表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/304

分からない!

「どうなるんだ?………言ってみろ」


二人の夫人に対峙し、俺が放った言葉に、応接室の空気を再び緊張感が襲う。


「う…ぐ…」


夫人は俺に気圧されたのか口を紡ぐが、俺は容赦しないぞ?


「ん?どうした?言ってみろ…そう言っているだろ…」


俺は極上に極悪な笑顔を作り、そう言い放つ。


「くっ…良いのですか、そのような態度で…。私に逆らうということが、どういうことか分かっているのですか?」


「ん?だから…わからねえからぐたいてきに言えって。どういうことになるんだよ?」


そうそう…上だと思っている奴らは具体的に言わねえ時があるからなぁ。だから、それじゃ分かんねえってんだ。…と転生前、日本人の時の社畜時代を思い出しつつ、『具体的に言え』と詰めてみる。


「………分からないのですか?」


「そう言ってんだろ…ぐたいてきに言えよ」


この短いやり取りで「所詮三歳児…知識が足りなくて言っても分からないじゃないかしら?」とか思ったのだろう、夫人は口角を上げ話し始める。


「私に逆らうということはゼハールト家を敵に回すということです。ソレがどういうことになるか分かりませんか?」


「………だから?」


「貴方も…そこにいるセイリウスも…。別邸にいる母や妹、執事もメイドも!………どうなると思います?」


…まあ、そんな風に言うだろうとは思っていたけれど、清々しいほど自分の持つ権力を使おうとするね。

ただ、三歳児相手にソレは恥ずかしくないんですかね?


どちらにしても、だ…俺の家族に手を出すって発言は許さんし赦さん。

…で、俺がどうするかというと…だけど。


『威圧』すると気絶させちゃうかもしれないからソレは無し。

恐怖状態にするスキル『恐怖(フィアー)』は残念ながら持っていない。これがあれば楽だったんだけどな…。

…となると…だ。


魔力放出…かな。


『魔力感知』のスキルを持っていなくても膨大な魔力は感じることが出来る。

地球人にはスキルが無いと無理だけど、この魔力が存在する世界の住人なら誰もが感じ取れるだろう。


俺は体内を循環させていた魔力を解放…ついでに三対六枚の翼を広げる。

イメージはハイマットなモードになったフリーダムな奴だ。…いや、どちらかと言えば、粒子を発するOな奴か?


俺は放出した魔力を夫人たちの方にだけ向かうように操作し、翼は黄金色から虹色に輝くように変化させた。

そして…


「………う~ん、ちょっと何言ってるか分からないな………………………もう一回、言ってみろよ…」


笑顔を崩さず、そう言い放った…。


お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


【ポイント評価】【いいね】【ブックマーク】【感想】【レビュー】ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] どうせなら蝶のはねにして月光蝶でも
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ