファンに嘘情報を流し現場を恐怖に陥れる事件を起こしたのに、その事件はあの眠そうな探偵に即座に解決されライブも大成功を収めることに…」
句崇刃「アンタの目的は何なんだ?」
社長「貴方の命を組織に捧げよと言われてるのでね!覚悟!」
ナイフを抜くがその時…
???「あぁ、お前の役目はもう終わりだ」
いきなり現れた大男を中心にかなり強い強風が吹き荒れる
社長「あぎゃぎゃあああ!!!な、なんで…」
社長 絶命
句崇刃「アンタは…誰だ」
名織「…………!?よくものこのこと顔を出せたわね!!」
名織が全力で拳を振るうが風を流される
???「フン…未だに力に頼るか愚か者が」
大男は名織を吹き飛ばす
句崇刃「大丈夫か!?何なんだこいつ…」
名織「…その男は鷹矢凪譲疾……」
句崇刃「…?何を言い淀んでいるんだ」
名織「その男は……句崇刃君、貴方の実の父親よ…」
句崇刃「……は?」
鬼沙羅「えっ………」
鷹矢凪「俺に聞きたいことが沢山あるだろう…無限茎樹イストリアに来い、そこでフェルヴェーレング最高総司令としてお前を迎え討とう」
句崇刃「何!?」
鷹矢凪「ちなみにそこにはハイエンミュラーも影の追葬も来る…縁が深いものたちも連れてくるといい」
そういった鷹矢凪は風を吹かせ消えていった…
句崇刃「いきなり現れたと思ったら言いたいこと言うだけ言ってまた消えやがって!上等だ!決着つけてやるぜ!」
事件の犯人は撮影社長の村生武永だった。しかしその凶行は一人のアイドルを救うための行動であり、それを聞いた身はいたたまれない気持ちになる。そのとき被害者の夫が行った凶行を句崇刃が身を挺して止めることで復讐の連鎖を止めることができた。その後キサラのおもしろ発言もありつつライブは無事大成功に終わる。その帰り道にフェルヴェーレングの制作会社の社長が現れるがその場に現れたのは何とフェルヴェーレング最高総司令にして句崇刃の実の父である鷹矢凪譲疾だった…知りたいことがあるならイストリアに来いと言い、その場から消え去る。果たして句崇刃は親子関係とフェルヴェーレングとの決着をつけることができるのか!?
第四部 ミューメイル・シンドロームの舞台 fin
次回 最終部
to be continue…
鷹矢凪「早く俺に会いに来い…全ては…………のためだ………」




