疑ってかかれっ!
俺が二度の転生を経て、三度目の人生を送っていることを明かし、そして彼女の…聖女の持つ『魔眼』が何故『作用』しないのか、の種明かしが始まる。
「三度目の人生…全部足したらおっさん、いや、もうおじいちゃんやないかいっ!?」
「その辺りは今はどうでもいいんですけどぉっ!?」
誰がおじいちゃんだっ!?誰がっ!?さすがの俺もツッコミを入れないワケにはいかず…
「…ふむ、ということは」
…ということは?今度は何を言うつもりだ?
「中身大人なのにおっぱいもらったり、オムツ替えてもらったりしてたっちゅうことやろ?」
「うぐっ!?」
そ、それは乳幼児の本能と生理現象だからっ!なんならもうお仕事だからっ!
「中身大人なのになぁ…ねえねえ、どんな気持ちでおっぱいもらってたん?どんな気持ちでオムツ替えられてたん?」
「うざっ!」
両の目をへの字にしてニヤニヤと聞いてくる聖女(笑)。うざい、うざ過ぎる!
「なあ…知っているか?」
「は?急に何?」
そのうざ過ぎる笑顔…
「とある世界の学園都市にはな…」
「ふんふん」
今から俺が…
「男子平等パンチというものがあってだな…」
「っ!?」
ぶっ壊す!
「ちょ、ちょお待って!?悪かった…ウチが悪かったから堪忍やで!ごめんて!」
俺が右拳を握り締めた瞬間に理解したのか、すぐに謝り倒す聖女(笑)。
というか、とある学園都市…で解るのか。
「ふん!すぐに謝る姿勢は良しとして、今回のところは見逃してやろう」
聖女(笑)様は胸を撫で下ろしつつ「ほっ………ん?さっきはウチが見逃してやったような気が…」とかぶつくさ言ってはいるが…そろそろ本題の本筋に戻るとしよう。
いつまでもネタにネタを被せて擦るのも面倒なだけだし…。
「話を戻そ」「そうそう、そっちの話や」
被せんな。
「ごめんて。もうええやん?そういうの。早よ本題に戻そ」
それは俺のセリフなんですけど?
「さっきの話やと『転生した日本人』ちゅーことには変わりないんやろ?それやとウチの魔眼が反応せえへんことの理由が分からんのやけど?」
だから、それをさっきから話そうとしているんですけれどね!
やっぱり…というか、もしかしなくても頭わr『ピクリ』…おっと、聖女の片眉が動いた?思考が読まれたか?拳握るの止めてね、ちゃんと話すから。
「『転生した日本人』というところは合ってはいるけど『日本からの転生者』かというと俺は当てはまらない…と言うのが正しい、かな」
「ん~~?………あっ、二度目は異世界から、ということ…で合っとる?」
「そう、だから魔眼は反応しなかった。『嘘』ではないから…」
「…そう言われると確かに『嘘』とはちゃうか…」
ふむふむ、とご納得したような感じの聖女。
あとは『嘘と本当に思っていない発言』にも気を付けるように注意を促す。コレは聖女のお付の人や仲の良い信者などの発言に気を付けな、って話だ。
「魔眼を信じ過ぎず、その発言の裏を取れってことやな」
そうそう。まあ、全部疑ってかかれっ!ってことではないから。その辺りは良い塩梅で…ってことで。
「その選別はなかなか難しそうやんなあ…」
少し困ったような表情をするも、今回の疑問が晴れたことにはスッキリしたような雰囲気。
「じゃ、用事は済んだ。ということで俺はこれで…」
「ちょっ、待ち待ち待ちぃっ!?全っ然用事済んでへんからっ!?なんなら、これからやからっ!?」
「えぇ………」
面倒だな…。俺はさっさと早く帰りたいんですがね…。
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