順調?
義祖父さんに『たとえ国が相手でもやる』と宣言した以上、俺の秘密を隠していても意味が無いと思うので、義祖父さんには話すことにした…あとシーバスにも。
まあ、そもそもバレても良いくらいな感じではあったのだが。
そしてシーバスを呼び、二人に話す。
「なるほど…それであの力…」
「転生者…そうじゃったか…」
荒唐無稽な話だよな…かと思いきや、二人は「納得っ!!」みたいな雰囲気。
まあ、考えたら転移者もしくは召喚された者などが確認されているのだ。異世界のことも転生についても、珍しくはあっても無い話ではないのだろう。
「では、あの天使の力は…?」
「おおっ、そうだ!アレは神の力の一端ではないのか?」
あぁ、そっから説明必要か…面倒だな…。
仕方ないのでソレに関しては教えたが、その他のスキルなどは黙秘した。
この二人がバラすとは思っていないが念のためである。
「まあ、そんなワケで俺個人に関してはほぼ問題無いんだ。だから護衛は家族を優先して欲しい」
ペコリ…と頭を下げる三歳児。端から見たら激しく勘違いされる絵面だが、それはそれとして、この件に関しては真摯にお願いする。
何故なら、日本人の時、勇者に転生した時、どちらも最後まで一緒にいられなかったから。
思ってもいなかった三度目の人生、強くてニューゲームしているのだ。必ず家族を守ってみせるし、家族と幸せに生きてやる!
頭を上げると二人に暖かい目で見られていた。おい、その目で見るのは止めてくださいこのやろう。や…止めろぉっ!!
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事情を話したからといって、二人の態度が変わらなかったのはありがたい。変わったことといえば朝夕に二人と戦闘訓練を行うようになったこと。
二、三日経過したら何故か義兄たちが交ざり始め、義姉たちが訓練を見守るようになった。
セイ兄が訓練に参加したそうにしているが、さすがに許可は出せない。その代わりシーバスに基礎訓練をしてもらうように頼んだ。
セイ兄はそれでも嬉しいのか、楽しそうに訓練を続けていた。
義祖父さん、シーバス、義兄たちとは近接戦闘を…義姉たちとは魔法の訓練を始めるようになった。
義祖父さんとシーバスを相手取る義兄たちは大変そうだが、日々近接戦闘の技術が上がっているのが見てとれる。
義姉たちには、先ずは魔力量を増やす訓練と基礎魔法の習熟度を上げることに専念。こちらも少しずつではあるが、自分でも成長が分かるのか嬉しそうに訓練を繰り返す。
グラム商会との取引、香辛料や乾物の取引なども順調に進み、手数料は低く設定したはずなのだが、結構な額がゼハールト家の収入となった。
米や味噌、醤油もゲットしてホクホクの俺だったが…やはり全てが順調とはいかないのか、問題は起こる。
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