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意外な当事者 

 

 集合時間が近づく中。



 僕は、全然、落ち着かず。

 また、公園内を、うろうろと、歩き回っていた。


 既に、来てくれている人たちは。

 いい人たちだけど。

 これから来る人たちも。

 いい人だとは限らないよな。

 怖い人とかだったら、どうしよう。


 会いたかったんだろ?

 どんな人が、来てくれても、受け入れないと。

 わざわざ、時間を割いて、来てくれるんだから。


 そうやって、むりやり、自分に言い聞かせる。

 でも、どんな人でも、受け入れられるほど。

 僕は立派じゃないし。


 情けないなぁ。

 全然、覚悟が足りないんだろうな。


 このままじゃ。

 既に来てくれている人にも。

 これから、来てくれる人にも。

 申し訳ない。


 そんなことを、頭の中で、ぐるぐると考えていると。

 入り口のほうから、声がした。


 「良かったー。 間に合った」


 小学生くらいの少年が。

 1人で走って来た。


 ここは公園で、今日は日曜日。

 遊びに来た子かな?

 なんて思っていたら。


 「ここは、“ハート……ミュージックの……集い”……ですか?」


 息を切らしながら、少年が言う。


 まさかの当事者だった。


 「あっ、はい。 そうですよ」


 驚きすぎて。

 慌てて、返事をしてしまう。


 「大丈夫? 一旦、座ろうか」


 そう言って、Aさんが少年を。

 今まで僕が座っていた、ベンチに座らせていた。


 僕は、小学生くらいの彼まで、当事者である。

 という事実に、動揺を隠せず。

 少年を、気遣う余裕なんて、なかった。


 本当に、情けない。

 こんな僕が、当事者を呼び出だしたりして。

 良かったのだろうか?



 そしてこの子も、僕と同じ体験をしたんだ。

 そう思うと、胸が苦しくなった。



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