望み!
「しかし凄いなユーリウスは…義母さんだけ気絶させて母さんを残すとは…」
「そうだね、それにこちら側への魔力放出は抑えているし…凄い魔力コントロールだ…」
義兄二人は俺がやっていることが分かっているようだ。
ということは義兄二人はある程度戦えるし、戦闘に関する知識やらなんやらもそれなりに有るのだろう。
しかし気絶したのが一人だけなのは偶々です、すみません。
「シーバスはB級冒険者の中でも実力的には中位…」
「ならユーリウスはB級上位か………それ以上…」
………えっ!?
あの執事でB級中位っ!?………………C級中位くらいかと思っていたんだけれど…。
前世から転生したこの世界…もしかして転生前の世界より全体のレベルが低い…のか?う~~~ん、後で義兄たちに教えてもらおうかな…。
さてさて…その辺りはまた後でにして、と…。
残っている一人の義母…おそらく第一夫人だろう、をどうするか…。
現状、顔を青くしてガクブルしているが、その目に諦めの色は見てとれない。プライドなのか、それともまだ隠し玉的な何か、があったりするのだろうか?
「な…」
お?何か喋る?
「何が望みなのです?」
何が望み…ときたか。そんなの…
「たいぐうのかいぜんをようきゅうするっ!」
俺は腕を組み、ガイナだ…げふんげふん、仁王立ちして言い放つ。俺の背中からは『どんっ!!』とか『バアアァァァンッ!!』とかオノマトペと一緒に爆発のエフェクトが出そうな勢いだ。
「た…待遇の改善…?」
「えっ!?マジでなんのこと?」みたいな顔してやがるな…ぶっ飛ばすぞこの野郎っ!という気持ちを抑えて夫人に話しかける。
「なんのことか分からない、って顔しているな…。ぶっ飛ばしてやりたいところだが…」
「ヒィッ!?」
全然抑えれてなかった…が、構わず俺は言葉を続けることにする。
「こどもがおやとはなれてくらすことがおかしいこと…とは思わないのか?」
「うぅっ…」
ギクリ、みたいな反応をする夫人。逆に義兄義姉たちはウンウンと大きく頷いている。…というか、その反応…どうやら『おかしい』とは思っているみたいだな…。
「まずは…俺たちかぞくがいっしょに住めるようにしてもらおう」
「そ、それは…」
「…んん?なんかつごう悪いこと………ある?」
「ヒィッ!?」
目を細め、軽く睨み付ける。…おっと、少し魔力放出もしてしまった。…まあ、いいや。
「あ、あとセバスさんとメイさんもいっしょにね」
俺が三歳になるまでしっかりと面倒を見てくれたのはこの二人だ…。その二人にはもちろんっ!と言って良いぐらいに待遇を良くして貰わないとな…。
さて…あとはどうしようかな…。
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