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…い、今から?

狙い撃ちそうな都市、デュナメスの城壁外での乱闘…。

既に勝負は着いているような気がしないでもないが…。


「二度と楯突かないように…とか考えているのでしょう…」


などと話すシーバスと御者さん。…シーバス、心を読むんじゃない。

…だが、まあ、その通りである。


ヴァーチェ方面ではいろいろと知られているのか、ゼハールト家を敵に回すような貴族家など、ほとんどいない。

しかし…他領、地方にはさすがにソレは浸透していない。進んでソレを浸透させようとは思ってはいなかったが…。

ヴァーチェを出る度にこうなるのは非常に面倒である。


「ふむ…さて、どうしてやろうかな…という顔ですね」


シーバス、心を読むのを止めなさい。


そして決める。

よし、頭から地面に刺さってもらおうか!俺はニヤリ…と口角を上げると…


「「「う…うわあああっ!!!」」」

「「「ひ…ひいいいぃっ!!!」」」


「あ、こらっ、逃げるなっ!?」

「あ、こらっ、逃げるなっ!」


俺と声が重なったのは貴族の奴だ。完全に同じ字面なんだろうが、意味はまったく違うようだ。というかお前ら、護衛だろう?護衛が真っ先に逃げるなよ…。


「………………」


「………………」


私兵が逃げるのを見送り、貴族は恐る恐る俺の方を見る。バチッと目が合ったあとに沈黙が流れるが…

…汗だらだらだね。


「おいっ」


『ビクッ』

「………………」


「お前は逃げないのか?今なら逃がしてやらなくもないぜ?」


「うぐっ…」


「もっとも…形なりからして当主だろう?どこの貴族家ご当主様か知らんが………当主が学生から逃げて何も思わないんならな…」


ふっ…どうだ、この微妙に逃げ道を塞ぐ言い回し。これで逃げるなら逆に尊敬するぜ。

まあ俺ならば「あ、じゃあどうもすいませんしたっ!」って言って逃げちゃうかもしれないが…。

果たして、コイツはどうだろうか?


そしてシーバス…「相変わらず性格がお悪い…」とか言うんじゃない。そこは『人が悪い』だろっ!?なんだよっ『性格がお悪い』って!?『お』付ければ良いと思わないでくれないっ!?


心の中でシーバスにツッコミを入れつつ、相手の出方を待つ。


「くっ………お、おのれぇ…」


おっ!?向かってくるっ!?なかなか根性あるじゃん?まあ、その顔は真っ青で汗だくなんだけれど…。


「喰らうがいいっ!」


剣を抜かず、魔力を練り上げる貴族。

俺の殺気混じりの魔力に晒されているなかで頑張るじゃないか。


よし、良いぞ!さあ、来いっ!


俺は貴族の魔法を受けてから、パイルドライバーで地面に刺そうか、ボディスラムで地面に刺そうか、とどの技でやってやろうかを考えながら構える。


さあ…さあっ!


すると貴族は…


「天空に散らばる数多の精霊たちよ~~~」


………ん?


え?………い、今から詠唱………ですか?

お読みいただき、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


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[良い点] この詠唱は…ラ…ラナリオン……( ˙ω˙ )?
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