表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冷徹宰相様の嫁探し  作者: 菱沼あゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/21

ともかく、確かめてみようっ


 マレーヌと王宮の廊下を歩きながら、アルベルトは思っていた。


 今まで会った娘の中で、この娘が一番良い、と思ったから、王子にお薦めしたのだが。


 王子にとって、この娘が好みでないのなら、私がこの娘を手に入れてもよいということなのか。


 いやいや、そんなはずはない、とアルベルトは思う。


 こんなに可愛らしく面白い娘を良いと思わぬ男などいない、と。


 アルベルトは良家の子女にあるまじき速さで自分とともに歩くマレーヌをチラと見た。


 顔もスタイルも雰囲気も笑顔も良い。


 申し分ないっ。


 うむっ。

 やはり、このような娘を良いと思わぬ男がこの世にいるわけもないっ、

と本人なりに冷静に分析し、結論づけた。


 マレーヌはその視線に気づき、早足で歩きながらも、ひっ、という顔をする。


 こいつは私が観察していると、いつもこういう顔をして怯えるが、何故なのだろうな、

と思うアルベルトはおのれの眼光の鋭さに気づいていなかった。


 まあだがしかし、この世には妙な趣味の男もいる。


 王子がその妙な趣味の男でないという保証はない。


 何故なら、今まで王子には浮いた噂がなかったから。どのような女性が好みなのか、皆目見当がつかないからだ。


 それで、世間一般の男たちがもっとも好みそうなマレーヌを選んでみたのだが、

とアルベルトは王子や従者や、マレーヌの兄たちまでも、いやいやいや、と手を振り否定してきそうなことを思っていた。


 もし、ルーベント公爵が聞いていたら、


「おかしな趣味なのはあなたの方では?

 その娘は良い血筋で美しいが、かなり変わっておりますぞ」

と言ってきていたことだろう。


 ともかく、アルベルトは、もしかしたら、マレーヌは王子の好みではないのかも、という淡い期待を抱きながら、王子がいるはずの執務室を訪ねてみた。 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ