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膝も…。

「実は『教皇派』筆頭の枢機卿のオッサンがな…」


…ぽつぽつと語り始める『聖女(笑)』。俺は彼女が狙われるその理由を息を飲んで耳を澄ます…。


「ほんっっっっっとぉぉおにっ、ムカつくオッサンでなっ!パワハラカスハラは当たり前っ!セクハラなんか息をするようにしよんねんっ!!」

「ぱわはら?かすはら?」

「せく…はら?」


いったい何処の言葉だ?と言わんばかり口ずさみ首を傾げる公爵と鬼仮面。

まあ聞いたことないよね?

俺も転生してからは俺の口から出る以外に聞いたことなんてないもの。


「当然、各方面から苦情が殺到や。その後始末にウチが駆り出されてソレを処理していくワケなんやけど…」


最初に言い淀んでいたのはなんなのか?と問いたくなるくらいにつらつらと文句を吐く『聖女(笑)』。

色々と文句が出てくるなか、最終的には自分のお尻をぺろーんと触られ、反射的にビンタ…ではなく、拳で連打。「ちょっと覚えとらんけれど膝もいれた」…らしい。………どこに膝をぶちかましたんだ、怖ぇよ…。


「あぁ、アレか?要するに嬢ちゃんに人気を奪われ、せく…はら?をして殴られた腹いせ…ってことで合ってるか?」

「そやね」


おお、大分端的にまとめましたね。さすが公爵…さす公。


というか、だ。今の理由で暗殺を企てるって、いろいろ終わってんだろ、その枢機卿。一旦、()っちゃっても良いんじゃないかな?いや、一旦どころか寧ろ、かな?


「下らぬ…()ってしまった方が良いのではないか?」

「サムライ殿…余計なことは言わんでもらっていいか?………気持ちはわかるが」


空気を読まない鬼仮面がさらりと言い放ち、公爵が止める。が、公爵も気持ちわかったらあかん。いや、俺もそう思ったけれども。なんなら推奨だけれども。


「いやぁ、さすがに角が立つやん?」


「いや、もうすでに立ちまくりだろうっ!?角が立つどころかトゲまで出とるわっ!!」


さすがに我慢出来ずに俺はツッコミを入れてしまう。

おいっ、「ナイスツッコミ!」じゃないよ『聖女(笑)』さん?



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



「理由…というか、原因がわかったんだから、もうその枢機卿潰して終わりで良いんじゃね?」


クアンタム王国(うち)としては『国教』の枢機卿だからな。…正直、ちょっと難しい、な…。ソレはエクシア王国(そっち)も同じだろう?」


「ああ、ソレはそうですね。…面倒が増えるだけか。なるほど、だから俺への依頼が『解決』ではなく『護衛』ということか…」


そうなると、その辺りの事情をギルドも国王サイドも知っていて俺に振ってきたか…。

ふむ、随分な面倒ごとを押し付けてくれたもんだ。


教会の『暗部』が動いている辺り、依頼の期間だけやり過ごして「はい、終わり」ってワケにもいかんだろうに…。


国王もアイアリーゼさんもその辺りを含めて、恐らくそうなるだろうとわかっていたはずだ。その上で俺か…。


ふむ、アイアリーゼさんはともかく、国王は許さん。元々王女絡みだったとは思うが、この件はしっかりと王妃にチクろげふんげふん…報告することにしよう。


「しかし…動機は分かったが証拠が無いんじゃあなぁ」


うーん…と考えこむ公爵。

確かに証拠らしい証拠がまるで無い。判明した動機も現状狙われている『聖女』本人の言、だけでは『認められない』ということもあるのではなかろうか。


この世界の身分差は『絶対』に等しい。俺のような『無理矢理通す』という考えの人もいるかもしれないが、ソレを力ずくで押し切る『力』を持った人はまあいないだろう。


そんなことを考えているとバチッと鬼仮面と目が合う。


………いるな、ここに。鬼仮面なら力ずくでもイケそうだな。


「何かね少年。今から私と()りたくなったかね?」


『ヤりたい』止めてね…。



お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


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