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当事者 

 数日後ーー。


 かなり考えた末。

 ひとまず、神社に向かった。

 神様に報告しようと、思ったからだ。


 神社に着いて、前回と同じように、鐘を鳴らす。

 そして、神様に正直に、一部始終を報告する。


『神様。

 無事、心音さんに会うことが出来ました。

 ここまで、導いてくださり、ありがとうございます』


『なにか心情の変化はあったか?』


『それが……。

 僕の軽率な発言で、お母さんを傷つけてしまって。

 なんで。 あんなことを、言ってしまったんだろうと。

 後悔しているんです。


 近々、謝罪にも伺いたいと、思ってはいるんですが。

 また、余計なことを言って。

 怒らせてしまったら、どうしよう。

 と思って、怖いんです。 


 こんな自分が、情けなくも思うんですが。

 どうすればいいか、分からなくなってしまって。

 ……僕は、どうしたら良いと思いますか?』


『どうやら、報告に来た。

 というより、そちらがおものようだな。

 おぬしまさか、なにもかも、我に聞けば解決する。

 とでも思っているのか?』


『いえ、思っていません』


『自覚がないようだな』


『そうではありません。

 僕はただ、アドバイスを頂ければと……。

 あっ!』


 言ったそばから、神頼みしていることに気づく。


『ようやく気付いたか。……まぁ、いいだろう。

 困り果てていることだし、間接的に助けてやるとしよう』


『ありがとうございます!』


『実は、お主と同じ体験をした者が、他にも数人いるのだ。

 だからこれを機に、その者らと交流して。

 このけんを相談してみる。

 というのはどうだ?』


『僕以外にも、当事者がいたんですね!』


 僕は急に嬉しくなった。

 まさか当事者が他にもいた。

 なんて、思いもしなかったからだ。


『会いたいです。 すぐにでも!』


『ならば、われが特別に、手配してやろう』


『本当ですか!』


『だが、一定の条件を、クリアした者のみだ』


『一定の条件?』


『そうだ。

 こうして、我と会話が出来ているのも。

 お主が、一定の条件をクリアしたが、ゆえのこと。

 だから、他の当事者も、例外ではない。

 ということだ』


『なるほど。

 それで、その“一定の条件”というのは?』


『機密事項につき、教えられないことになっている』


『すみません』


『それに、教えると、クリアしようとするだろう。

 それでは、意味がない。

 これが、開示しない理由の1つ、でもある』


『なるほど。 そういうことなのですね』


『少し、話し過ぎたようだ。

 今のは、聞かなかったことにしてくれ!』


『分かりました』


 なんだか、申し訳ないな。

 僕が、質問しすぎたから。

 答えざるを得なかった、のかもしれないな。


 なんでもかんでも、聞けばいい。

 ってもんじゃないのに。

 今は、授業中じゃないのに。


 あれ?

 もしかしてこの、自問自答も聞こえてる?

 

『“決められた日時に、指定された場所へ集合する!”

 これが、交流の第一歩、となるであろう。

 だが、その日は、都合が悪くて行けない。

 となれば、二度と交流できないもの、だと思え。

 それは、他の当事者にも、言えることだがな』


『分かりました。

 その日は、予定を空けておきます!』


 それから神様はまた、特別案件として。

 日時と場所を指定し、教えてくれた。


『では、達者でな!』


「良い報告が出来るように、頑張ります!」


 返事はなくても、聞こえているはず。

 そんな思いから、声に出し、決意表明をしていた。


 それから、ゆっくりと目を開け、深々とお辞儀をする。

 そして、新しい青色の、お守りを買って。


 神社を出てから、前回と同じベンチに座り。

 日時と場所を、持参していたメモ帳に、記入した。


 指定された場所は、見知らぬ公園で。

 来週の日曜日の、午前10時に集合だった。


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