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メモ用紙の内容

 


 そしてようやく。

 分太の手によって。

 優介から、手渡された、メモ用紙が。


 開かれた。


 そして、すかさず。

 メモ用紙の字を見る。


 もちろん、優介に聞かれないように。


 皆が、目で読んでいるらしく。

 一斉に、黙り込む。




 “皆さん。

 いつも、優介が、お世話になっております。


 今回、頑丈に固定された、メモ用紙を。

 わざわざ、開けてくださり。

 ありがとうございます。


 そして、本題である。

 優介が倒れた理由ですが。


 医師も、倒れた原因は。

 はっきりとは、分からないが。


 頭を押さえていた、とのことから。

 原因は、脳にあるとして。


 脳を調べたが。


 倒れる原因となるような。

 所見は見られなかったので。


 考えられることとして。


 あのときは、短時間で、急激に。

 脳に、かなりの圧がかかり。


 脳が、耐えられなくなり。

 倒れてしまったのかもしれない。


 その原因として。 

 皆さんが、証言したように。


 ショックな出来事を、思い出したときに。

 脳に強い圧が、かかることもある。


 それと。

 なにかを、思い出そうとしたときでも。

 急激に、脳に圧がかかることがある。


 このように、原因として。

 倒れる直前のことが。

 関係している、と思いますので。


 その、倒れる直前まで。

 話していた内容を、再び話すと。


 今回と同じように。

 優介は、倒れてしまうかもしれない。


 だから、今後は、優介の前では。


 倒れる原因となった、内容の話は。

 控えたほうがいい、とのことなので。


 皆さんも、そのつもりで。

 よろしくお願いします。 


 それから。

 医師として言えることは。


 ショックな出来事を、思い出したことによって。

 急激な圧が、脳内にかかったので。


 脳内の、記憶を管理している所で。

 支障が起きた可能性も、考えられます。


 なので。

 意識が戻った後で。

 記憶障害が、表れるかもしれません。


 それは、ショックな出来事を、思い出したことによって。

 覚えていることが。

 消えてしまうこともある、ということです。


 その程度や、確率は、分かりませんが。


 そういう可能性もあるとして。

 覚悟しておいてくださいと。


 医師から、説明がありました。


 それを聞いたときは、ショックでした。


 優介を必要としている人は。

 僕を含めて、多いのに。


 そんなことになったら、どうしようって。


 意識が戻るまで、不安でいっぱいでした。


 でも、その反面。 優介自身には。

 かなりの恐怖を与えることには、なりますが。


 こんな形とはいえ。

 ベッドに、くくりつけておくことで。


 ようやく、休ませてあげられる。

 そう思うと。 少し、嬉しくもありました。


 それで、意識が戻り。 記憶障害もなく。

 すぐに退院できると、医師から、告げられた時は。


 また、あの忙しい日々に、戻してしまうと思って。

 少し残念な気持ちになっていました。


 けど、警察の人たちに。

 捜査のため、全身くまなく、調べてくださいと言われ。


 本人は、かなり嫌そうでしたけど。

 すぐに、退院できずに。 

 内心、ホッとした自分がいました。


 あのときは、退院させないことで。

 忙しい日々に、戻らせずに、よかった。

 と思っていましたが。


 今、思えば。 全然、休ませてあげられなかった。

 それどころか。 むりをさせてしまったって。


 あのとき、医師が、止めてくれなかったら。

 優介は、かなり疲弊してしまい。

 心を壊していた、かもしれません。


 そこまで、我慢しなくても。

 優介本人が。 素直に、拒絶すれば。

 警察も、すぐにでも。

 中断してくれた、かもしれませんが。


 「皆の、無実を証明しないと!」


 そうやって。 自分を奮い立たせるために。

 優介が、頻繁に言っていたことから、察するに。


 優介は、それを理由に。

 警察に、脅されていたんじゃないかな。

 と思いました。


 優介が、倒れたと。

 知らせを聞いたときは。


 驚いたのは、もちろん。 

 不安と心配から。


 知り合いの、警察官に頼んで。

 搬送された病院の近くにいる、警察官と。

 合流し、同行しましたが。


 そのことが。 結果的に。

 優介と、皆さんを。

 苦しめてしまうことになるなんて。

 思いもしませんでした。


 僕自身は。

 脳に強い圧を、与えるほどの原因を作った。

 あなたたちを、許せない。


 そう思っていましたが。


 優介は、皆さんを。

 全く責めていなかった。


 いや。 それどころか。

 皆さんのために。

 頑張ろうとしていた。


 だから、そんな優介の、想いに。 

 応えようと思ったんです。


 それから、本人が見ないという。

 この機会に、書きますが。


 優介は、自分のことについて。

 ほとんど、話してくれないので。


 優介が倒れるまで。

 皆さんの存在を、知らなかったんです。


 それで、警察官から。

 皆さんと、優介の関係を、訊きましたが。


 その内容で。

 少し、矛盾することがありまして。

 

 そのことを、優介本人に、問いつめたら。

 理由を説明されて。 納得がいったはずなのに。


 いまひとつ、確信がもてずにいたんですけど。

 

 皆さんが。

 救急車を呼んでくれたことや。


 優介のことを、心から。

 心配してくれている。


 ということを、優介から聞いて。


 そんなに、悪い人たちではないのかも。

 そうも、思いまして。


 そんな、皆さんの期待にも。

 応えたいと思って。


 今回、この文を書くことで。

 ありのままを。

 皆さんに、伝えようと思いました。


 それから、皆さんと優介は。

 酒の席で出会ったそうですが。


 今後は、身体のこともありますし。 優介を。

 お酒の席には、誘わないでいただきたいです。


 優介は、自分の身体のことは、お構いなしに。

 誘われたら、断らない可能性が、ありますので。


 そこだけ。 どうぞ、よろしくお願い致します。


 長くなってしまい。

 開けるのも、大変だったかと、思いますが。


 優介や、僕の想いが。

 少しでも伝われば、幸いです。


 最後になりますが。


 今後とも、優介のことを。

 よろしくお願いいたします。



 優介の叔父より。”




 泰樹が、このメモ用紙を、切っていた時は。

 2つ折りの状態だったからか。

 気づかなかったけど。


 かなりの長文だったことに、驚いた。


 「やっぱり、あいつら。

  許さねぇ!」



 そして、秀寿さんが、まだ読んでいるのに。


 僕と同じぐらいに、読み終えたであろう、泰樹が。


 相変わらず、警察への怒りをもらす。


 そして、なんとなく。

 ベンチに座る、優介を見ると。


 腕を組んで。 下を向いていて。

 どうやら、眠っているようだった。


 叔父さんのメモにも、書いていたし。

 土日は、電話つながらないし。


 やはり、優介は。 

 忙しい人なのかもしれない。




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