file.4 目指すレッドカーペットはただ一つ
前回のあらすじ…
殺人事件が起き、キサラの安否を確かめた。
キサラは無事で句崇刃達は練習の中止にかこつけて安全策をとろうとしたが、キサラのライブを成功させるという固い決意の前に句崇刃達は覚悟を決めて継続の道を取った。
ドームライブは危うかったがキサラとしのぎを削る針音との対バンライブにすることでなんとかすることができた。
事件は寝具巻探偵が被害者の身元特定に困っていたがキサラの観察力もあり特定することができ、事件の解決は任せることになった。
句崇刃達は無事にライブを成功させることができるか…
針音「とりあえず今日は歌唱練習しましょう、基本の基本だしいくら今度のライブでライバルになるとしてもバトルっていうのは拮抗した白熱する状況を作り出すのは効果的よ。」
鬼沙羅「詳しいね針音ちゃん!頼もしいなぁ…」
針音「貴方も頑張るんですのよ!全く…まだまだ貴方は憧れの存在にはなれそうにはないですわね」
鬼沙羅「えぇ〜!?なんでいきなり貶されるの!?!?」
句崇刃「2人ともやる気みたいだしドームライブそのものは任せても大丈夫だろう…こっちはそれを妨害するやつがいないか特に気を引き締めていかないとな」
〜そしてライブまでの特訓が始まった〜
針音「鬼沙羅さん!2人でライブを回すんですから今まで以上に体力が必要なんですのよ!」
鬼紗羅「う〜、でもやるって決めたんだもんね!まだまだ頑張らなくちゃ」
針音「そうですわ!それでこそ私としのぎを削るアイドルというもの!!」
フラスコ「やっぱりこの2人ならきっとライブも成功するぜ」
句崇刃「やっぱり慎重派の相手だな、簡単に仕掛けてこないか」
〜練習が終わり休憩中〜
針音「まあでも、流石キサラさんですね。このまま練習を続ければ私たち2人だけでもライブするということも不可能ではありませんわ」
鬼沙羅「う〜ん、久しぶりにかなりがんばってるから疲れたよ〜。」
針音「全く…そんな気概ではライブではもちませんわよ?」
鬼沙羅「えへへ…でも針音ちゃんと一緒に練習するのは楽しいな」
針音「なっ、なにをいきなり小っ恥ずかしいこと言ってるんですの!?」
句崇刃「こういうところもキサラのいいところなんだぜ、これ休憩用に持ってきたからよかったら食べてくれ」
鬼沙羅「わーありがとう、句崇刃君。久しぶりに食べるなぁ…」
針音「ありがとうございます…(推しの!推しの作ったスイーツですって!?ほんとはこのまま保存したいくらいですけれども出された以上は食べるしかないですわね)」
鬼沙羅「………ッ!やっぱり凄く美味しい!探偵やめることになったらお菓子屋さん開けるよ!!」
針音「凄いですわ…このレベルなら人気行列店間違いなしですわよ(お菓子も作れるなんてなんですごいお人なんですの〜!)」
句崇刃「お気に召したようでなによりだ」
鬼沙羅「にしてもこんな美味しいお菓子とかどうして作ろうと思ったの〜?」
句崇刃「何言ってんだ、元はといえばキサラのためだったろうが…」
鬼沙羅「えっ!?私!?!?」
句崇刃「昔のお前は引っ込み思案が仇になってよくオヤツとか持ってかれてたじゃねーか、だから俺が作ってやってあげてたってのに…」
鬼沙羅「えっ!?知らないよ!!初耳だよ!!」
句崇刃「あ、そういや作ってるとこ見せたことないな…そりゃ知らないか。すまんすまん」
針音「仲がよろしいんですね、2人とも(キャー!幼馴染のためにお菓子を作ってあげるなんて…それってもう…もう!)」
鬼沙羅「でも、針音ちゃんにもそういう人がいるんじゃないの?」
針音「…いないわよ……いやいたけどもう会えるかどうかなんて」
ロキは悲しそうな顔で空を見つめている
鬼沙羅「あっ…ごめんねこんなこと聞いて」
針音「別に死んでないわよ、もう海外に行ったから会えないだろうってだけ」
句崇刃「連絡手段もないのか??」
針音「子供の頃の付き合いだったからないわね……そもそも私がやってるアイドル活動の目的の半分はその子に見てもらえるかもって淡い期待でやってるしね」
句崇刃「残り半分はなんなんだ?」
針音「金よ、アイドル辞めたら海外行ってその子探すわ」
鬼沙羅「えっ!?アイドルやめちゃうの!?でもそのくらい大事な幼馴染だったんだね」
針音「まあもしかしたらどこかで私を見てライブにきてくれる…とか思ってた頃もあったけど声をかけられたこともなかったしね」
句崇刃「海外に行ったって言ってたけど外国人ではないのか?」
針音「いや、外国人よ。日本にきてたけどどうしても国に帰らないといけなくなったらしくて結局それも何処なのか聞けなかったし…」
そんな話をしていた3人の頭上に鉄パイプの束が…!
鬼沙羅「キャアアア!!」
針音「う、あっ…避けられない」
句崇刃「休憩中にきやがったか…せめて2人だけでも」
しかし名織が全ての鉄パイプを持ち前の力で受け止める!
句崇刃「ありがとう名織さん、すまねえちょっと油断してた」
名織「いいのよこれくらい、それにこんなことする犯人のことをもうそろそろ許せそうにないわ」
そういうと鉄パイプがあらぬ方向に折れイソギンチャクみたいになった
鬼沙羅「やっぱり怒ってる時の名織さんだけは怖いよ〜」
針音「アイドル目指せるって話…やっぱなしですわ〜( ; ; )」
句崇刃「にしてもどうやって鉄パイプなんて…ん…?」
そこには倒れているカラスが何羽か点在していた
句崇刃「やはり動物を使う人間の仕業か…もしくはカラスだけなら多少やりやすくはあるが」
鬼沙羅「なんてひどい、動物はあなたの道具じゃないんですよ…犯人さん」
針音「どうやら敵はとんでもなく碌でもない人間みたいね、上等じゃないますます思い通りにさせちゃいけないわね」
句崇刃「そうだな…このままライブを中止させようっていうんなら俺達が守るまでだ」
針音「ええ、お願い致しますわ(えっ、俺が守るって推しに守られるの私!?やばいもう耐えられないかも…)」
鬼沙羅「………やっぱり針音ちゃんの句崇刃君への視線が怪しい気がする…」
〜そして様々な妨害もあったがライブ当日へ〜
針音「ついに今日まできたわね、このままこのライブで大成功を納めましょ!」
鬼沙羅「うん!2人で頑張ろうね!」
針音「…あのね、一応対決形式なのよ、そのような気持ちでライブするんじゃないわよ!」
鬼沙羅「わかってるよ、ねぇ…針音ちゃん。」
針音「…?なによ」
鬼沙羅「…勝つよ、私が」
針音「……言うじゃない」
鬼沙羅「それに私にはどうしても頑張ってるところを見せたい大事な人がいるもの」
針音「生憎、私にもこの姿を見てほしい大事だった人がいるわ。負けてあげるいわれ謂れなんてないわよ!」
鬼沙羅「…そうだね!いい勝負にしよう!針音ちゃん!」
針音「あなたももうロキって呼んでいいわよ!真剣勝負!負けても泣かないでよね!」
鬼沙羅「えっ?他の人に既に呼ばせてるの??どういうことかライブ終わったら問い詰めるからね!!」
針音「(やべっ、しくじっちまいましたわ〜)」
〜そしてライブが始まりを迎える〜
ロキ「♪纏え!この針のように連なる意志で何もかもを貫け〜!」
煌目「♩煌めく心は〜、全てを照らすための礎になり〜」
ロキ「♪たとえ〜鬼の如く、全てを壊しても〜その先に目指す未来があるから!」
煌目「♪どんな艱難辛苦に晒されても!心まで鬼にはなりたくない、それが平和のためだから!」
〜そしてライブも終盤に差し掛かる!〜
ロキ「(流石にすごい熱気ね、私が認めるアイドルなだけあるわ)」
ファンA「やっぱすげえな2人とも!こんなライブ見れて俺は幸せもんだ!」
ファンB「煌目ちゃんの活動はみたことなかったけどハマりそうだわ〜」
ファンC「ロキの歌もおっかないイメージあったけどそんなことないな!むしろ元気をもらえるぜ!」
ロキ「(もうすぐ最後の曲ね!最大の力を持ってファンを楽しませるわ)♪このせ…えっ、なにこれ?」
ロキに触れた赤い液体はロキの上から垂れているように見えた、その先には…
ファンD「うわぁぁぁ!?死体か…嘘だろ」
ファンE「演出か!?いやそんなことするわけねえよな」
ファンF「なんなのよこれ!?早くここから出してよ!」
ロキ「あっ…あぁ(そんな…せっかくファンを楽しませるために頑張ってきたのに逆効果だったの?)」
ロキは申し訳なさと恐怖でその場に立ってられなくなる…
鬼沙羅「大丈夫…?ロキちゃん」
ロキ「………ごめん、あんなに啖呵切ったのに情けないとこ見せて」
鬼沙羅「ううん…いいよ、針音ちゃん。だって私達友達でしょ?」
針音「…フフッ、ありがとねキサラ」
句崇刃「大丈夫か!?2人とも」
鬼沙羅「私は大丈夫!ロキちゃんを早く救護室に!」
名織「わかったわ!こっちに任せてちょうだい」
煌目「ファンのみなさん…こんなことになってごめんなさい。でも!ここには私が信頼する頼れる探偵がいます!すぐに事件解決してロキと一緒に最後の曲!歌わせてもらいますので楽しみにしててくださいね!」
その言葉にファンたちは平静を取り戻した。
句崇刃「てかそれって絶対俺のことだよな…はぁ…まあ可愛い幼馴染のために本気出して速攻解決しますか!」
針音と鬼沙羅は共にライブへの練習に励む、休憩中に句崇刃とともに親睦を深めるが、その途中に鉄パイプの妨害が入る。その後も妨害が入るがなんとかライブの開催にこぎつける。互いに譲れない想いを胸に対バンライブが始まり、終盤になるまではなんともなかったがロキの終盤曲の歌唱開始の時にドームの上部に死体が現れる、困惑の中、キサラの一声で平静を取り戻すファンと奮い立つ句崇刃。この突如現れた死体の事件を速やかに解決できるか!?
ミューメイル・シンドロームの舞台 file.5に続く…
???「………あぁ、今出る。久方ぶりに息子にあってこようとするところだ」




