file.5 アイドルの心を蝕む影端者
前回のあらすじ…
キサラとロキはライブの為の練習を開始した。休憩中に親睦を深めていると鉄パイプの妨害が入るが、名織さんのおかげでことなきを得る。そして様々な妨害がありつつもライブの開催をすることができた。譲れない想いを持ち、両者はライブで勝負をする。ライブは成功を収めるかと思ったが、ロキの最終番の曲の開始と共に死体が現れてしまう。この急に現れた事件を句崇刃は解決できるか!?
句崇刃「なるほど…死んでいたのはプロデューサー業界の重鎮と呼ばれている倉妻霧月さんか…キサラはこの方について何か知ってるか?」
鬼沙羅「うん、知ってるよ。元々超有名なアイドルだったんだけど怪我してからは自分の経験を活かしたアイドルプロデュースで輝かしい成績を残してる人だって。まあ結構圧が強い人だから結構恨みかってるみたいな話は聞くことあるけど…」
針音「自分のプロデュースに絶対の自信を持ってる人でしたものね…殺されるほどの人ではなかったとは言え誰かが恨みで殺したともいえないのが辛いとこですわ」
句崇刃「そうか…そういう場合だと関係者が殺したって話もあるしな」
名織「組員から状況聞いてきたわ、見張りを行ったゲートでは特に不審なことはなかったみたいよ」
フラスコ「こっちも事件時にどうしてたか上の方のやつらに聞いてみたけどライブ本編中に全員纏まって部屋にいたらしい」
句崇刃「そうか…そうなると関係者の中で犯行を起こせる時間はライブ開始前に限られるか」
フラスコ「やっぱり内部の犯行なんか?入場口には怪しいことはなかったんだろ?」
句崇刃「まあその可能性が高いだろうな、でもドームならすごい手間をかければ外から入ってきた人間にもできないこともない」
針音「マジですの……?それじゃそうだった場合はこの数の中から探すことになるんですの?」
句崇刃「まあライブに始まる前からドームに入って犯行に必要なものをどこかに隠さないと行けなくなる。まあそんな怪しい行動してればドームの監視カメラに映るだろうし、一応ドームの監視カメラを数日間確認すればわかることだろう」
名織「とりあえず業界関係者の犯行として捜査するの?」
句崇刃「そうだな…またなんかあったら俺に連絡してくれ、その都度考えてみるから」
〜そして事件現場へ〜
句崇刃「確かに霧月さんだな…容体的に殺されてかなり時間が経ってるな」
警察A「探偵さん!この紐が霧月の体の周りに…」
句崇刃「なんだこの紐…見たことないな…何!?これは」
警察B「どうかしましたか?」
句崇刃「このカーテンのレールの支点の方見に行きたいんだが…」
〜ドーム上部のカーテン近く〜
句崇刃「やっぱりここにも結び付けられている………このカーテンは電動式か?」
演出家「あぁ、流石にこの大きさを手動ではできないからな」
句崇刃「このワイヤーの耐荷重はどのくらいだ?」
演出家「ん?流石に私にはわからないが前他のアイドルの服が引っかかって釣り上げられてしまったから人一人ぐらいでは壊れたりしないと思うが…」
句崇刃「そうか…(電話をかける)フラスコ?今から確認して欲しいことがあるんだが」
フラスコ「なんだ?……なるほど、にしてもこの犯人…」
句崇刃「あぁ…何か事情がありそうだが、俺は探偵だ。ライブ妨害もされてるし許すわけにもいかねえ」
〜そしてキサラ達の元に戻ると〜
寝具巻「おや、帰ってきましたか」
句崇刃「そっちの事件は解決したのか?」
寝具巻「はい…どうやらアイドル本人と揉めていた男による凶行でした…」
針音「アイドル本人と!?!?一体どういうことなのよ」
寝具巻「どうやら元々金銭的トラブルに発展してストーカーのようになっていき、ついに我慢ならずって感じみたいです…」
鬼沙羅「なにそれ…そんな理由で?」
針音「当然だと思うけど鯨鱏の方に非はないのよね?」
寝具巻「そうですね…元々使った金を返せなどの身勝手極まりない言い分でしたし…」
針音「なんてほんとに身勝手なやつなのかしら!このライブを邪魔するやつもそうなのかしら」
句崇刃「ん?事件が終わったならここにくることも無かったのでは?」
寝具巻「なのでライブを見にきたのですが…」
鬼沙羅「え?本当!ありがとー!」
句崇刃「こんな顔だけどそんな冗談いう人じゃないぞ、理由があるんだろ」
寝具巻「失礼ですねぇ…そうなんですけど、それがその捕まえた男がフェルヴェーレングを名乗る男に唆されたと言ったこととアイドルに恨みを持つものは他にもいる…と意味深なことを言ったので気になってこっちに来たのですが…遅かったですね」
句崇刃「そっちもアイドルに恨みを持ってしまった人間の犯行だったか…」
フラスコ「聞いてきたぞ、どうやらライブ開始前で1人になれそうな人はうちの上司の直属の課長、今日のライブの機材を貸してくれたテレビ局の撮影所長、あとは小道具の設置や運搬をしてくれた制作会社の社長の3人みたいだ」
句崇刃「なるほど…名織さん、カメラと小道具の位置とあと今日のライブのリハーサルについて調べれそうか?」
名織「そのくらいならいけるわ!任せてちょうだい!」
句崇刃「俺はもうちょっと核心に迫るとするかな」
〜調べてもらってる間に話が聞けそうな人の元に〜
プロデューサー「む、君か事件は解決できそうかい?」
句崇刃「えぇ、貴方に話を聞けばあとは綺麗に解決して見せますよ」
プロデューサー「……何が聞きたいんだ」
句崇刃「この記事についてですよ、貴方なら何か知ってるんじゃないです?」
プロデューサー「長くなるぞ…」
〜そして秘密の話を聞き終わり〜
句崇刃「話聞いてきたぜー、そっちはどうだった?」
名織「なんとか全部わかったわ…カメラはここで、小道具はここに、そしてリハーサルにはフラスコ君のとこの課長さんだけは参加してなかったみたいだわ」
句崇刃「……決まりだな、犯人は………だ」
句崇刃が犯人とその動機、殺人方法を皆に伝える…
鬼沙羅「そんな…あんなに優しそうな人だったのに…」
針音「人ってわからないものね…あんな人でも歪みを持ってしまったら」
寝具巻「でも、それが強行的な行動ましてや殺人を起こしてしまった以上は…」
フラスコ「………なんとかならなかったのか?」
名織「いえ…もうきっとの時点は大きく超えてしまったのね。句崇刃君、決着をちゃんとつけましょう」
句崇刃「あぁ…かなしみの連鎖は俺が止めてこよう。そのあとは頼むぜ!キサラ!!ロキ!!」
鬼沙羅「うん!!この陰鬱な空気を吹き飛ばすくらいの最高の歌唱を見せてあげる!」
針音「このロキの最高の歌唱を特等席で見せるわ!倒れたりするんじゃないわよ?(あ…あぁぁぁぁ!!!推しが!私に全幅の信頼を置いてくれてる!!私!貴方様のために誠心誠意歌います!だから今日のライブが終わったら…)」
鬼沙羅「(邪なこと考えてるのかと思ったけどもしかして針音ちゃんも句崇刃君の魅力にタジタジになってるのかな?かわいいかも〜)」
〜そして句崇刃はライブステージに立つ〜
句崇刃「会場にお越しのファンの皆様方、お待たせして申し訳ありません」
ファンA「もしかして雷鬼ちゃんが言ってたら探偵さんか?」
ファンB「やだ…謙虚でかっこいいわ!」
ファンC「貴方のアイドル姿が見たいわ!貴方のアイドル姿を見せてちょうだい!!」
名織「春咲ちゃんが心配する理由、わかった気がするわ」
寝具巻「成程…こういう人を魅了する所作も流石上位の探偵事務所の探偵といったところでしょうか」
句崇刃「少し時間がかかってしまいましたが、無事に犯人特定したのでもう安心してください」
ファンD「時間がかかったって…まだ30分しか経ってないぞ!?」
ファンE「なんてすごい探偵なんだ…」
ファンF「今度目の保養も兼ねて依頼しに行こうかしら…」
句崇刃「さて、長引かせてはライブの余韻がなくなってしまいそうなので犯人の方には出てきてもらいましょうか?」
フラスコ「……やっぱりあの人なのか…?」
句崇刃「貴方が犯人なんですよね?今日のライブの撮影をしてくれている撮影会社の所長の村生武永さん?」
殺人事件の被害者は業界の重鎮の倉妻霧月だった。犯人は状況的にライブ関係者の中にいると当たりをつけ、更に3人まで絞ることができた。犯人の想いに気づいたが、事件である以上探偵として解決しなければならない。そして舞台に立つ句崇刃は犯人である撮影会社の所長の村生武永を引きづり出した。事件の真相と皆が感じた想いとは?
ミューメイル・シンドロームの舞台 file.finalに続く…
???「ここがライブ会場か…息子に会うのも何年振りか、あっちは覚えてないだろうがな…」




