表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

296/304

いつものことで…

「兄ちゃん………自分、日本からの転移者…いや、転生者やろ?」





その聖女の質問に俺は息を呑む………ワケもなく。

「フッ…」とほくそ笑み一言。


「違いますけど」


さらりと応える。


「フッ、ウチの魔眼を甘く見とるんやないやろな?魔眼の力を舐め…全っ然反応してへんっ!?嘘やろぉっ!?」


ガクーン、と膝を着き「なんでやぁっ!?」と叫ぶ聖女。ドヤ顔からの落差が凄い。

ホントに騒がしい聖女様ですね。だから『聖女(笑)』と呼ばれるんだ。

あ、呼んでるの俺だけだわ。


「あ、ありえへん…パワハラやらセクハラやらコンプラやらの言葉を聞いて「うんうん」みたいな反応やったし、なんならリアクション言うてたのに…」


コンプラは口に出していないだろう?心を読むんじゃない。

しかし俺の反応や発言を見ている辺り、意外と周りが見えてんだな…。

しかし…


「用件はソレだけですか?なら私は国に戻りますので、ここで失礼しますね。聖・女・(笑)・様………ぷっ」


「カッチーン…今、ウチのこと笑たな。『聖女』のことは笑ても良えけどなっ、ウチを笑たのは許さへんっ!」


「普通逆なんですけどっ!?」


「フッ、やっぱりツッコミのキレは良えな。しかしウチを舐めたその態度はアカン。今そのにやけた(ツラ)ぁ撃ち貫いたるから覚悟しいっ!」


「怖ぇよっ!」


何だよ、撃ち貫くって。どこの分の悪い賭けが好きな少尉さんだよ。

…えっ?今は中尉?知らんがなっ!


「ふぅ………まあええわ。今は勘弁したる」


何で俺が勘弁される側なんですかねっ!?と思ったが声に出さずにおく。この応酬が続くと面倒だからな。


「で?………ホントのところはどうなん?」


「じゃあ種明かし、といこうか…聖女様」


聖女の困り顔と上目遣い、少しモジモジしたところがちょっと可愛い…と思うワケもなく、俺は種明かしを始める。

俺にはアイアリーゼさん、ミリアリーゼさんがいるからな。今さらちょっとした美女や美少女に靡いたりはしない。


「俺の魂的なモノは日本人だけれど、日本からの転移・転生というワケではない、ということだ」


「………んんん?どういうことや?全っ然分からへん」


ちょっと意地悪な言い方だったか?


「日本人の俺は死んで、異世界へと転生した」


「ふむふむ」



「そこでも俺は死んで、そしてもう一度転生した。『今の俺は異世界から異世界へ転生』した人生三度目の人間ってことだ」


「な、なんやてーーーっ!?」


ふむ、いつもならそのリアクションは百点だ。と言っているところだが今はちょっとシリアスパートでしょ?残念五十点です。


「点数はくれるんかいぃぃぃっ!?」


心読むの止めてね。


「いや…ニヤニヤしながら口に出してたで」


マジか…。なんならシリアス壊しているのは俺だったか。

「いつものことでごさいます」と心の中のシーバス。うるさい、黙らっしゃい。と一蹴して話の続きといこう。

お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


【ポイント評価】【いいね】【ブックマーク】【感想】【レビュー】ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ