file.1 アイドルの影を踏む異端者
空港での事件の犯人は身内の屋我利 屋の仕業だった…打ち倒すものの死に際に放った技によって影の追葬が現れる。追い詰められたが句崇刃が覚醒し、室伏の似力を活用して撃退することには成功した。
そうして無事に海外に送り出し、依頼を達成することになったのだ…
煌目「はい…最近誰かに尾けられてる気がするんです…」
句崇刃「…そうか、職業柄そういう輩がいてもおかしくはないな…」
室伏を送り届けてから早2ヶ月…仮事務所として使っている名織さんの事務所に今人気絶頂のアイドル煌目 雷鬼がいきなり来訪してきたのだ。
どうやら仕事が終わった後帰宅中に誰かに見られてるような視線を感じてどうしてもその犯人を突き止めて欲しいとのことだった。
句崇刃「まぁ、犯人探しはまさに探偵の仕事だから引き受けはするが…」
かだん「ん?どうしたんだ句崇刃さん」
句崇刃「なんだろうなぁ…もしかして昔会った事とかあります?」
煌目「………すごいね句崇刃君、そうだよ煌目ってのは芸名で本当の名前は鬼沙羅 叉鬼っていうの、覚えてる?」
句崇刃「あぁ!覚えてるさ、あの施設でよく一緒に遊んだもんな…まさか夢を叶えてるなんでな…やっぱ凄えぜキサラは」
鬼沙羅「そんなことないよ…句崇刃君こそ探偵としてみんなの役にたってるじゃん…」
からん「句崇刃さん、この方はどなたなんでしょうか?」
句崇刃「キサラは元々俺が春咲さんに拾われてからすぐに預けられた施設で仲良くなった幼馴染みたいなもんだ、まあ引っ込み思案だったからよく引っ張ってたりしてたこともあったな〜」
鬼沙羅「も〜恥ずかしいよその話は!今は一応アイドルやってるからある程度は改善したんだから!」
句崇刃「ははは、ごめんごめん。それでやっぱりストーカーの類みたいなもんなのか?」
鬼沙羅「ううん…それがこの視線を感じるやつになってからマネージャーや関係各所に協力してもらって怪しい人はある程度は摘発してるんだけど、それでも明らかに消えない不気味な感じが一つだけあるんだ…」
句崇刃「確かにそれは怖いな…まあ任せてくれ、探偵として事件は必ず解決するさ」
鬼沙羅「……よかったー(軽いため息)、句崇刃君になら安心して頼めるよ、よろしくね」
句崇刃「あぁ、今日は気をつけて帰れよ。名織さんとこからも護衛を出してもらうよう言っておいたから」
鬼沙羅「なにからなにまでありがとう、また今度ライブにきてね!」
〜そしてその日の夜〜
春咲「対策しても消えない自然や不気味な感じねぇ…わかりやすいのは私達のような妖怪関係の力の持ち主とかなんだろうけど」
句崇刃「いやでもそれだとキサラが気づかないってことがあるのかなって…」
春咲「そうね、あの子も妖怪のような気を感知できるものね」
かだん「そういうもんなのか?」
句崇刃「キサラは元々両親が両人共に妖怪系の似力を持っていて、その力がある程度子であるキサラに受け継がれてるんだ。珍しいことなんだけどな」
からん「それっていわゆる似力に相当するものなんでしょうか?」
春咲「いえ、そういう特性みたいなものだからそんなに強いものではないわ。だからキサラちゃんも多分他の似力持ってるはずよ」
句崇刃「でも恥ずかしいからなのか教えてくれないんだよな…」
名織「みんな、考え込んでるみたいね。」
句崇刃「まあな…妖怪関係じゃなければ特定するのはまずうちだと厳しいだろうな…」
名織「そうね…そういや春咲ちゃん、今度の探偵総会はいつなのかしら?もうすぐなんじゃないの?」
かだん「なんだそれ?大事な会なのか?」
句崇刃「まあ大事な会であるんだが、最近はあんまり集まりはよくないな、上位の事務所はよくやっかみされることあるしな。」
からん「なら行かなくてもよいんじゃないですか?」
名織「でも確か新しい子が入ったら顔見せもかねて出るんじゃなかったっけ?」
春咲「そうだったわね、それで総会はいつだったかしら…」
そこで春咲さんの顔が青冷める
かだん「えっ、どうしたんだ?」
春咲「みんなごめん…明日からだったわ」
え?は?(とんでもないものを見るような目)
三者三様の反応、そして…
名織「春咲ちゃん??何を言ってるのかしら?ちゃんと予定立ててなかったのかしら?」
名織さんが春咲さんの腕を固める
春咲「ギブギブ!ごめんなさいこの頃忙しくてつい…ここ数年出てなかったし…」
句崇刃「しゃあねえな、俺1人でもなんとかするしかねえか…」
名織「全くごめんね…そうだわ!」
かだん「ん?なんかいい案でも思いついたのか」
名織「私が手伝ってあげるわよ!ここ最近休息取る暇なかったし、たまには君の探偵としての仕事ぶりを見たいわ」
句崇刃「いいのか!?今回の依頼も半護衛みたいなところあるし、手伝ってくれるならありがたいことだが」
名織「さ、善は急げよ!これからどうするか話し合いましょ!!」
春咲「久しぶりね…あの子がはしゃいでるところ。句崇刃君を頼んだわよ」
〜そして次の日〜
鬼沙羅「句崇刃君〜、あれ?もしかして名織さん!?!?どうしたんですかこんなところで!?」
名織「予定管理のできないおバカさんの代打で来てあげたわよ!少なくとも不審者がなんであれ暴力ではもう加害されないから安心してね!」
本当に安心であると句崇刃は心の中で思った
名織「にしてもこんな可愛いキサラちゃんを怖がらせるなんて…犯人はどんな目にあっても構わないってことかしら?」
名織さんの発言に俺は愚か周りのプロデューサーや映像関係の皆さんの背筋までがドライアイスを入れられたごとく凍るのを感じた
句崇刃「とりあえず今日は雑誌用の撮影か、俺らは遠目で不審な奴がいないか見張っとくよ。キサラは煌目としていつも通りアイドル活動してくれ」
煌目「うん、わかったよ〜。ありがとね句崇刃君」
視線が痛い気がするが気のせいだろう、そうに決まっている
〜撮影会の開始〜
名織「はじまって数分たったけれども今のところ怪しい人影や存在はないわね」
句崇刃「そういう察知能力も昔に習得したのか?」
名織「まあね…あの頃は敵も多くて喧嘩してばっかりの毎日だったから…」
煌目「どうですか〜!ちゃんとうまいこと写真撮れてます?」
カメラマン「オッケーです!次はこういうポーズお願いします!」
句崇刃「このまま何事もなけりゃいいがな…」
〜撮影会の中盤〜
煌目「えへへ、大分撮影したんで休憩しましょう」
名織「おかしな動きは特にないわね、周りには組員のみんなに見張らせてるし」
句崇刃「まあもしかしたらこない可能性もあるしな、被害が大きいのは帰宅中だって話だしな…慎重派なのかもしれない」
その時句崇刃の目に奥の草むらがほんの少し揺れ動いたように見えた
名織「ん?どうしたの句崇刃君?」
句崇刃「あそこの草むらが揺れたような気がする、警戒してくれ」
〜そして撮影会も終盤となり〜
カメラマン「これで全部オッケーです!ありがとうございます」
煌目「はーい!可愛く撮ってくれてありがとうごさいまーす」
句崇刃「気にしすぎだったか…何事もなくて…」
その時さっき警戒していた草むらが大きく動いたのだ!
句崇刃「やっぱりなんかいやがったか!名織さん!」
名織「任せて!鬼翔波閥!」
名織さんが出したアホみたいな風圧で隠れていたやつは吹っ飛ばされて出てきた
フラスコ「いてて…もー!なにすんだよ!」
句崇刃「それはこっちのセリフだ!隠れてコソコソ何してやがる、お前が犯人なのか?」
プロデューサー「おい!何してるんだフラスコ!お前は事務所で待機してろって言ってたじゃねえか」
名織「知り合いなの?」
鬼沙羅「フラスコ君じゃん、こんなとこ来てどうしたの?」
フラスコ「怪しい視線に困ってるって言ってただろ、だから見張ってたんだ」
句崇刃「じゃあ隠れるなアホ!こっちに余計な疑惑ふやしてるだけじゃねえか!」
フラスコ「アホだと!このフラスコ・リーベックをバカにするのか!?」
句崇刃「リーベック…?お前もしかしてジラン・リーベックの言ってた弟か??」
フラスコ「何!?兄者を知っているのか?」
室伏を送り届けて2ヶ月後、今度は人気アイドルの煌目雷鬼が不穏な視線の犯人の追及を依頼してきた。句崇刃はそのアイドルを幼馴染の鬼紗羅叉鬼だと気づき依頼を受けた。下手を打った春咲さんの代わりに名織さんと共に張り込んだ撮影会で不穏な影を捕まえる、それは新人プロデューサーのフラスコ・リーベック、ジラン・リーベックの弟だった。事件はまだ始まったばかり…
ミューメイル・シンドロームの舞台 file.2に続く
???「次は…この子にしましょう…」




