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変化する感情

 

 翌日の10時になり。



 僕は、約束通り。


 洸希君に、電話する。



 そして、一部始終を話す。



 『なるほど。

  昨日は、塾から帰ってきて。

  未読メールが、たまっていて。

  驚いたんですけど。


  内容を見たら。 

  泰樹さんのメールからで。

  急に、話が始まっていたので。


  いまいち、状況が、理解できなかったんですけど。

  皆さんは、僕の知らない、なにかを知っていて。

  会話している、っていうのは。 分かるんですけど。


  なんだか、僕だけ。

  取り残されてしまったような感じがして。

  ちょっと、ショックを受けたんです。


  でも、この前、僕だけ。

  集合できてないんだから。

  知らないことがあっても。 仕方ない。


  そうやって、自分に言い聞かせて。

  むりやり、納得しようと、していたんですけど。


  やっぱり、どうしても。

  気になって、納得できなくて。


  あのとき。

  状況を、教えてもらおう、と思って。

  メールしてみたんです。


  でも、ようやく、内容が明らかになって。

  スッキリしました。


  それより、優介さん。

  無事に回復が出来て、よかったですよね!』


 そっか。 

 優介からの、一斉送信メールの、一覧には。

 洸希君の名前が、なかった。


 だから、洸希君の携帯電話には。

 優介には、送っていないほうの。

 一斉送信メールしか、届いてなくて。


 最初のメールが。

 泰樹が、警戒している内容の、メールなんだ!


 だからやっぱり、優介からの、一斉送信メールは。

 洸希君には、届いていなかったんだな。


 それなら、状況が理解できないのも。

 無理はない。


 『うん。 そうだね』


 そして、洸希君が純粋に。

 優介の回復を、喜べていることに。

 少し、やきもちを焼いてしまう。


 素直になれなかった自分や。

 純粋な洸希君に。

 やきもちを焼いてしまう自分を、醜く思う。


 どうして、ただ純粋に。

 優介の回復を、喜べなかったんだろう?


 それを、1番に望んで、待っていたはずなのに。


 そして、純粋な洸希君と。

 醜い自分を比べて、後悔していた。


 『あのね。 洸希くん』


 『はい』


 『話、変わるんだけど。 

  僕、これから、君のこと。

  “こうき”って、呼んでもいいかな?』


 『えっ。 あっ。 

  はい。 

  もちろんです!』


 やはり、いきなりのことで。

 動揺しているな。


 『僕のことは、“ゆうた”でいいから。

  あっ。 ごめん。

  でも、強制は、ダメだったね。

  だから、こうきも、好きなように。

  呼んでね!』


 『はい! ありがとうございます。

  ……じゃあ、僕は、“ゆうたくん”。

  って呼んでも言いですか?』


 『もちろん。 よろしくね。 こうき!』


 『はい。 よろしくお願いします。

  ゆうたくん!』


 なんだか、この感じ。

 既視感があるなぁ……。


 これで、さらに。

 親しくなれた気がする。


 けど、やはり、いきなりは。

 驚かせたかもしれない。


 でも、とにかく今は、醜い自分を。

 認めたくなくて。

 むりやり、話題を変えてみた。


 今後の関係を、左右しかねないことを。

 こんな気持ちで、このタイミングで。

 切り出して、よかったのかは。 分からないが。


 僕だけ、洸希のことを。

 洸希君と、呼んでいるな。


 と思い、気にはなっていた。


 そして、時計を見て。

 約2時間、電話していたことに、気づく。


 『ごめんね。

  もうすぐ、お昼だね。


  お腹空いただろうし。

  そろそろ、切るね』


 『はい。 

  分かりやすく。

  状況を教えてくださり。


  ありがとうございました』


 『いえいえ。

  とんでもない。


  また、電話してきて、いいからね。』


 『はい。

  ありがとうございます』


 『じゃあ、またね』


 『はい。 また』


 そして、電話を、切った。




 それから、18時になり。


 ピロンッ!


 分太から、優介と僕に向けて。

 一斉送信メールが。

 送られてきた。


 『心音さん宅行くのって。

  来週だよな!

  お前ら、まさか。

  忘れたとは、言わせねぇぞ!


  いろいろあったが。

  このことだけは。

  忘れさせねぇからな。』


 という、内容だった。


 優介は、メールを見てないのか。

 返信がなかった。

 けど、よく考えたら。

 土日は、連絡つかない人だったな。

 と思う。


 そして、返信をする。


 『もちろん、忘れてないよ。

  それで、時間なんだけど。

  何時だったっけ?』


 『忘れてるじゃねーか!

  と、言いたいところだが。


  そこはまだ、決めてなかったな。


  けど、今までの、皆との集合も。

  10時だから。


  今回も、10時で。

  いいんじゃねぇのか?


  優介も、反対しねぇだろ』


 『そうだね。 そうしよう!

  10時に、何処に集合だっけ?』


 分太に、返信して。

 結局、日付以外、決まっていないことに気づく。


 『決まってるようで。

  ほぼ、なんにも、決まってねぇじゃねぇーか!』


 たしかに。


 この、分太の、つっこみメールは。

 その通りすぎて。

 共感してしまう。


 『たしかに。 そうだね。

  じゃあ、あとで。

  

  心音さんの家の住所、送るから。

  確認してくれる?』


 『了解!

  じゃあ、現地集合ってことだな。』


 『とりあえず、そのつもりで。

  もしまた、分からなければ。

  連絡してね。』


 3人での、一斉送信メールだが。

 優介が、土日は、連絡がつかないので。


 分太と僕の、1対1での、やりとりになっていた。

 けど、僕らのやりとりは。 


 もちろん、全部、優介の携帯電話にも。 

 届いているので。


 きっと、月曜日にも。

 確認して、返信してくれるだろう。


 だから、僕らは、そのことに。

 触れずに、黙認している。

 

 それぞれ、事情があるので、仕方がない。

 きっと、分太もそう、思っているはずだ。


 『おぉ。 分かった。

  とりあえず、住所、確認するわ!』


 『じゃあ。 送るね』


 それから、僕は。

 心音さんの住所を、書いたメモ用紙を探して。


 見つけて、すぐに。

 分太に、心音さんの住所を、送った。


 『じゃあ、場所、調べとくわ!』


 『よろしく。』


 『おぉ。 

  優介も、月曜の昼でいいから。

  返信、待ってるぞ!』


 『待ってるね!』


 分太との、一斉送信メールを終えて。



 月曜日の、授業の準備などをした。







 ーー月曜日の昼休憩になり。



 優介から、分太と僕との。

 3人の一斉送信メールに。

 返信がきた。


 『心音さん宅に、行くこと自体は。

  忘れてないよ。


  そして、2人のやりとりを。

  まとめると。

  今週の土曜日の10時に。

  心音さん宅に、現地集合ってことだよね。』


 そして、僕が、返信した。


 『そうだよ。

  場所、分かりそう?』


 『今から、調べてみるけど。

  提案してもいいかな?』


 今度は、分太が、返信していた。


 『あぁ。 どうした?』


 さっそく、優介から、返信がくる。


 『心音さん宅に。

  いきなり、3人で。

  

  押しかけるのは。

  迷惑になるだろうから。


  近くまでは、集合するけど。

  最初は、勇大だけで伺って。


  あとから、俺たちが。

  合流するほうがいいと思うんだけど。


  どうかな?』


 分太が、返信する。


 『いいけど。

  近くって、何処だよ。』


 そして、優介が、返信する。


 『そこは、勇大に。

  訊きたいんだけど。


  心音さん宅の近くに。

  一時的に、俺たちが。


  待機できるところが。

  あるかな?


  カフェとか、図書館とか。

  公園とか。』


 すかさず、僕が返信する。


 『公園がある!』


 そして、優介からも、返信がくる。


 『分かった。

  それなら、俺たちは、そこで。

  勇大の連絡があるまで、待機するから。


  状況みて。 よさそうな時に。

  連絡してね。』


 僕も返信する。


 『分かった。

  でも、公園までも。

  2人は、道が分からないだろうから。


  とりあえず、心音さん宅から。

  1番近い、駅に集合ってことにしない?』


 分太の返信がくる。


 『了解!

  じゃあ、10時に。

  駅に集合だな。』


 僕が返信する。


 『じゃあ、また。

  土曜日に!』


 分太の返信がくる。


 『おぉ。』


 そして最後に。

 優介が、メールを、送る。


 『またね。』


 そして、僕は。

 2人とのメールを終えて。


 いよいよ、心音さんのお母さんに。

 謝罪に伺う日が、近づいている。

 ということを、実感する。


 そして、今までの、2人との。

 打ち解けたやりとりとは、裏腹に。

 一気に、緊張していた。


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