改めて…。
『ワイトキングの骨』は成功だった。複数の命令を書き込み実行可能になり、魔力の通りもかなり良い。
俺はコレを加工して魔導エアコンの回路盤にすることに決めた。
次は、この回路盤を作動させるためのリモコンの作成だ。
これがまた面倒だった。何が?と問われれば『魔力の送信と受信』に関する部分である。
まず魔石。弱い魔物の小さな魔石では対応出来なかったのである。
『送信』と『受信』だけであればすぐにできたのだが、肝心なのは『コレをやりなさい』という命令を魔石が受けて送信。受信した魔石が命令に対応した回路を経由して実行する魔石まで魔力を供給する。そして魔力と命令を受けた魔石が実行するワケなのだが、送信と受信部分の魔石が小さいと、その情報量を処理しきれなかったのである。
「う~~~ん、可能な限り小型化したいから送受信の魔石は一組にしたいんだがなぁ…」
この問題を簡単にクリアするには送受信の魔石を複数個使えば良いだけなのだが、出来るだけ小型化させたいのに数を増やせば大型化は免れない。
「壁掛けエアコンを諦めて、タンスみたいなエアコンなら可能だろうけれど…」
魔石も大きい物や質が良い物を試すもクリア出来ず。なんとかならないかと妥協したのが無線式を諦めて、有線式の壁掛けリモコンの形である。
魔石を送受信に分けるのではなく、一つの魔石を加工して繋げたことで壁掛けリモコンの完成に成功した。
まあ、すでにリモコンとしては日本のリモコンより大分大きく、タブレットPCくらいの大きさになってしまっていたのだが…。
とりあえずリモコンは完成。ベッドから無線で操作するのは無理になったが仕方ない。
次はエアコン本体の"ガワ"だな。
回路は出来上がっているし、基本が魔導具なのでモーターやコンプレッサー、フィルターなどいらないワケだ。なので回路を覆う形の物を作れば良いだけ…と思っていたのだが…。
「あの軽さと丈夫さを持つ素材が無い。あのプラスチックみたいなやつって…地球って凄い技術を使っているんだな…」
改めてそう思った。
錬金術ならあれに近い素材の物を創れるかと思ったのだが、そもそもの素材の知識が無いので鑑定先生も俺の記憶から引っ張り出すことも出来ず。
アレって取説とかに書いてあったけか?読まないから記憶に残るとかも無いんだよなぁ…。
重くなると壁に掛けるのに適さないし、軽くすると強度がなぁ…。
一番良さそうな素材が非常に硬くて軽い龍素材、次点で竜素材だった。…が勿体無いので却下。
そもそもエアコンのカバー部分が龍(竜)の素材です。って頭おかしい、と思われそうである。
またちょっと『無限収納』内を探すか…。
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