file.2 舞台の幕開けは血塗れに
前回のあらすじ
幼馴染のキサラに感じる不穏な視線を探るための依頼をされる、予定が立てられないポンコツ春咲に変わって名織 かなと一緒に撮影会での不審な動きを探ったところ、怪しい動きの正体は新人プロデューサーのフラスコ・リーベックだった。そしてそのままキサラの帰宅中を今度は護衛することに…
フラスコ「なるほど…兄者が言っていた句崇刃ってのはオマエのことだったか、無礼な態度を取ったことは謝るぜ」
句崇刃「はぁ…まあいいや、それにしてもあんま似つかないな…」
フラスコ「まあ兄者はいつも暗い感じだな!にしても兄者にしては珍しく人を頼るとはな、今は一緒にいるのか?」
句崇刃「その…いいにくいんだがジランは…もうこの世には」
フラスコ「…………………!そうか…兄者はフェルヴェーレングに対抗して死んでしまったのか」
句崇刃「そうだな…ジランの分までフェルヴェーレングをなんとかしないとな」
名織「にしても犯人の尻尾すら出てこないわね…かなりを超えた慎重派なのかしら」
フラスコ「にしてもこんな女の人連れて…危険な現場になるかもしれんのに」
句崇刃「だから連れてきたんだよ、まあついてきたって方がただしいのかもしれないがな」
名織「そうよ〜そんな軟弱じゃないから安心してちょうだい!」
そういうと名織さんは食べていた昼飯のゴミを馬鹿力で圧縮して塵にしてしまった
フラスコ「ひょっ」
句崇刃「名織さん…めんどくさいからってゴミをこの世から見えないようにしないでくれ…」
鬼沙羅「お疲れ様〜、今日は特におかしなことはなかったね。まあまだ帰宅中のこともあるけど…」
句崇刃「そういやキサラにも聞いとくが霊とか妖怪の類ってことはないよな?」
鬼沙羅「うん…私が感じるようなものはないと思うけどな〜」
フラスコ「つまりどういうことなんだ?犯人は人間ってことなのか?」
句崇刃「そういう似力を持った人間の可能性は高いだろうな」
名織「仕事中は特になんもなかったからよかったけど帰宅中の方が今の所危ないみたいだし気を引き締めていかないとね…」
フラスコ「それ、俺もついていっていいか?」
句崇刃「まあまだ聞きたいことあるししばらくは一緒に行動しててもいいか」
名織「とりあえずキサラちゃんが打ち合わせ終わって帰るまではどのような犯人が考えられるかもうちょっと話し合いましょ」
〜そして今日の仕事が終わり…〜
鬼沙羅「お疲れ様です、みなさん!ありがとうございました!」
フラスコ「それで、俺たちはちょっと遠くから見守るってことでいいのか?」
句崇刃「ほんとは少しでも危険があることは依頼者にさせるわけにはいかないと決めているんだがキサラがどうしてもっていうからな…早期に事件への手がかりを掴んで解決して周りを安心させて欲しいってきかなくってな」
名織「へ〜句崇刃って意外と身内に甘いんだ、私にはそんなことないのに」
句崇刃「名織さんはそういうのいらないだろ…むしろこっちが守ってもらいたいぐらいだ」
フラスコ「そろそろ帰宅しそうだぞ、こっちも動こう」
句崇刃「そういえば名織さんとこの人達はどうするんだ?」
名織「数人をキサラちゃんから少し離れたところの前後に半分に分けて見張らせてるわ」
句崇刃「みるからに怪しい人が通ろうとすれば流石に止められるか」
フラスコ「今から帰るみたいだ、俺たちも気を引き締めていこう」
〜帰宅中序盤〜
句崇刃「とりあえず持たせたインカムからも特に怪しいとかはまだきてないな」
フラスコ「二重に見張っているから前と違って慎重な相手なら何もしてこないかもな」
名織「まあ何があるのがわからないのが常だからね、こっちも慎重にいきましょう」
組員A「こちら前方の見張り、今ところ変な人間やことはありません」
組員B「こちら後方の見張り、こちらも不審なことはありません」
名織「報告ありがとう、このまま何もなければいいんだけどね…」
〜帰宅中中盤〜
鬼沙羅「句崇刃君…いつも感じるような不穏な視線を少し感じてきたかも…」
句崇刃「名織さん、両方の組員の人達に怪しいことがなかったか再度確認してくれ、フラスコはキサラの周りをよく注視してみてくれ」
フラスコ「お、おう!わかったぜ」
そして句崇刃は上を向いて空中を見る…
句崇刃「カラスが多いな…」
名織「組員から話は書いたけど怪しい人影や雰囲気はなかったそうよ…」
フラスコ「鬼沙羅の周りにも怪しいことは特になかったぜ!?」
句崇刃「なるほど…これは確かに難航しそうな感じだな…」
〜帰宅中終盤〜
鬼沙羅「句崇刃君!!やっぱり視線!強くなってるよ!どうすればいいの〜!?」
名織「それでもやっぱり組員から怪し気なことの報告はないわね…どういうことなのかしら」
フラスコ「やっぱり周りにも何も起きとらんぞ…どういう奇怪な現象なんだ…」
句崇刃「クソッ、このまま手がかりがないままじゃ」
句崇刃はもう一度空を見上げる、その時
句崇刃「ん?なんだあのカラス…??」
その一羽のカラスは普通のカラスと同じように見えて何故かその目線はキサラに向いている
名織「………!何か気づいたみたいね句崇刃君」
フラスコ「おぉ!流石兄者が目をかける探偵なだけはある、よろしく頼むぞ」
句崇刃「まあ任されたからには頑張らないとな、キサラにこれ以上危害を加えられるのに耐えられそうにもないしな…」
そういうとさっき見つけたカラスに向かって持ってきた麻酔ダーツをカラスに見えないよう跳弾で当てる
カラス「グワッ!」
カラスは気絶して地面に落ちてきた
鬼沙羅「んえ?不審な視線が一気に霧散したよ!?句崇刃君がやってくれたの??ありがとう!!」
名織「なるほどね…動物を使ってたってことなのかしら」
フラスコ「動物を操る似力かなんかで空から見てたってことなのかぁ!?」
句崇刃「まあ他の似力の応用の可能性もあるが、大まかにはそういうことだろうなと考えてる」
名織「でもこれで今日は安心して家に返せそうね」
〜そしてキサラの家に到着〜
鬼沙羅「今日はありがとうね〜、なんかこっちからできそうなことはある?」
句崇刃「………そうだな、不審な動きをする動物とかみたら気を付けてくれ」
鬼沙羅「…………?まあ、わかったよー。じゃあね句崇刃君!」
フラスコ「教えてよかったんかい?」
句崇刃「まあ教えておいて不利になることではないからな、当然伝えちゃいけないことは伝えずにこっちで処理するさ」
フラスコ「ほー、流石探偵だな」
句崇刃「かだんといい俺をなんだと思ってるんだほんとに…」
名織「フフッ…でもそういうふうに感じられるのが句崇刃君のいいところなんじゃないかしら」
句崇刃「どういう意味なんだ…」
〜そして次の日〜
フラスコ「こんなに早くくるんかい?」
句崇刃「犯人が次の手を打ってくる可能性は多いにあるしな」
名織「組員の警備も増やしておいたわ、前よりは身動きが取りにくいはず」
句崇刃「それよりお前は新人プロデューサーなのに仕事休んで大丈夫なのか?」
フラスコ「あぁ!しばらく有給取ったから大丈夫だぜ」
と今日の計画を立てようとしたその時…
カメラマン「あっ!?ウワァァァァァ!!なんで!なんでこんなこと!?」
3人が声のした方に向かうと、その現場にはアイドルと思わしい死体が……
名織「まさか殺人事件を!?それよりキサラちゃんは!?」
句崇刃「いや…ちゃんと朝大丈夫か確認してるし組員の護衛も付けさせてる」
フラスコ「それよりこの状況、どうすんだよ!」
句崇刃「とりあえずキサラの方に向かうぞ!こっちの事件の方は他の探偵に任せるしかなさそうだ、キサラになんかあったら依頼を受けた探偵として目も当てられねえからな!幼馴染としても!」
ジランの弟であるフラスコと出会い、次はキサラの帰宅中の警護をした。最初はなんともなかったが家に近づくにつれ不審な視線が襲いかかる、その正体が操られたカラスだと気づき無力化することで今日一日は安全にすごさせることができた。しかし翌日早めに向かった現場でまたも殺人事件が起こってしまう、この熾烈な状況からキサラを守ることはできるのか?
ミューメイル・シンドロームの舞台 file.3に続く…
???「クソ………あの探偵、やるな。次の手を考えなければ」




