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『器』

「異世界…」

「地球………軌道エレベーターうっ、頭が」


俺が地球での記憶を持った、かつ勇者としての記憶を持つ、二度の転生を経験している人間だと告げた後のミリアリーゼさんと公爵の反応である。


いやいや、軌道エレベーターの話なんかしてないから…。よくその言葉が出てきたな。え?マジでまさか?…なの?

いや、きっとただの神の悪戯だろう…。


「なるほど…異世界の、いや、地球での知識があの発想に繋がるワケか…」

「そして勇者…ね」


ちょっと公爵?何を何事も無かったように………いや、そこはツッコまない方が良いか…。恐らくツッコんだとしてもろくなことにはなるまい…。


それはともかく…俺の突拍子もない話を聞いて、引かれないのはありがたい。というより、寧ろ興味津々なのだろう…。

二人共が目を輝かせているように見える。


そして…


この後、約二時間に渡り、俺は質問責めである。

公爵はまだ良い…。だがミリアリーゼさんは、こと有るごとに近付いてきては、俺に囁き、接触し…と聞きだそうとしてくるのだ。

そしてシーバスの「ブレイクッ!離れて…ファイッ!!」と格闘技の審判張りの働きが無ければ、きっと俺はべらべらと喋っていたことだろう。

シーバス、ナイス!


「フフフ…残念」


と言いながらウインクしてくる辺り、全く堪えていないみたいだけれど…。恐ろしい…。


「旦那様、晩餐の準備が整いました」


と、ゼバスさん。いやいやゼバスさん、ずっとココにいたよねっ?…って、どうやら通信系の魔導具を持っているらしい。…が、ソレはこの公爵邸の敷地くらいの範囲内でしか使えない物らしい。

それでも大分便利だと思うんだが…。


「よぉし…じゃあ食堂に移動…する前に着替えるか。ユーリウス、もう正装じゃなくて良いぞ」


おっ?ソレは助かる。

公爵の言葉を受けて着替えるべく、ゼバスさんに連れられて再び先ほどの客室へ。

俺は、もうさっきのコーデで良いか…と着替え、すぐに食堂へと向かう。


食堂に入ると、公爵はベストを着ている。会った時の格好である。

ふむ…がっつりと軽薄さが増している。…が変に偉そうにされたりするワケではないし、俺としては公爵は好ましい人物である。


「シーバス…と言ったか。アンタも客だ、座って食事を楽しんでくれ」


器…が大きいのだろうな。


「よろしいのですか?」


シーバスはもちろん俺に聞いてくる。


公爵が言っているんだ。遠慮しないで座って、一緒に食べようぜ。


「………はい。では公爵、私も御一緒させていただきます」

「おう」


「あとはミリアリーゼ嬢だけだな…」


公爵がそう言うと、ノックと共に食堂の扉が開く。


現れたのはナイトドレスに身を包んだミリアリーゼさんだった…。

お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


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