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出てた!

「さ、入ろうユーリ…」


使いの男が玄関から入り、続いて俺はセイ兄に手を引かれながら本邸へと足を踏み入れた。

そして入ると同時に感じる冷ややかな視線…。


「(コイツら…)」


さっきの執事もそうだが他の使用人たちも、嫌な視線を向けてきていた。

どうやらこの屋敷にいる奴らは、揃いも揃って俺の敵らしい。

そして、この視線の中でセイ兄は定期的に過ごさせられていた、ってことか…。


別邸にいた、セバスさん、メイさんは本当に特別な存在だったんだな…俺はそんなことを思いつつ、怒りに支配されそうな心を押さえつける。

と言っても、既に俺の逆鱗には触れているのだが…。


セイ兄に手を引かれ、応接室だろう大きな部屋に入る。

そこには先を進んでいた執事、そしてその前には二人の女性。


二人共が金髪をアップにしており、色違いの派手なドレスに無駄にジャラジャラとアクセサリーを着けている。

そして底意地の悪そうな目付きに厭らしい笑みを浮かべ、セイ兄を見た後に俺へと視線を向けた。


『ギロリ』と射ぬくように俺に向けた視線は、とても三歳児に向けて良いモノではない。

「あ?何見てんだコラァ、ぶっ◯すぞ!」と心の中で伏せ字をしつつ、思ってても言わない。


『バキンッ』

「………ん?」


何かを折る音がした方向…と言うかほぼ正面だった…を見ると、多分第一夫人だろう女性が、持っていた派手な扇を両手で折っていた。

その視線はさらに険しく、歯軋りこそしていないが心なしか青筋を立てて、何やらプルプルと震えていた。

………どうやら声に出てたらしい。

思ってても言わないキリッ…とか言ったばかりなのに声に出しちゃってたらしい。…恥ずい。


「ユ、ユーリ。駄目だよ、そんなこと言っちゃ…」


俺の手を引いているセイ兄が焦って俺にそう言うが…


「フ…フフフ…一先ず食事を、と思っていましたが…良いでしょう。貴方には躾の方が先に必要のようですね…」


………ぁあ?躾だぁ?


「お、お義母様、ぼ、僕が謝りますのでどう」「黙りなさい、セイリウス」「っ!?」


俺を庇おうとするセイ兄の言葉に被せて制する女性…というかウチのセイ兄はやはり天使か。


「セイリウス、貴方は先に食事に向かいなさい。ユーリウスは別室に連れて行きます」

「………っ!!お義母様、どうかユー」「黙りなさいと言いました」「…うぅ!?」


セイ兄を睨み付け、言い放つ。


「ふぅ………なら貴方も一緒に躾られますかセイリウス?」

「っ!?」


ぁあん?ちょっと待てババ…BBA!ウチのセイ兄を巻き込もうってか?

さすがに許さんぞ!?



お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


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