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自己紹介  

 

 僕は、老人の座る、ベンチの前に行き。


 「当事者が、揃いましたので。

  皆さん。 こちらに集合を、お願いします!」


 そのベンチの前に、皆を呼び寄せた。


 きつそうにしていた、老人を。

 立たせるのは、悪いかな、と思ったからだ。


 そして、皆が老人の座る、ベンチの前に集う。



 「本日はお忙しい中、お集りいただき。

  ありがとうございます。

  皆さん、ご存じの通り、呼び出したのは僕です。


  それで、お呼びした理由を、お話しする前に。

  まずは、自己紹介をしませんか?」


 「そうですね」


 「はい」


 「そうしましょう」


 Aさんを筆頭に。

 皆が、賛同してくれた。


 大分だいぶ、慣れてきたはずなのに。

 いざ、名乗るとなると。

 また、緊張してしまう。

 けど、ちゃんとしないとな!


 「では、僕から。

  勇大ユウタです!

  年齢は、23歳で。

  職業は、教師をしています。

  よろしくお願いします」


 そして、次は誰に振ったらいいか、分からず。

 きょろきょろしながら、困惑していると。


 「次は、おれがしますね」


 Bさんが、続いてくれた。


 「分太ブンタです。

  25歳で。

  今は、Webデザイナーをしています。

  よろしくお願いします」


 「では、次は僕が」


 そして、Aさんも続いてくれた。


 「優介ユウスケです。

  28歳で。

  システムエンジニアをしています。

  よろしくお願いします」


 やはり、思った通り、この2人は僕と同年代だった。


 「泰樹タイキです。

  20歳の大学生です。

  よろしくお願いします」


 続いて、茶髪の彼が。

 さらっと、躊躇ちゅちょなく言う。


 「あっ。 ……あのっ! 次、僕でもいいですか?」


 少年の一言で。 皆の視線が、老人に向けられる。


 老人は、ゆっくりと頷く。


 「洸希コウキと言います。

  10歳の、小学4年生です!

  ……あっ。 よろしくお願いします」


 かなり、緊張しているようだ。

 やはり、皆、緊張するんだな。


 「もしかして、ここまで。

  1人で来たの?」


 驚きながら。 優介さんが、訊く。

 おそらく、この場にいた皆が。

 気になっていたことだと思う。


 「……はい」


 「すごいね! 尊敬するなー」 


 泰樹さんが、褒める。


 確かに。 感心させられるなぁ。


 「残すは、われだけのようだな。

  本来なら、立ち上がるべきなのだろうが。

  倒れて。 おぬしらに、迷惑をかけるわけにもいかず。

  悪いが。 このまま、話させてもらうぞ」


 老人が、ベンチに腰かけたまま、言う。


 「もちろんです。 そのままで、大丈夫です」

  

 そして最後に、自己紹介をする。


 「秀寿ヒデトシと申す。

  85歳で。


  今は、家でのんびりと、暮らしておる。

  病み上がりでまだ、杖が手放せないが。


  代わり映えせん日常が、退屈な故に。

  どうしても。 若者と、交流したくてなぁ。


  身体の状態なんぞ、無視して。

  集合してしまった。 というわけなのだ」


 とはいえ、杖をついていて。

 歩くだけでも、大変だろうに。


 そんな状態でも、来てくれて嬉しいな。

 でも、なんだか申し訳ないな。


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