クールに…
王都を散策して魔法具店に入ったら、シーバスの知り合いらしいノエルという美しいダークエルフさんと出会う。
どうやらシーバスが若い頃、冒険者として活動していた頃のパーティーメンバーだったらしい。
当時は強力な魔法を行使しながら前衛でも戦える魔法剣士として活動。メンバーの中で一番強く、またその容姿から『銀の魔剣妃』と唯一人二つ名が付けられるほどだったという。
なんかその二つ名だと魔剣持ってそうだな…。
「持ってないわよ」
「魔剣は持っていませんでしたね」
じゃあなんで、その二つ名にしたしっ!?
「さあ?」
「人間の付けた二つ名なんて知らないわ」
そりゃそうなんでしょうけど…。
「それより………シーバスは本当に久しぶりね。パーティーが解散した時以来かしら?」
「そうですね。貴女の話は噂程度にヴァーチェまで届いていましたよ…」
「今は冒険者活動はしていないけれどね…」
「そのようですね。まさか王都で再会するとは私も思っていませんでした」
「私も思ってなかったわよ。それに貴方のそんな言葉使いが聞けるとは思っていなかったわ」
「ふっ…今のお仕事ですからね」
ぬう………なんか疎外感が凄いっ!?ノエルさん、もっと俺ともお話してっ!
 
とは言っても何十年振り?のパーティーメンバーとの再会…それも致し方なし、か…。俺は気を利かせるべく「ユーリウス=フォン=ゼハールトはクールに去るぜ…」とソッと店を「何出て行こうとしているんですユーリウス様?」………あれ?
いや、お邪魔かな…と思って?
「変な気は使わなくて結構です」
「いらない気遣いね…」
………俺の気遣い台無しである。
「フフフ…面白い子ねシーバス。彼が?」
「はい、今の仕事での…いえ、今の主です」
そう言ったあと、ジッと俺を見る…いやコレは『視』ている?
「なるほど…」
なるほどっ!?一体何がっ!?
「シーバス…貴方、本当に面白い子に仕えているわね」
「わかりますか?」
な、なんだろう…『隠蔽』と『偽装』が効いているはずなんだけど、一体何を視られたのだろうか?…あとシーバスのドヤ顔がちょっとウザい。
「ユーリウス君…だったかしら。貴方…精霊に凄く好かれているわね」
精霊?
「そう、精霊。普通の人間には視えないわよ、視ることが出来るのはエルフ種の中でも『精霊視』というスキル持ちだけ…」
「彼女はその珍しいスキル持ちなのですよ。まあ、私たちには本当に視えているのか調べようが無いのですが…」
な、なるほど?
 
初めて聞くスキルに、新たに追加された俺の属性?な、何かまたフラグでも建ったの?
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