誕生の瞬間!
なでなで…。
なでなで…。
何やら周りがざわついているが、俺は撫でるのを止めない。なんか王女の目が蕩けてる感もあったりするが止めない。
ちなみに俺のなでなでは妹レイナの協力?もあり、撫でスキルレベル10である。………すまん、そんなスキルは無い。…が鍛えられた撫でスキルは本物である。
さあっ、リリアーナ王女殿下っ!俺の至高のなでなでを喰らうがいいっ!ふはははははっ!!
なでなで…。
「あ、あの…その…」
「何です、王女殿下?」
なでなで…。
「しょ、処遇の件ですが…」
「はい…」
なでなで…。
「持ち帰らせていただき、前向きに検討させていただきましゅ………あうう…」
………噛んだな。
なでなで…。
「で、ででで、ではこれで失礼しましゅっ!」
「あ、王女っ」
「お待ちをっ」
シュパッと顔を赤くしたまま走り去るリリアーナ王女と王女を追う取り巻きたち。
「………いや、コイツも連れていってやれよ…」
未だ俺に踏まれているこの人がちょっと不憫に思えたので、ソッと足は下ろしてあげた…。
「………帰るか」
「「「いやいや、授業まだあるからっ!!!」」」
野次馬たちからの総ツッコミである。
仕方ないので、ちゃんと授業を受けてから帰ったのは言うまでもない。
翌日…何やら俺が王女を口説いていただのなんだのと噂が出始めていたのだが、現場にいた野次馬たちによってソレが間違いであることが伝えられ、その噂はすぐに終息した。
…が、噂が出たこと自体を気に入らない人たちもいるようで…。
王女様の婚約者候補やら、想いを寄せている奴やらが決闘だなんだと絡んできたのである。
もれなく全員ワンパンで沈めたのだが、何で高等学校の奴とかが交ざってんの?
王女様も止めるように動いてくれているらしいのだが…ソレが原因じゃね?と思いつつ、収まるまで待つことにした。
面倒くさいけれど、ワンパンで終わることだしな。
一人…プレートアーマーに身を包み、騎士然とした奴が現れたが…
「私のリリアーナ王女に手を出しているのは貴さ」『メキィッ』「ぶはぁっ!?」
強めに右ストレートを叩き込み沈める。
いや、お前のようなオッサンは駄目だろう…と、プレートアーマーに悪戯しておく。
俺は校内で可愛い系の絵が描ける奴を連れてきて、可愛いネコミミの女の子を描いてもらった。おそらく異世界初の痛アーマー誕生の瞬間である。
もちろん魔法を使って消えないように細工したのは言うまでもない。
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