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メールの送信者の正体

 


 仕事が終わり。


 携帯電話を見て。

 優介からきた。

 メールの内容を、確認すると。





『ハートミュージックの集い、ですか?』



 優介、本人だった。




 でも、なんで。

 敬語だったんだろう?


 いや、それ以前に。

 疑ってしまったことを。

 謝らないと。


 いやいや。

 その前に、回復したことを、喜ぶべき。


 というか、そう思っている時点で。

 素直に、喜べてない。


 優介は、分太が。

 送った直後に、返信してくれている。


 けど、対して。

 僕を初めとする皆は。


 やはり、僕と同じように。

 仕事などに、戻ったのか。

 誰も、返信していなかった。




 そして、20時になり。


 ピロンッ!


 メールの通知音が鳴る。



 すぐに、メールを確認すると。

 分太からの、一斉送信だった。


『夜分遅くに、悪いが。

 おれが、かしたから。

 今日中に、返信したほうがいい。

 と思って、送ったんだが……。


 優介。 本人、だったんだな!


 お前、紛らわしいこと。

 してんじゃねぇーよ!


 なんで、敬語だったんだよ。

 焦るだろ。


 まぁ。おれは、初めから。

 お前だと、分かっていたけどな!』


 なんだろう?

 間違っては、ないんだけど。


 やはり、分太の言い方は、鼻につく。




 ピロンッ!



 そして、優介の返信が。

 一斉送信で、きた。


『ごめんね。

 1回、敬語にしたら。


 タメ語に戻すタイミングが。

 分からなくなってしまって。


 でも、それが逆に。

 困惑させてしまったよね。』



 僕には、その気持ちが。

 よく、分かった。


 そして、分太の返信が、届く。


『それで、体調は、どうなんだよ。

 さっきも、言ったが。 


 おれたちは、そこを1番。

 気にしてんだからさ!』


 分太の文からは。 少しだけ。

 苛立いらだっている、という感じが。

 伝わってきた。


 優介の返信は、すぐにきた。


『おかげさまで。

 5日前に、退院できたよ。


 でも、今日の朝に。

 携帯電話が、返ってきたから。

 報告が、遅くなってしまったんだけど。』


 よかった!

 前と変わらず、ふつうに。

 会話が出来てるのを、見ると。


 記憶障害も、なさそうだし。

 無事に、退院できたんだ。


 僕が安心したら。


 分太からの、返信がきた。


『そうか。 

 なら、よかった!


 それで。 

 いつ、意識が戻ったんだ?


 もしかして、病院に警察官、来た直後。

 とかなら、お前が。

 おれたちの無実を、証明してくれたから。


 おれたちの容疑が、晴れたのかもな。

 とか、思っててさ。


 実は、気になってたんだよ。

 それで結局、どうなんだよ。』


 それに、優介が返信する。


『そこまで、期待されていて。

 言いづらいんだけど。


 倒れた日には。

 まだ、意識は戻ってなくて。


 意識が、戻ったのは。

 倒れてから、3日後なんだよね。


 それに、容疑が晴れたのは。

 俺のおかげじゃなくて。

 皆の実力だと思う。


 皆で協力して。

 無実を証明しようとした、からこそ。

 だと思うよ。』


『そうなんだな。

 3日後、かぁ。

 てっきり、あのとき。

 かと、思ってたわ。』


『なんか、ごめんね』


 それからしばらく。

 一斉送信メールなのに。


 優介と分太だけの、やりとりが続いた。


 このまま、2人だけのやりとりが。

 続くようなら。


 一斉送信じゃなく。

 2人だけの、メールのやりとりでも。

 いいのでは? と一瞬、思ったが。


 優介のことで。

 僕らが気になることを。

 分太が代表して。


 全部、優介に、まったく遠慮なく。

 訊いてくれるので。


 僕らも、やりとりはしてないが。

 気になっていたことが。

 明らかになっていくので。

 ありがたかった。


『待てよ。

 3日後に、意識戻って。

 倒れた1週間後に。

 退院したなら。


 退院するまでの、3日は。

 なにしてたんだよ。


 こういう場合。

 意識戻ったら。

 すぐに、退院なんじゃねぇのか?』


『意識戻ってから。

 退院までの、3日間は。


 警察に、事情聴取、されてた。』


『事情聴取、されてただけ……なのか?

 それなら、警察署でも。

 良さそうだけど。』


『移動する手間を、省いたんじゃないかな。』


『でも、なんか。

 引っかかるんだよな。』


『ごめん。 

 やっぱり、気になるよね。


 実は、事情聴取の後。

 警察官の指示で。


 全身くまなく、検査されて。

 調べられたんだ。


 とはいっても。 途中で、医師が。

 警察を説得してくれて。

 中止にしてもらったんだけど。


 ちょっとそれが、きつくて。

 事情聴取も含めて。

 心身共に、ダメージが強かったから。


 思い出したくなかったのと。

 皆に心配かけたくなくて。

 言えなかった。


 ごめんね。

 このことは、気にしなくていいから。


 皆も、あの日は、疲れただろうから。

 皆、疲れたってことで、いいんじゃないかな。


 それにもう、終わったことだから。


 それより、皆の無実、証明されたことが。

 大事だから。』


 言いたくないことを避けて。

 あえて言わないようにした。


 優介の文からは。

 それが、伝わってきた。


 なのに、分太が。

 容赦なく訊くので。

 答えざるを得なくなった。


 そんな、優介の。

 悲痛の叫びが、文字から。

 はっきりと、伝わってきた。


 と同時に、容赦なく。

 質問攻めにした、分太への。

 怒りが、込み上げてきた。


 すると、泰樹が返信した。


『分太。 なんでもかんでも。

 訊けばいいってもん、じゃないだろ!

 少しは、優介の気持ちを、考えろよな。』


 分太に怒ったのは。 僕だけでは、ないらしい。


『皆。 本当に、ごめんね。

 俺が濁したから。 分かりづらかっただろうけど。

 はっきり、言いたくないって。

 言うべきだったよね』


 自分のせいで。

 分太が責められたと、思ったのか。

 そんな分太を、優介が、庇う。


 そして、秀寿さんから、返信がきた。


『分太を責めても、なにも変わらんぞ。

 それに、分太も悪気はないんだからな。』


 たしかに。 そうかもしれない。

 でも……。


 そして、泰樹から、返信があり。

 そのメールを確認する。


『たしかに。

 標的は、分太じゃないよな。

 本気で、あいつら。 許さねぇ!』


 さらに。

 警察への、怒りが増したと、確信したら。


 分太からの、返信がきた。


『優介。 おれ。

 うかつだったわ。

 本当に、ごめん!

 申し訳ない。』


 優介が返信する。


『もともと、怒ってないから。

 大丈夫だよ。


 俺も、余計なこと考えずに。

 素直に、事実を言ってれば。


 こんなことに、ならなかった。

 かもしれないのに。 ごめんね。』


 そして、分太が、返事する。


『なんでお前が、謝ってんだよ。』


 仲直りできたみたいだ。

 といっても、そもそも。

 ケンカすら、してないのかもしれないけど。


 すると、今日は初の、洸希君から、メールがきた。


『今、塾から、帰ってきたんですけど。

 状況が、いまいち、理解できないんですけど。』


 洸希君のメールに。

 ようやく僕も。 返信する。


『分かった。 洸希君。 

 今からは、もう、遅いから。

 明日、電話するから。

 都合いい時間、教えてくれるかな?

 その時間は、僕だけのメールでいいからね』


 洸希君から、すぐに、返信がきた。


『分かりました』


 そして、個人メールに。


『10時に、お願いします。』


 と返信が来た。


 明日は、土曜日だ。

















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