表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/304

光の翼!

『三歳児が戦闘』…字面だけでなく、明らかにおかしいと言わざるを得ないこの行為。

しかし、セイ兄や母さんの状況を見るに、戦闘は避けられないだろうと予想…いや、ほぼ確信していた俺は『如何に戦闘を誤魔化すのか』ではなく『三歳児が戦闘しても、ソレならしょうがないよね』の状況を作り出すこと、を考えた。


しかし、それは困難を極めた。

当たり前である、たとえどんな状況でも『三歳児が戦闘しても、しょうがない』というようなことは基本あるワケがない。…というかそもそも三歳児は戦わない。


そう、普通の三歳児は戦わないのである。…まあ、普通じゃなくても戦わないとは思うが。

いやいや、諦めちゃダメだ。俺は()()を何とかしなくてはならない。


()()は家族の為であり、俺の為でもあるのだから。


だが、いくら考えたところで良案がポンッと思い浮かぶワケもなく、俺は苦悩を重ねる。

…ホントだよ?最悪「力ずくでも良いか…」とか思ってないよ?…ちょっとだけしか。


そして手持ちのスキルで何かないか、何か出来ないか、と探していた時…俺はソレを見つけた。


エクストラスキル『自由の翼(ウイングフリーダム)


このスキルにはパッシブで補正の効果とアクティブで『翼を顕現する能力』が備わっていた。

最初にスキルの確認をした時には、こんな厨二な能力は見なかったことにしよう…と目を逸らしていたのだが、この能力が状況を、問題を解決させたのである。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


「ユーリ…に翼?」

「これは…一体…?」


セイ兄が目を丸くし、女性の一人が驚いたように言う。


「初めて会う弟に翼が生えているんだが?」

「生えてるね…」

「うちの弟が天使のようなんだけれど…?」

「まあ…そうね、光ってるわね…翼が…」


兄姉は冷静にコメントをしているように見えるが、混乱の色は隠せない。


「………………」


ただ一人…冷静なのか、それとも言葉を失しているのか…シーバスだけは無言で、かつその冷徹な瞳を俺から逸らさない。


俺はというと、背中から三対六枚の翼を生やし、ソレを広げている状態である。

イメージはフリーダムガンげふんげふん…大天使の中でも上位の存在『熾天使(セラフ)』。


俺は翼を光魔法で黄金色に見えるように光らせ、『天使』を演出。途中、『天使の輪』も魔法で創ろうか考えたが、さすがに恥ずかし過ぎると思い止めた。

もちろん六対十二枚の翼にするのも考えたのだが、厨二が過ぎるだろうと断念したのは言うまでもない。


こうして俺はスキル内スキルを使用して自らを『天使化』、まあ、そう見せているだけなのだが…。この『天使化』により『三歳児でも天使なら戦えても問題ないよね?計画』の立案から完成を見たワケだ。


さて、これで俺の戦闘準備は完了。言い訳は後でテキトーにするとして…。

未だ、その冷たい視線を変えず、俺の前にいる男シーバス…コイツをどうしてやろうか…。



お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


【ポイント評価】【いいね】【ブックマーク】【感想】【レビュー】などなど、よければお好きなものをお一つでも!ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ