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濃い1日

 


 それから、僕らは。

 警察署に連れていかれた。



 まずは、家族のこと。

 職業のことなどについても、訊かれた。



 そして、予定通り。

 優介との関係性を説明して。


 優介が、急に倒れて。

 救急車を呼んだことなども、話した。



 架空の設定を。

 事実のように、話すことに。 抵抗はあったが。


 無実を、証明するためには。

 手段は、選んでいられない。




 そして、僕らは。

 目の前に、警察官が、現れたときから。

 仲間同士では、全然、口をきいておらず。


 警察官のみとしか。

 会話をしていない。


 そのことについては。

 打ち合わせていないが。

 おそらく、皆が。

 怪しまれないように、尽力していたからだと思った。


 もしかしたら。

 1人1人が、設定を覚えるのに、必死で。

 話す余裕がなかっただけ、かもしれないが。


 情報交換していると、勘違いされたりして。

 怪しまれないようにするために。

 会話を控えたのだと。 僕は、信じている。


 そして、僕らはそのまま。

 全然、会話をすることなく。


 まるで、1人1人が。

 別の事件で、呼び出された者同士のように。

 見知らぬ、他人同士のようにしていて。


 たとえ、目が合ったとしても。

 お互い真顔のままで、表情を変えずに。


 知らん顔をして。

 素直に、皆が、警察の指示に従っていた。



 そして、事情聴取が終わり。


 僕は、容疑者にならずに。

 無事に、解放されたのだ。


 泰樹の考えた設定が。

 リアルだったおかげで。

 疑われずにすんだのかもしれない。


 それから、僕らは。 それぞれ、別々に帰った。

 いつもは、一緒に帰っている、秀寿さんと、泰樹も。

 今回は、別々に、帰っていた。


 というのも。

 事情聴取が、終わった人から。

 帰っていたからだ。


 それは。

 新たな、事件を生まないようにするための。

 警察側の、策略にも思えた。




 それから僕は、帰路についてからも。

 疑いは、晴れたが。 全然、気持ちは晴れず。


 皆も、無事に、解放されたのかな?

 怪しまれたり、疑われたり、していないかな?


 それと、結局。 

 優介の容体は、分からないままだったけど。

 今は、どうなっているんだろう?

 大丈夫なのかな?


 きっと、意識が戻ってから。

 大事おおごとになっていて。 

 驚くだろうな。


 そんなことを考えながら。 帰っていたので。

 電車の切符を、間違えて、買いそうになる。


 「あっ! 危ない。

  隣のボタンだった!」


 そして、電車に乗ってからも。



 今回のことを。

 洸希君に、報告したほうが、いいのかな?


 きっと、衝撃的で。

 ショックを受けるだろうなぁ。


 それに、小学生には。

 少し刺激が強い気がするし。


 どうしよう。 1人じゃ、答えがでない。

 あとで、皆に、訊いてみようかな?



 そんなことを、考えていて。


 乗り過ごしてしまいそうになる。


 「あっ! この駅だった。 降りないと」


 そして、電車を降りてから。 歩いて、家に帰りついたが。

 今日は、いつも以上に。 帰り道が、長く感じた。


 そして、玄関のドアを開けて。


 中に入り。 ドアを閉めてから。

 電気もつけず、靴も脱がずに。


 無事に帰れた、安心感と、疲労感から。

 その場に、うつ伏せで。

 まっすぐ、倒れる。


 「あぁーっ。 つかれたー」


 そして、顔だけ横に向けて、呟く。


 一気に、衝撃的なことばかり、起きすぎて。

 はっきりと、覚えていないこともあるけど。


 とにかく、無実が証明できて、よかった。

 皆も、無事、家に帰れてると、いいな。


 「でも、優介と、洸希君のことは。

  気になるなぁ」



 たった、1日だけのこと、だったのに。

 1週間分ぐらいのことだと、思えるほど。

 かなり濃い1日だったなぁ。


 そんなことを思っていると。



 ピロンッ!



 真っ暗な部屋に、メールの通知音が響く。


 その音に、促されるようにして。

 僕は、起き上がり。

 電気をつけて。 玄関のカギをかけて。


 部屋の中に、歩いて行きながら。

 携帯電話を見ると。


 泰樹からの、一斉送信メールが来ていた。



 そして、そのメール内容を、確認しながら。

 鞄を、カーペットの上に置き。

 ソファに腰かける。


 『夜分、遅くに。

  ごめんなさい。

  皆、無事に帰れましたか?


  病院で、言い忘れたけど。

  優介の携帯電話は。

  まだ警察が、預かっている、かもしれないから。


  優介には、しばらく。

  連絡しないほうが、いいかもしれない。


  だから、優介から。

  連絡がくるまで。

  待ってたほうが、いいかもしれない。』


 という、泰樹のメールに対して。


 『分かった。

  けど、心音さん宅への面会は。

  先延ばしになりそうだな。

  まぁ、仕方ないけど。』


 分太が、そう、送っていた。


 『優介のことだが。

  了解した。』


 そしてそのあとに。

 秀寿さんも、返信していた。



 そこで、僕も。

 気になっていることを。

 送ってみることにした。


 『優介のことについては。

  分かったんだけど。


  僕から、皆に。

  相談があるんだけど。


  洸希君には、今回のことを。

  報告したほうがいいのかな?


  洸希君は今回、来れなかったけど。

  次回、集合したときに。

  話が、噛み合わないってことのないように。

  報告したほうがいい。 とは思うだけど。


  正直に全部、話すのも。

  刺激が強そうで。 可哀想になるし。


  かといって。

  もし、洸希君が、優介に。

  連絡することがあれば。


  警察に、洸希君の存在を。

  明かしてしまうことに、なるかもしれない。


  そうなったら。

  現場にいなかった、洸希君も。

  事情聴取されるかもしれないし。


  どうしたらいいと思う?』



 僕が、一斉に送ってから。


 『心音さんへの、面会については。

  また、落ち着いてから。

  3人で、ゆっくり、話そう!』


 そうやって。 分太の、個人メールに、送ると。


 『そうだな。 

  とにかく今は、優介の回復を、待つとしよう!』


 そう、返信が来た。


 そして、一斉送信メールには。


 『小学生だからと考えたら。

  刺激、強いかもしれないけど。


  洸希も、当事者の1人だから。

  正直に、全部話したほうがいいと思う。』


 泰樹から、返信が来ていた。


 『我も、泰樹の意見に、賛成である。』


 そしてそのことに、秀寿さんも。

 返信していた。


 『やっぱり、そうだよね。

  明日にでも、僕から、洸希君に。

  優介の連絡のことも含めて。

  報告しておくね。』


 僕も、返信した。


 『了解!』


 『任せた!』


 『頼んだぞ!』


 それから。

 3人から、返信が来たことを。

 確認して。


 軽く、夕食をすませ。

 シャワー浴をして。


 眠りについた。




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