表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

206/304

VS伯爵級魔人⑥

「我が最大最強の一撃…受けてみろ」


数年前に聞いたことがあるような台詞だな…主に長兄とかから…。

そんなことを思いつつ魔人を見やる。


右手に集束した魔力…ただただ全開で攻めてくるだけの野郎かと思ったが、魔力を集束する辺り多少は技術面も鍛えたのだろう。防御技術は全然無かったけれど…。


さてさてこの攻撃…どうするかな、と思考を加速させて考える。


1、受け止める→結界内が滅茶苦茶になりそう。

2、跳ね返す→やっぱり結界内が滅茶苦茶になりそう。

3、人的被害が無いように弾き飛ばす&その方向の結界解除→謁見の間だけならずその先の城の一部がエライことになりそう。

4、撃たれる前に撃つ→集束した魔力が暴発、結界内ががが…。


あ、アカン…詰んでる。


こ、ここは撃たれる前に結界を解除して魔人を吹き飛ばすべきか…?いや、ソレでもすぐに暴発しそうだな…。

ど、どどど、どうすれば…。


そしてその時…『並列思考』の俺が語り掛けてくる。


「受け止めた時に魔力弾を結界で覆えば良いんじゃね?」


それだっ!!


方針が決まったところで「さあ、来いっ!」と待ち構える。

ちなみに魔人の最後の攻撃で魔力を高めているのが分かるのか、周りのオッサンたちはビビり散らしていたりする。

国王は目の前でシーバスが防御体制を取っているからか微動だにせず、こちらを見守っているようだ。


何か国王のシーバスへの評価がやたら高いような気がするのは気のせいだろうか…。


そして…


「喰らええぇっ!魔人砲っ!!」


『ズドンッ!!』と一メートルほどの黒紫の塊が魔人の右手から放たれる。『ズゴゴゴゴ…』と触れてもいないのに謁見の間の床を削りながら、一直線に俺に向かってきた。


俺は両掌に魔力を纏わせ、『ズンッ』と魔力弾を受け止めた。『刻を視る者(ニュータイプ)』により高まった空間認識能力で魔力弾の周りの空間を把握。即座に結界を発動、魔力弾を覆う。


………って、手ええっ!?俺の手が接触してるから、そこだけ結界に覆われていないんですけどぉっ!?と言っても既に後の祭り…。

ええぃっ、仕方ない…このまま結界内で爆発させるしかない…。

…い、嫌過ぎる。


俺は接触している掌から誘爆するように魔力弾に魔力を送り込む。

魔力弾は少し収縮し、次の瞬間…


『ドンッッッ!!』


結界内で小さく爆発。


…っ!?………痛あああいっ!?


数秒か数十秒か…時間が経過し、爆発のエネルギーが収まったのを見計らい、俺は結界を解除した。


「あ~痛かった…」


俺は両掌をふぅ~ふぅ~と息を吹き掛けながら言う。


「はあ…はあ………ちっ………俺の最大の攻撃が…はあ…痛かったで…済むのかよ…」


一つ舌打ちをし、ボソリ…と魔人が呆れたように呟いた。

お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


【ポイント評価】【いいね】【ブックマーク】【感想】【レビュー】ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ