謁見!!!
「貴様がユーリウスか…。話はいろいろと聞いている」
何の用で呼ばれたのかよく分からないのに、俺はいったい何と答えればいいのだろうか…。
それ以前に声が似ていて、笑いを堪えるので精一杯である。
とりあえず無言で通す…のが良いだろうか…。
「ヴァーチェでのグラム商会の拡大、新しい技術の普及などに多く絡んでいるようだな。あとは父親であるアリウスのヴァーチェへの帰還もか…」
さすが王族…と言うべきなのかどうかは分からないが、俺に関する情報は一通りは持っているようである。
「アリウスがヴァーチェへ戻ると聞いた時は驚いたものだが…家族の為…という理由にも驚いた」
ああ…確か、法衣貴族で事務方のナンバー3だったんでしたっけ?そんなのが抜けるとか言いだしたら、それはびっくりしますよね…。
「五男である貴様がわかっていたのかは知らないが、裏の仕事もある時からゼハールト家では受けなくなったな…」
ソコに関しては俺はほとんど動いていないが…義祖父さんやシーバスが受けなくなったみたいだな。まあ、俺はその方が良いとは思っているが…。
「分かっているのだろう?貴様がゼハールト家の本邸に来てからの話だ」
言ってもその話って、十年近く前の話でしょうよ…。今さら引っ張り出すかね…。
あっ………いかん、ちょっとイラついてきた。
「まあ、ソコに関してはあまり言うことは無い…」
無いんかいっ!?じゃあ何で言ったしっ!?
「呼んだのはリリアーナのことに関してだ」
リリアーナ王女?………何かしたっけか?たいして絡みも無いはずだけど…。
「ユーリウス=フォン=ゼハールト………貴様、リリアーナに何をした…?」
………ん?王女に?
………俺が?
「先日、リリアーナが帰った際の話だ。リリアーナが貴様と会ってからの話を嬉しそうに語るのだ…」
………王女が?
そんな語られるほど絡んだ覚えが全然無いのだが…。
「学校での男の話など…、今までなら事務的なことでしか出てこなかったのに…だ」
………ん?何か…流れが…
「嬉しそうにっ!語るのだっ!娘がっ!」
………流れがおかしいな。あとなんで倒置法?
「貴様………学校でリリアーナに何をしたっ!?」
えぇ~~~………?
いや………えっ?そこの話なの?
王都にまで呼んで?
「………えぇっ………と、いや………その、何もしていない…と思うんですが…?」
ちょっと…ではないな。あまりに予想外過ぎて、何を答えていいのか全然分からないんですが…。
シーバス…ちょっと、助けて…って、お前は何で明後日の方を向いているんですかね?
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