file.3 そしてスタッカートのように急かされる
前回のあらすじ
新たにフラスコを加え3人で今度はキサラの帰宅中に不審なことがないかを警護した。最初はなんともなかったが家に近づくにつれ不審な視線が現れる。その正体は操られた動物であり、犯人は動物を操る似力を持つと考えられた。その日はなんともなかった次の日現場に行くとそこで殺人事件が…
句崇刃「キサラ!大丈夫か!!」
鬼沙羅「んん!ビックリしたー!どうしたの?」
名織「ちょっとこっちでも立て込むことが起きてね…」
鬼紗羅「そーなの?てかプロデューサーからメールきてる…今日の歌唱の練習は現場の事情で中止だって…どうしたんだろー?」
フラスコ「(おいどうするんだ?事件のこと伝えるのか?)」
句崇刃「(いや…流石に事件のことを明かすのはマズイ、うちが関われることでもないしな)」
名織「そう…中止になったのなら今後のことについて作戦でも立てておかない?」
句崇刃「そ、そうだな…帰宅中の一件が解決したとはいえ次に何があるか分からねえ、次の対策立てといて損はねえはずだ」
鬼紗羅「…ねえ、句崇刃君。何か隠してるでしょ?」
句崇刃「いや…そんなことは一つもない、断じて隠してることなんて」
鬼沙羅「嘘、いつもより語気が固くなってる。それにそんなに言い切るようなこともいつもはないのに」
句崇刃「……………」
鬼沙羅「ねえ教えて句崇刃君、私の周りで何が起こってるの?それともまだ巻き込むわけにはって思ってるの?」
句崇刃「……それは」
鬼沙羅「私、アイドルやってから成長してると思ってる。それともまだ私は君にとって幼い頃の私なの?」
句崇刃「……昔からドジで引っ込み思案で、でも譲らない所は絶対に譲らないのは昔から変わらないよな…」
名織「どうするか…心は決まったみたいね?」
句崇刃「そうだな…このまま練習などは継続しよう…それにキサラが意固地になる理由があるんだろう」
フラスコ「それってもしかして一週間後のドームライブのことか?」
鬼沙羅「そう…今ここで辞めたらきっとみんな悲しむから……私は一週間後にドームに立つわ」
句崇刃「とりあえずプロデューサーとやらに了解取りに行くとするか…それと名織さんは出せるだけの組員出してくれ、乗りかかった船なんだから嫌とは言わせねえ。俺の幼馴染を守ってくれ」
名織「そこまで言われちゃ本気出すしかないわね!お爺様にかけあってどのくらい人員出せるか聞いてくるわ!」
句崇刃「フラスコは…そういやフラスコってジランの弟なんだよな?戦闘とかできるのか?」
フラスコ「ん?まあある程度は教えてもらっているが…」
句崇刃「ならキサラの近くで守ってやってくれ、仮にもプロデューサーなら近くにいても怪しまれにくいだろ」
フラスコ「オマエも大概失礼なやつだな…まあ確かに気になることもあるし近くで守ることは了承するさ」
句崇刃「なんかあったのか?」
フラスコ「兄者は多分なにかあった時に親類にメッセージを送るようにしてたんだ、だからそれを知った俺は行動しようと思ってたんだが…」
句崇刃「なるほど、邪魔されたのか」
フラスコ「察しがいいな、その頃から急に仕事を勉強のためだとかなり多く割り振られるようになってな、それでなかなか行動を起こせなかったんだ。だからオマエと会えたのは奇跡に近いな」
句崇刃「まあ、そうだな。それで懸念してることは今所属している制作プロダクションかその上に邪魔しようとするやつ、もっといえばフェルヴェーレングがある可能性があることか」
フラスコ「そうだな、少なくとも直属の課長より上は全員今は信用できなくなったな…」
句崇刃「今キサラを見てるやつは大丈夫なのか?」
フラスコ「あぁ、今の上司なら多分大丈夫だ。俺に仕事を割り振るようなことはしてこないし、一応探りは入れてある」
句崇刃「ま、何かないように頼むぜ。とりあえず現場に向かうとするか」
〜みんなで現場に移動〜
プロデューサー「鬼沙羅!?どうしてここにきたんだ」
鬼沙羅「今度のドームライブ、絶対にやりましょう!このままいいようにされてたら駄目ですよ!」
プロデューサー「しかしなぁ、事件が起こった以上出てくるアイドルなんて流石にいるわけ…」
針音「そんなことはないわ」
鬼沙羅「針音ちゃん!来てたんだ!」
句崇刃「キサラ、このアイドルの方は?」
鬼沙羅「えへへ、この子は針音露鬼ちゃん。たまに一緒に練習したりするんだ」
フラスコ「実力派だし、鬼沙羅ともしのぎを削るくらいの人気性があるからありがたいことだが」
句崇刃「そうか…よろしく頼む」
針音「フン!鬼沙羅さんの幼馴染だかなんだか知りませんが気安く握手したりはしませんわよ」
句崇刃「…そうか失礼したな」
針音「(はわわ…折角推しが目の前にいるのに私はなんて態度を!?!?ごめんなさい麗しの探偵様……)」
針音は句崇刃の配信の激ファンだった(今回の件ではほぼ関係なし)
プロデューサー「うーん、まあ名織組の皆さんもかなりバックアップしてくれるそうだし新規気鋭の2人なら大丈夫か!俺も腹をくくるよ」
鬼沙羅「とりあえず私達2人で盛り上がるのはいいとして、構成の練り直ししないとね〜」
針音「それなんだけど、私達2人の対バンに今から変えない?勝負事になれば見にくる人がかなり増えるはずな気がするけど」
句崇刃「なるほど…流石は現役最高峰のアイドル、ファンの心理を掴むのが上手いな」
針音「(そんな褒めて下さるなんて……ッ!私感激です!!)」
鬼沙羅「むー、ロキちゃん私の幼馴染にそんなに気があるの?」
針音「ななな!何を言ってるんだお前は!どこを見てそんなふうに感じたんだ!(えぇー!?なんでバレてるの!?この子心でも読めるの??)」
句崇刃「まあ今度のドームのことは任せておいて良さそうだな。こっちは探偵として事件に向き合うか…」
〜事件現場へ〜
寝具巻「んん…zzz、おや句崇刃さんじゃないですか」
句崇刃「相変わらずいつも眠そうだな寝具巻さん」
この人は寝具巻袋羽、巷では寝梟の探偵として有名な人だ。眠そうな出立ちとは裏腹にかなりの事件を解決している
句崇刃「ほんとは手伝ってやりたいところだが一応まだ依頼中なんでね」
寝具巻「………zzz、ご存知しておりますよ。私としても許しがたいことです、アイドルのライブとなれば楽しみにしてる人は多いでしょう。」
句崇刃「そうだな…」
寝具巻「まあ本音は私もライブ見たいだけなんだけどね…zzz」
句崇刃「私利私欲じゃねえか…それはそれとして事件の方はどうだ?」
寝具巻「それが被害者の容体がかなり酷くてな…顔が剥ぎ取られてたり、身体にもかなり傷がつけられてる。犯人に相当な恨みがあったように私は感じられるな」
句崇刃「それは不味いな…もしライブの妨害のために捜査を遅らせようとしてるなら彼女達にも被害が出ないとは限らない…」
鬼沙羅「句崇刃君…ここが事件現場なの…?」
針音「まったく、厄介なことしてくれるわね」
句崇刃「お前ら!?なんでこっちに!?」
プロデューサー「すまん…事件が難航してるってポロッと漏らしたら、私達ならわかるかもって…」
句崇刃「…ったく、止めても聞かねえんだろ?でもすぐに体調が悪くなったりしたら見るのをやめるんだぞ」
針音「私を誰だと思ってるんですの」
鬼沙羅「昔みたいにはいかないよ」
〜そして3人は事件現場に〜
鬼紗羅「………ッ!なんでこんな酷いことを」
プロデューサー「ライブの妨害のためにここまでするってのかよ…」
針音「ウッ…オエ(あんな啖呵切っておいてこのままじゃ…)」
倒れ込もうとしてしまう針音だったが、句崇刃がその身体を支え、目を隠して介抱した
句崇刃「悪い、俺はこいつを休ませてくる。キサラは何かわかったらすぐここから離れてくれ。」
鬼沙羅「…うん、わかったよ」
〜事件現場から少し離れた休憩所〜
針音「あんだけ啖呵切って不様なとか見せてしまうなんて…(キャアア!推しの顔が近い!近い!)」
句崇刃「しばらく休んでろ、キサラがきっと手がかりを見つけてくるさ」
針音「幼馴染なんですってね、よほど信頼してるのね」
句崇刃「昔は頼りなかったんだがなぁ…いつの間にか強くなったもんだ」
針音「ふふ…もしかしたら身近にいた憧れの存在に追いつく為だったのかもね…そんな話レッスンの時してたことあったし。」
句崇刃「………まさか俺か?別に追いつかなくたっていってくれれば世話くらい焼いてやるのに…」
針音「そういう自分を変えたかったのよ、乙女心は複雑なのよ(自分が!?自分が守るって!?なんてできた幼馴染なのかしら!?ますますファンになったわ!)」
句崇刃「ライブまでキサラのことよろしく頼むな………」
針音「ロキでいいわよ、さっき会った時は冷たい態度とって悪かったわね。アンタこそキサラのことよろしく頼むよ(キャー!推しに認めてもらえた!!今日は世界最高の日だわ!!)」
鬼沙羅「なんだか仲良くなってるねー2人とも」
句崇刃「まあな…それで何かわかったことがあったか?」
鬼沙羅「うん…損傷は激しかったけど足を見たら気づいたよ…あの子は鯨鱏ちゃんだった」
句崇刃「鯨鱏…さん?」
針音「鯨鱏ちゃんは外国からきた私達と同じアイドルの子で結構激し目なファンサで有名だったんだけど、そんなことで殺人事件に発展するわけはないだろうしね」
鬼沙羅「とりあえず身元がわかったからあとは寝具巻さんが任せろって」
句崇刃「任せろって言ってるならこっちは次のライブまでの期間、全力でやろう!キサラ、ロキ絶対にライブを成功させような!」
鬼沙羅「うん!!」
針音「当然!誰に喧嘩売ったか後悔させてあげるわ」
鬼沙羅「って、え?いつのまにそんなに仲良くなってるの!?むむむ……」
ついに起きてしまった殺人事件、それはライブの妨害工作だと思われる。覚悟を決めたキサラと共にライブの成功を目指すことになり、誰も参加しないと思われる最中針音露鬼との対バンライブにすることで集客することにした。そして親睦を深めつつ事件の被害者が鯨鱏というアイドルであることがわかった。その事件を寝具巻探偵に任せ、句崇刃はライブの成功に尽力する……
ミャーメイル・シンドロームの舞台 file.4に続く…
???「次は………そうですね、一回脅しをかけましょうか」




