表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/304

O・HU・RO・⑤

混合水栓型蛇口の魔導具を完成させて、俺は庭のお風呂場完成予定地に戻る。

結構時間が掛かってしまったので陽は落ちきってはいないものの、空は橙の色が射し始めていた。


自室からパタパタと俺が出て行くのを見かけたのかは知らないが、お風呂場完成予定地に着く時には何やら見物人が午前中より増えていた。


「うおっ!?」

「朝には無かった建物がっ!?」

「ユーリがねっ!ぶわぁって魔法でやったんだよっ!」

「ユーリウス…凄いわね…」

「本当にね…」


ちょうど四人の異母兄姉が帰ってきたところで、庭の建物を見て驚いている。セイ兄は両手を大きく広げて説明している。

くっ…蛇口なんか作ってる場合じゃなかった。カメラ…カメラを創らなくてはっ!


「魔導具…出来たようじゃな…」

「さすがユーリウス様です」


義祖父さんとシーバスが言う。アンタら、俺が作ってる時は興味も示さなかったのに…。


ちなみにレイラ母さんもレイナを抱いてここに来ていたりする。セバスさん、メイさんと他の使用人たち少しいるがおい、エルディア…お前は夕飯の支度があるだろう。…戻れ。


「ちくしょおっ!」と喧しく叫びながら、エルディアは使用人二人に両脇を抱えられて本邸に連れ戻された。飯は大事だからな…。


さて、と…ぞろぞろとお風呂場入口に入っていくが、俺はストップをかける。


「ここで靴は脱ぐようにっ!」


午前中にいた義祖父さん、シーバス、セイ兄はすでに靴を脱いで入っていたが、他のメンバーは知らないので注意する。

そして建物内に入るのだが………狭いな。元々六畳間程度の広さしかないのだ。人数が多すぎる。

まあ、まだ棚とかも置いていないし…いいか。


「一日で作ったのかいっ!?」


とウチのパパンが合流。


「「「おかえりなさい」」」


とみんなで言ったあとにセイ兄が近くに寄って行き、先程と同じ説明をしていた。


「ユーリウス…こんな大きいモノを作るな」「言ったし、許可くれたじゃん」


と被せる。「そういえば出したね…許可…」と呟き、しまったなぁ…というような困り顔。


「父さん…」


「ん?」


「とりあえず、靴はそこまで。そこからは靴脱いで」


俺は土間を指差し、ダメ、土足!と注意をしておく。


「あ、ああ…分かったよ」


人口密度が増えてしまったが仕方ない。家長をないがしろにするワケにもいかないしね。ま、説明を何回もする手間が省けるし、ちょうど良いと言えばちょうど良かったか。


「…で、そこの靴を脱いだ土間から、この入口までが脱衣場になります。ここには棚を置いて、脱いだ服とか着替えが置けるようにする予定」


「「「へぇ…」」」

「「「ほぅ…」」」


お?思ったより悪くない反応だね。しかし本番はこの後だ。

俺は、まだ扉が無い浴室の入口へ足を向けた。


お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


【ポイント評価】【いいね】【ブックマーク】【感想】【レビュー】ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ